マイアミ大学 (フロリダ州)
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マイアミ大学( - だいがく、University of Miami、略称:UM または The U)は、フロリダ州マイアミ市南西郊の高級住宅地、コーラルゲーブルス市に位置する私立総合大学。学生数は学部生・大学院生合わせて約13,000人。フロリダ州では最も優秀な私立大学で、U.S.News&World Report誌の大学ランキングでは、同校は常に全米の大学の中で上位100位以内にランクされている。同誌2006年度版のランキングにおいては、同校は第55位であった。
また、同校はカレッジフットボールの強豪としても有名である。1980年代に黄金時代を迎え、これまでにNFLに多数の選手を輩出している。
なお、アメリカ合衆国にはフロリダ州とオハイオ州に2校のマイアミ大学がある。後者はオハイオ州南西部に位置する中規模州立大学で、英名をMiami Universityという。両者は区別されなければならない。ここではフロリダ州のマイアミ大学について述べる。オハイオ州のマイアミ大学に関しては、マイアミ大学 (オハイオ州)を参照のこと。
[編集] 学生・学問
マイアミ大学は建築・教養・経営・コミュニケーション・教育・工学・音楽・看護の8学部、および法科大学院・医科大学院・海洋学研究科の3大学院を有する総合大学である。その学問分野のうち、特に評価が高いのは経営学、海洋生物学、医学、音楽の分野である。
2005年の新入生の高校での平均GPA(評定平均)は4.0(下記注)、SATの点数中央値は1316点であった。67%の新入生は、高校での成績が上位10%以内であった。
(注)GPA4.0は、日本の高校の5段階評価では5.0に相当する。これはアメリカ合衆国の高校に特有の"Advanced Course"での単位取得によるものであり、全ての教科がAであるというわけではない。"Advanced Course"とは、発展的な内容の、通常よりも難度の高い授業のことであり、評定点が通常授業の1.5倍となる(Aで6点、Bでも4.5点)。
[編集] スポーツ
タイトル・ナイン(Title IX)の規定により、私立大学であるマイアミ大学は男女合わせて16の代表チームが競技に参加しているのみである。しかし、同校はフットボールと野球の強豪として非常に有名であり、特にフットボールはNFLに多数の選手を輩出している。
マイアミ大学はアトランティック・コースト・カンファレンス(Atlantic Coast Conference、ACCとも)に所属している。州内の強豪であるフロリダ・ゲイターズ(フロリダ大学)、フロリダステート・セミノールズ(フロリダ州立大学)の両校は積年のライバルであり、しのぎを削っている。
同校の初優勝は1983年。オレンジボウルでネブラスカ・コーンハスカーズ(ネブラスカ大学)を 31-30 で破り、栄冠に輝いた。その後1987年、1989年、1991年とわずか8年で4度の優勝を遂げた。その年にビッグ・イースト・カンファレンス(Big East Conference)に加入、翌々年の1993年から同カンファレンス所属校との試合スケジュールを開始した。
1980年代に黄金時代を謳歌した同校だが、1990年代は一転、低迷期を迎える。しかし、1999年開幕戦でオハイオステート・バックアイズ(オハイオ州立大学)に 23-12 で勝利、チームは再び波に乗る。2001年にはローズボウルで再びコーンハスカーズを 37-14 で破って5度目の優勝を果たし、全米に「マイアミ大学復活」を印象付けた。2002年に入っても同校は勝利を積み重ね、連覇をかけてフィエスタボウルに出場、バックアイズと対戦した。圧倒的な攻撃力を誇り、試合前には優勢と見られていた同校であったが、2度の延長戦に突入、堅守を誇るバックアイズの前に一歩及ばず、ついに 31-24 で敗れ、2000年からの連勝が34で止まった。
同校は2003年に現在のアトランティック・コースト・カンファレンスに移籍。現在においても、安定した実力を持っている。
同校はキャンパス内にスタジアムを持っていない。同校のホームの試合は、マイアミ市内のマイアミ・オレンジボウルで行われる。== 日本とのかかわり == 国際都市マイアミの郊外に位置するだけあって、同校は国際交流にも熱心である。日本の大学では、上智大学・関西外国語大学の2校が同校と交換留学の提携を結び、優秀な学生を相互に留学生として受け入れ・派遣している。