ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ
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ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ (イタリア) |
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画像募集中| | |
(英名) | Sacri Monti of Piedmont and Lombardy |
(仏名) | Sacri Monti du Piemont et de Lombardie |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | 文化遺産(ii)(iv) |
登録年 | 2003年 |
拡張年 | |
備考 | |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
地図 | |
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ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティは、イタリアのピエモンテ州とロンバルディア州にあるユネスコの世界遺産登録物件名。
目次 |
[編集] 概要
サクロ・モンテ(Sacri Monti,Sacred Mountains)とは聖なる山の意味(サクリ・モンティは、サクロ・モンテの複数形表記)。本物件では北イタリアの9つのサクロ・モンテが世界遺産に登録されている。
サクリ・モンティの造営は、15世紀から16世紀にかけて、エルサレムやパレスチナへの聖地巡礼の代替として始まったといわれている。当時、エルサレムはイスラム勢力下にあり巡礼はほぼ困難であった。1480年頃にバルセシア(Valsesia)のヴァラッロ(Varallo)を見下ろす丘の上に最初の聖山が造営された。 その後、1535年のトリエント公会議の結論を受け、プロテスタントの宗教改革に対抗するため、ヴァラッロをモデルとして、Crea,Orta,Varese,Oropa,Ossuccio,Ghiffa,Domodossola,Valpergaの8つの聖山の造営が行われた。特にこれらはミラノ司教カルロ・ボッロメーオの強い支援を受けた。
18世紀以後も、サクリ・モンティの造営は行われた。しかし、このころの建築は宗教動機が薄れたデザインになっている。
[編集] ヴァラッロのサクロ・モンテ
1480年頃に造営された初期のサクロ・モンテで、数多くの彫刻やキリストの受難を描いたフレスコ画が残る。エルサレムを模して作られたので新エルサレムとも呼ばれる。16世紀の対抗改革の影響を受けて変更が加えられた。ナザレやベスレヘムを模したレイアウトに、45の教会がメイン通りに沿って建っている。
[編集] サンタ・マリア・アッスンタのサクロ・モンテ(クレア)
1589年に造営。現在は23の教会と5つの住居跡が残る。
[編集] サン・フランチェスコのサクロ・モンテ(オルタ)
ここの造営は3つの期間に分けられる。第1の期間は、1590年から1630年頃まででそのころより古い様式のものが多い。第2の期間は17世紀末までで、バロック様式。第3の期間は、18世紀末までで、脱バロック様式を狙ったものが多い。
[編集] ロザリオのサクロ・モンテ(ヴァレーゼ)
1474年から巡礼地となる。1604年から約2kmの道に沿って造成が始まる。多額の寄付金が早くに集まり、他のサクロ・モンテより早く工事が進み、1623年までに13の教会が完成。1698年に全ての教会が完成した。教会、井戸、噴水の様式は彫像やフレスコによる装飾で変化が与えられている。
[編集] ベアータ・ヴェルジネのサクロ・モンテ(ビエッラ)
[編集] ベアータ・ヴェルジネ・ディ・ソッコルソのサクロ・モンテ(オッスッチョ)
[編集] サンタ・トリニタのサクロ・モンテ(ギッファ)
[編集] カルヴァリオのサクロ・モンテ(ドモドッソラ)
[編集] ベルモンテのサクロ・モンテ(ヴァルペルガ)
[編集] 登録基準
この世界遺産は、世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (ii) ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。
[編集] 関連項目
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