マイケル・デル
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マイケル・デル(Michael Saul Dell, 1965年2月23日 - )は、アメリカ合衆国の実業家。デル社の創設者、会長兼最高経営責任者。
[編集] 経歴
テキサス州ヒューストンに生まれる。父は歯科矯正医、母は株式仲買人。裕福なユダヤ人の家庭で育った。少年時代からビジネスを経験しており、12歳の時に当時流行していた切手収集に着目し、切手のカタログを作成して雑誌に広告を出し、2,000ドルを稼いでいる。やがてコンピュータに興味を持ちだすと、店頭に売られているコンピュータをアップグレードしては友人に販売していた[1]。
高校卒業後、外科医を志してテキサス大学オースティン校に入学。在学中の1984年、わずか1,000ドルの資金を元手に学生寮の自室で「PC's Limited」というコンピュータ会社を興す。そして19歳の時に大学を中退し、ビジネスに専念。「販売店やディーラーを介さず、注文生産の製品を直接顧客に販売する」というコンピュータ業界初の直販制度を採用したことで会社は急成長を遂げ、1987年に社名を「デル・コンピュータ」と改め、1988年には NASDAQ に株式公開を果たした[2]。1992年に会社は Fortune 500 入りを果たし、デルは Fortune 500 社中最も若い最高経営責任者になった[3]。2003年には製品ラインを拡大し社名を「デル」に改名[4]。2004年7月には最高経営責任者職をそれまで最高執行責任者を務めていたケビン・ロリンズに譲った[5]。2007年2月、ロリンズの辞任に伴い、最高経営責任者職に復帰している[6]。
1998年にベンチャーキャピタル MSD Capital を設立[7]。1999年に妻スーザンとともに慈善団体「マイケル&スーザン・デル財団」を開設し[7]、2006年5月には母校テキサス大学オースティン校に5,000万米ドルの寄付を行った[8]。デルは世界経済フォーラムの Foundation Board、International Business Council の実行委員、U.S. Business Council のメンバー、米大統領の科学技術に関する諮問委員会、インド商科大学院の運営委員会のメンバーでもある[7]。
[編集] 脚注
- ^ "Michael Dell: Information from Answers.com (英語)" Answers.com. 2007年2月13日閲覧.
- ^ "Dell Inc. 会社概要" デル. 2007年2月13日閲覧.
- ^ "経営陣紹介" デル. 2007年2月13日閲覧.
- ^ "今度はただの「デル」 -米デルコンピュータが社名変更" CNET Japan: 2003-07-22. 2007年2月13日閲覧.
- ^ "米Dell,新CEOに現COOの Kevin Rollins氏を任命,Dell氏は会長職を続投" ITpro: 2004-03-05. 2007年2月13日閲覧.
- ^ Yamashita, Yoichi (2007-02-01). "Dell、CEOに創業者のマイケル・デル氏が復帰" MYCOMジャーナル. 2007年2月13日閲覧.
- ^ a b c "Michael S. Dell - Chairman of the Board (英語)" Dell. 2007年2月14日閲覧.
- ^ Warden, Michael L. (2006). "Michael & Susan Dell Foundation Grants $50 Million to University of Texas to Bring Excellence in Children's Health and Education to Austin (英語)" The University of Texas System - Press Releases. 2007年2月13日閲覧.