モンスターズ・インク
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『モンスターズ・インク』(Monsters, Inc.)は、2001年に公開されたディズニーとピクサー製作の長編フルCGアニメーション映画。ピクサーの長編アニメーション作品としては第4作目となる。日本では2002年3月2日に公開された。
2001年のアカデミー賞では作曲賞、主題歌賞、音響効果賞、長編アニメ賞にノミネートされ、そのうち主題歌賞を受賞した。
2005年には「ディズニー・オン・アイス」の20周年記念としてこの作品が上演されている。日本で上演されるにあたってブー役の女の子は一般公募され、2人が選ばれた。またいくつかのシーンがスケートダンスに合うようオリジナルの曲が作成されている。
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[編集] スタッフ
- 監督:ピート・ドクター
- 音楽:ランディ・ニューマン
- 製作総指揮:ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
[編集] 登場人物/声の出演
- 本名、ジェームズ・P・サリバン(James P. Sullivan)。モンスターズインク社内一の怖がらせ屋。悲鳴エネルギー獲得量はいつもトップ。240センチの巨体は紫斑点のある青緑の毛むくじゃら。毎日の筋トレを欠かさず、かなり敏捷。モンスター・シティ市民の憧れの的にもなっている。ウォーターヌース社長に仕込まれた吠え声は今や社長すらも感心させるほど。少女に出会ってからは彼女をただ怖がるだけであったが、過ごして行くうちに情が移り、彼女を「ブー」と名づけてしまう。そしてだんだん、マイクをも引きずり込んでしまう・・・・。
- 本名、マイク・ワゾウスキ(Mike Wazowski)。サリーの親友であり、仕事のアシスタントでもある。一つ目の緑のボール型をしている。漫才コンビでいうなら、サリーがボケでマイクが突っ込み。会社受付のセリアと熱愛中。頭の回転が速いがそそっかしい。書類整理が苦手なため、事務担当のロズが大の苦手。
- ブー…メアリー・ギブス(日本語吹替:井上愛理)
- 絶叫フロアに1枚残されていたドアからモンスターズインクに入ってしまった女の子。サリーを「キティー」と呼んで懐く。さらにはマイクの名前も覚えてしまった。この名は幼すぎてロクに喋れない彼女にサリーがつけた呼び名。泣くたびに電気機器が反応してしまうが、なぜか笑ったときはさらに機械が激しく反応してしまう。サリーとマイクはチェアの布とモップで変装させ、彼女を人間界へ送り返そうとする。
- ランドール…スティーヴ・ブシェミ(日本語吹替:青山穣)
- 本名、ランドール・ボッグズ(Randall Boggs)。8本の手足を持つトカゲで、カメレオンのように体色を周囲の風景と同化させる。情け容赦のない冷酷ぶりで、手段を選ばないため、怖がらせ屋2位の成績だが、サリーにまだ勝っていない。アシスタントを無理やりこき使い、社内でもかなりの嫌われ者。サリーを奴隷にしようとまで考えている。
- ファンガス(Jeff Fungus)・・・(日本語吹替:牛山茂)
- ランドールのアシスタント。ランドールに対していつもビクビクしている。
- ウォーターヌース…ジェームズ・コバーン(日本語吹替:大平透)
- 本名、ヘンリー・J・ウォーターヌース(Henry J. Waternoose)。現・モンスターズインク社長。祖父が始めた会社を受け継いだ3代目。サリーに手ほどきをしたのも彼だ。サリーに期待と信頼を寄せる一方、業績不振に悩んでいる。
- セリア(Celia Mae)…ジェニファー・ティリー(日本語吹替:高乃麗)
- モンスターズインクの受付。マイクと熱愛中。スレンダーボディだが、手足が触手、一つ目で髪の毛すべてが蛇。マイクは彼女を「ハニー」と呼び、彼女はマイクを「ギョロメちゃん」と呼んでいる。
- ロズ(Roz)…ボブ・ピーターソン(日本語吹替:磯辺万沙子)
- モンスターズインク社内で事務を担当しているナメクジおばさん。口調がスローな割には仕事に厳しく、書類のことでマイクといつも言い合いになる。
- イエティ・・・(日本語吹替:立木文彦)
- 過去に何らかの理由でモンスターシティから追放され、ヒマラヤで暮らす気のいい雪男。
- ジョージ・・・(茶風林)
- うっかり子供の靴下を体につけたため、CDAに消毒されるかわいそうなモンスター。
- スミティとニードルマン(Needleman and Smitty)
- 会社の掃除係。サリーを尊敬している。
- バイロ・・・(高戸靖広)
- 新入りの怖がらせ屋。間抜けで練習でも失敗ばかり。
- フリント(Flint)・・・(渡辺美佐)
- 新人の教育係。
[編集] 主題歌
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
舞台はモンスターの世界。毛むくじゃらの青いモンスター・サリーと、その相棒である一つ目モンスター・マイクは、モンスターズ株式会社(モンスターズ・インク)で働いている。モンスターズ・インクは、モンスターの世界にエネルギーを供給する大企業で、人間の子供の部屋に通じるドアをたくさん持っている。そのドアから部屋に入って子供たちを怖がらせ、その悲鳴をエネルギーにしているのだ。しかし、モンスターたちは「人間の子供は危険だ」と恐れてもいるのだった。しかもテレビやゲーム・映画などのために簡単にモンスターを怖がらない子供達が増え、会社の業績は悪化していた。
サリーは子供を怖がらすことではナンバー・ワンとして誰もに尊敬されていたが、ある日人間の女の子(ブー)がドアの向こうから入って来る場に居合わせてしまう。サリーとマイクはなんとか女の子を人間の世界に戻そうとするのだが、様々な妨害が入ってしまい…。
[編集] 豆知識
- マイクとセリアがデートをする寿司レストラン「ハリーハウゼン」は、アニメーターであるレイ・ハリーハウゼンの名前に由来している。映画の終わり近くでサリーがブーを部屋に戻して別れる場面では、部屋に散らかった玩具の中に映画「ファインディング・ニモ」のニモが登場する。また、映画を通して「トイ・ストーリー」に登場する3DCGのセットがいくつか流用されている。
- 日本での上映は2002年3月2日から始まり、大好評のため大幅に延長され同年7月中旬までのロングラン上映となった。
- アニメーション作品であるのに、本編終了後に「NG集」が流れる。(普通の映画作品で起こり得そうなNGを数場面紹介)さらに、マイクが話の途中、誤魔化しのねたに使ったミュージカルが、本当に上演される。これらのシーンは衛星放送のWOWOWでのテレビ放送では一切無くなり、スタッフロールのみに置き換えられている。
- ピクサーの次の作品である「ファインディング・ニモ」のスタッフロールでは、水中を横切るマイクが出てくる。
- アメリカのカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドリゾートのテーマパーク、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーでは、同映画を元にしたアトラクション「Monsters, Inc. Mike & Sulley to the Rescue!」が2006年1月からオープンした。
- 同様のアトラクションは、東京ディズニーランドでも2009年にオープン予定、場所はトゥモローランドの「ミート・ザ・ワールド」跡地の予定
- ピクサー作品のカーズ(2006年)ではエンディングでパロディー映画「モンスター・トラック・インク」として登場。サリーとマイクが車(しかもキャタピラ車)になってる。場面は人間界のヒマラヤに追放されたシーン。
- 冒頭のテーマ音楽に使われている2つの旋律楽器(ソプラノサックスとトロンボーン)はそれぞれマイクとサリーの2人を表現しているものと思われる。