ユナイテッド・アーティスツ
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ユナイテッド・アーティスツ(United Artists、略称:UA)は、かつてはアメリカの映画配給会社・映画スタジオのひとつであったが、現在は映画会社「MGM」に属す。
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[編集] 沿革
- 1919年 俳優のチャーリー・チャップリン、メアリー・ピックフォード、ダグラス・フェアバンクス、監督のD・W・グリフィスによって創立される。
- 彼らは、大手会社の制約に息苦しさを感じ、創造の自由を得て自らの出演作を製作・配給に至る。
- チャップリン、ピックフォード、フェアバンクス、グリフィスを同社設立に導いたのは当時パラマウントの役員だった、ベンジャミン・シュルバーグだった。彼は元財務長官のウィリアム・マカドゥーを社長に据えて経営を始めるが、利益はこの5人に分けられてしまう事を悟り、彼らを利用した経営方針を取り始める。間もなくマカドゥーは去り、その後同社の経営陣は頻繁に交代することになった。1930年代は独立系のサミュエル・ゴールドウィン、英国の大物アレクサンダー・コルダの作品を配給し、両者ともUAの主要株主だった。1940年代に入って彼らが手を引くと同社は低迷期に突入。また、他のメジャー会社と違って映画スタジオを持たなかったのがハンディになり、低迷に追い打ちをかける。しかし、1950年代にスタジオ・システムが崩壊したために、配給網を統一して1950ー1970年代は隆盛を極める。
- 1967年 複合企業「トランス・アメリカ」の傘下となる。
- 1981年 制作した『天国の門』が大赤字になったため、経営不振によりMGMに買収される。
- 1985年 テッド・ターナーが、MGMのオーナーカーク・カーコリアンからUAごとMGMを買収するが、ターナーはすぐにUAの全権利とMGMの商標をカーコリアンに再売却する。その結果、ターナーはMGMのライブラリーを手にし、UAはMGMと名乗るようになる。
- 1985年以前のMGM作品はターナー・エンターテインメント/タイム・ワーナー社が所有している。
- 2006年 俳優トム・クルーズがメトロ・ゴールドウィン・メイヤーと提携し、ユナイテッド・アーティスツの実質的な経営者として、映画製作を手掛けることが発表される。クルーズのビジネスパートナーであるポーラ・ワグナーがCEOに就任。
[編集] 主な映画
- 生きるべきか死ぬべきか
- ウエスト・サイド物語
- 努力しないで出世する方法
- 噂の二人
- お熱いのがお好き
- 007シリーズ
- 影なき狙撃者
- 狩人の夜
- 華麗なる賭け
- キッスで殺せ
- 空軍大戦略
- サンダーボルト
- ジャガーノート
- 十二人の怒れる男
- 大脱走
- ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
- 真昼の決闘
- モダン・タイムス
- 奴らを高く吊せ!
- 夕陽のガンマン
- 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
- ロッキー
- 凸凹猛獣狩
[編集] 関連事項
[編集] オープニングロゴ
- 暗闇からUAのロゴが浮かび上がる。音声はきわめて古い。ただしDVDにおいては異なる。
- MGMと合併後は、United Artistの下にA MGM Companyの文字が付いてくる。英語版を参照。