フェーズドアレイレーダー
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
フェーズドアレイレーダー(phased array radar:位相配列レーダー)とは平面に多数のアンテナを備え、従来型のレーダーのようにアンテナ自体を動かすのではなく、平面上の多数のアンテナからそれぞれ放射する電波の位相を電気回路で制御することで、多数アンテナからの電波を合成して、旋回・俯仰する走査方法を用いて観測するレーダーである。そのため、レーダそのものを機械的に回転する必要がない。尚、平面状のアンテナのそれぞれに電波送受信機が実装されているものがアクティヴ式で、レーダー本体と別の場所に電波送受信機が実装されているものがパッシヴ式である。アクティヴ式はパッシヴ式と比較して高い技術力が要求されるが、パッシヴ型に比べ小型化が可能である。動作原理はホイヘンスの原理を参照の事。
[編集] 主なフェーズドアレイレーダー
- AN/SPY-1:イージス艦用のレーダー(パッシヴ式)。
- FCS-3:ミニイージスとも呼ばれる海上自衛隊のレーダー。13500トン型護衛艦に搭載予定(アクティヴ式・射撃管制装置の一部)。
- OPS-24:日本が開発した世界初の艦載用アクティヴ・フェーズドアレイレーダー。あさぎり型護衛艦の「はまぎり」以降に搭載。むらさめ型護衛艦以降には、発展型のOPS-24Bを搭載(アクティヴ式)。
- HQS-103:海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60J搭載の捜索用レーダー。
- J/APG-1:航空自衛隊のF-2用のレーダー(アクティヴ式)。
- AN/APG-77:アメリカ空軍のF-22用のレーダー(アクティヴ式)。
- AN/APY-2:アメリカ空軍のE-3や航空自衛隊のE-767等のAWACS用レーダー(パッシヴ式)。
- N007 S-800:ロシア空軍のMiG-31に搭載されるレーダー(パッシヴ式)。