プルガサリ
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プルガサリ(Pulgasari)とは、
- 「新韓日辞典」(民衆書林)によると、「鉄を食い、悪夢と邪気をはらうという奇怪な形相をした想像上の怪物」。
- 1にヒントを得て作られた映画作品
- 2に登場する怪獣。
本項目では2、3についてを記す。
プルガサリ | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 불가사리 |
漢字: | 不可殺而 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
プルガサリ |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
ローマ字転写: | Pulgasari |
『プルガサリ』(Pulgasari)は、1985年朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)製作の怪獣映画、および作品内に登場した架空の怪獣の名称。「プルガサリ」とは「不可殺」の意であり、想像上の殺すことが出来ない怪物を意味する。特記無い場合は映画作品の既述である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
時代劇に怪獣が登場する映画作品である。朝鮮民話に題材を採ったものであるという。
日本から中野昭慶やゴジラで知られるスーツアクターの薩摩剣八郎など東宝特撮チームが招かれ特殊技術を担当したことでも知られている。
[編集] スタッフ
監督は申相玉(シン・サンオク)なのだが、日本で劇場公開された際は「チョン・ゴンジョ」なる人物に変更されている。
- 監督、製作:申相玉
- 脚本:キム・セリュン
- 撮影:チョ・ミョンヒョン、パク・スンホ
- 編集:キム・リョンスン
- 照明:ロ・ドンチョン、リ・インボム
- 特殊効果:キム・ドクホ
- 特撮美術:パク・チョンギル
- 音楽:ソ・ジョンゴン
- 美術:リ・ドイク
- 協力特撮監督:中野昭慶(※)
- 撮影:江上憲一(※)
- 美術:鈴木儀雄(※)
- 照明:三上鴻平(※)
- 特殊効果:久米攻(※)
- 協力:東宝映像(※)
- 製作:朝鮮芸術映画撮影所
- 製作年:1985年
- 製作国:朝鮮民主主義人民共和国
- 日本語版字幕:根本理恵
- 提供:アジア映像センター
- 配給(日本):レイジング・サンダー
(※):クレジットなし
[編集] あらすじ
昔の王朝時代の朝鮮が舞台であり、暴政のために獄死した鍛冶屋が獄中で飯を練って作った小さな像が命を得て、鉄を食う怪物「プルガサリ」となり、民衆の味方となって王とその軍に立ち向かうが、特殊な兵器の反撃に遭いやられてしまう。
しかし、息を吹き返し巨大化・強力化したプルガサリは城へ進撃し、王を倒すも最後は邪魔者扱いされ滅びるという物語。
[編集] 特徴
王城の再現力とその破壊の迫力、現実感がある戦闘シーンなどがあげられる。
[編集] 登場キャラクター(出演)
- タクセ(リ・イングォン):鍛冶職人。民衆に慕われている。(※タクセは「ク」「セ」にアクセント)
- アミ(チャン・ソニ):タクセの娘で、インデと恋仲。
- インデ(ハム・ギソプ):民衆の反乱(一揆)を準備し、朝廷軍と戦闘する。
- ファン将軍(リ・リョンウン):朝廷軍の将軍。
- 王(パク・ヨンハク):終盤で倒される。
[編集] 怪獣プルガサリ
- 鉄を食し、徐々に大型化する。誕生直後は細かな上半身の運きが見られるが、巨大になると壁のように動き、動作が遅くなる。
- 民衆を苦しめる王朝を攻めるなど常に民衆側の味方となって破壊活動をする。
- 生まれたての頃のスーツアクターは小人のマーチャン(深沢政雄)、 大型化してからは、薩摩剣八郎。
[編集] 撮影エピソード
[編集] 劇場公開
- 日本では政治的理由により一時公開が取り止めとなっていたが、1998年になってようやく公開された。
- なお本作撮影直後に申相玉が亡命したため、「裏切り者」の作品として北朝鮮では公開されていない。[要出典]
[編集] ビデオ化
日本では1998年以前に和光クリエーションでビデオ化されたが現在では海賊版扱いとされている。
1998年にVHS、DVDで現在での正規ルートから発売された。LD版も存在する。
- VHS:『プルガサリ~伝説の大怪獣~【日本語吹替版】』(NTSC 1998年)
- DVD:『プルガサリ/伝説の大怪獣』(特典:撮影風景写真 NTSC 1998年 ジェネオン・エンタテインメント=パイオニアLDC)
- DVD:『プルガサリ 伝説の大怪獣 <ザ・定番 第1弾>』(廉価版 特典:撮影風景写真 NTSC 2004年 ジェネオン・エンタテインメント)
[編集] テレビ放送
日本では1999年に東京都域のMXテレビ(現愛称・TOKYO MX)でゴールデンタイムに放送された。
- MXテレビ 1999年11月20日(20時~)
[編集] その他
- 映画好きで知られる金正日自らがプロデュースした作品であるとされる。個人ウェブサイトなどで誤解されているが、製作当時金正日は「最高権力者」ではなく当時公衆にはほとんど姿を見せなかった。
- 撮影後に申は北朝鮮から亡命し、アメリカ合衆国にて本作を『ガルガメス』というタイトルでリメイクした。
- 日本からの美術スタッフの一人が宿舎へ帰るバスに乗り遅れ、現地スタッフに誘導され地下鉄に乗車して帰ったが、当時の平壌の地下鉄は日本人開放前であり、その現地スタッフは翌日から姿を見せなくなったということが薩摩の著書「着グルミ役者と呼ばれて30年 俺は俳優だ」にある。
[編集] 関連項目
[編集] 関連書籍
- 薩摩剣八郎『着グルミ役者と呼ばれて30年 俺は俳優だ』ワイズ出版、2004年(ISBN 4898301797)
- 眞壁廉『元気かい? プルガサリ』文芸社、2003年(ISBN 4-8355-6220-8)
- 薩摩剣八郎『ゴジラが見た北朝鮮』ネスコ、1988年(ISBN 4-89036-747-0)
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