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ジェームズ・ボンド - Wikipedia

ジェームズ・ボンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Disambiguation

この項目では作品のタイトルとしてのジェームズ・ボンド(007)について説明しています。

ジェームズ・ボンドJames Bond)はイギリス作家イアン・フレミング1908年 - 1964年)のスパイ小説およびこれを原作とする映画の主人公である、イギリス情報部のエース諜報員。殺人許可証(任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる。この資格については「殺しのライセンス」という惹句でしばしば表現される)を与えられており、「007」のコードネームを持つ。

なお「007」は原語で「ダブルオーセブン」で、これが “正しい読み方” とされている。ただし日本では1970年代中頃までは「ゼロゼロセブン」と言っており[1]、映画も第1作から第7作『ダイヤモンドは永遠に』までは「ゼロゼロセブン」で公開されている。

目次

[編集] イアン・フレミングの原作小説

原作者のイアン・ランカスター・フレミングは1908年5月28日ロンドン生まれ。 ロイター通信社の記者、銀行の副頭取などの職業を転々としたのち、第二次世界大戦中はジョン・ゴドフリー提督の助手としてイギリス情報部(SOE―特別作戦部)に所属。対敵諜報工作に携わっており、この経験を活かして007を書いたと言われる。

ジェームズ・ボンド」という、英語圏ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものである。「ジェームズ・ボンド」という名前はフレミングがイギリス情報部在職中のコードネームだったのではないか、といわれることもあるが、フレミングが愛読する「西インド諸島の鳥」の著者で鳥類学者の名前をいただいたというのが定説である。余談であるが、シリーズ第20作『ダイ・アナザー・デイ』ではボンドが鳥類研究の本を脇に挟みながら「鳥類学者だ」と身分を偽るシーンがある。

また、前出のイギリス情報部で諜報工作に関わっていた際に、情報部がフレミングに与えたコードネームが『くまのプーさん』の主人公の名前であった事からフレミングが勝手に「ジェームズ・ボンド」を名乗っていた、という説もある。

ちなみに鳥類学者のジェームズ・ボンド1989年に亡くなった。

フレミングの小説「007シリーズ」は1953年4月13日、イギリスのジョナサン・ケープ社から出版された第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まり、1964年8月12日にフレミングが亡くなるまで書き継がれる。

当初はそれなりの評価を得ながらもあまり売れなかった。そのため、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えるが、その度に映像化の話が出てきてシリーズは継続されることになった。本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、そのきっかけは、フレミングと縁があったケネディ米大統領が『ロシアから愛をこめて』を愛読書のリストの中に入れたことだった(実際には007を愛読していたのはケネディ夫人のジャクリーンだったとも言われている)。

その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚なリアリズム派スパイ小説とは対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、アメリカのハードボイルド小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを描くものであった(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。

しかし、「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった(1959年の『ゴールドフィンガー』など)。

超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、グラマラスな美女を配した「洗練されたマッチョイズム」の物語は大衆の嗜好に合致し、また冷戦状況下では、東側ブロックを絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流小説が世界各国に氾濫した。映画・コミックへの影響も非常に多大である。

[編集] フレミング以外の作者

フレミングの死後、イギリスの作家キングスレー・エイミスが未亡人の許可を得てロバート・マーカムの名で『007/孫大佐』を書いた。シリーズ化される予定だったが、評判は芳しくなく、シリーズ化には至らなかった。

1977年には、映画『The Spy Who Loved Me (私を愛したスパイ)』のノベライゼーションが出版された(タイトルはJames Bond, the Spy Who Loved Me)。執筆したのは、脚本を担当した小説家クリストファー・ウッド。クリストファー・ウッドは、1979年に公開された『ムーンレイカー』の脚本も担当。同様にノベライゼーションを手がけた(タイトルはJames Bond and Moonraker)。映画シリーズで、脚本家がノベライゼーションを担当したのはこの二作だけ。

1981年に発表された『メルトダウン作戦 License Renewed』から、ジョン・ガードナーがフレミングを引き継ぐ形で「007シリーズ」を再開させた。ガードナーによる新・「007シリーズ」は、当初は好評を得たものの、作品が発表される度に評価は低下していった。独自に展開しているうちに映画シリーズとは全くかけ離れたものになってしまったのが原因と思われる。その後1996年からレイモンド・ベンソンがシリーズ3代目の作家として作品を発表したが、6作目(『赤い刺青の男 The Man with the Red Tattoo』)で007作家を辞めることになった。これを引き継ぐ作家は未定のようである。

なお、2002年にベンソンが『007/赤い刺青の男』を発表した際、日本を舞台とした内容であったことから、日本の一部マスコミが映画の次回作は日本が舞台かと騒いだが、この両者のオリジナル作品が映画化されたことはなく、逆に映画の脚本を基にしたノベライゼーション版をオリジナルに併行して発表しているにすぎない。だが、舞台とされる香川県直島町では町や県を挙げてのロケ誘致をはじめていて、町内には007資料館まで作ってしまうほどの力の入れようである(もうひとつの舞台とされる北海道の登別温泉でも直島ほどではないがロケ誘致が行なわれている)。

[編集] 007シリーズ小説一覧

[編集] イアン・フレミング作品

日本では井上一夫によってすべてが翻訳された。

[編集] 長編

  1. 『カジノ・ロワイヤル』Casino Royale1953年
  2. 『死ぬのは奴らだ』Live and Let Die1954年
  3. 『ムーンレイカー』Moonraker1955年
  4. 『ダイヤモンドは永遠に』Diamonds Are Forever1956年
  5. 『ロシアから愛をこめて』From Russia, With Love1957年)(映画化作品のタイトルは「ロシアより」であるが、原作は「ロシアから」である)
  6. 『ドクター・ノオ』Doctor No1958年
  7. 『ゴールドフィンガー』Goldfinger1959年
  8. 『サンダーボール作戦』Thunderball1961年
  9. 『わたしを愛したスパイ』The Spy Who Loved Me1962年
  10. 『女王陛下の007』On Her Majesty's Secret Service1963年
  11. 『007は二度死ぬ』You Only Live Twice1964年
  12. 『黄金の銃をもつ男』The Man With the Golden Gun1965年)(映画化作品のタイトルは「黄金銃」であるが、原作は「黄金の銃」である)

[編集] 短編集

  • 『バラと拳銃』For Your Eyes Only1960年)(旧タイトル『007号の冒険』)
    • 「バラと拳銃」From a View to a Kill
    • 「読後焼却すべし」For Your Eyes Only
    • 「ナッソーの夜」Quantum of Solace
    • 「危険」Risico
    • 「珍魚ヒルデブラント」The Hildebrand Rarity
  • 『オクトパシー』Octopussy and the Living Daylights1966年)(旧タイトル『007/ベルリン脱出』)
    • 「オクトパシー」Octopussy
    • 「ベルリン脱出」The Living Daylights
    • 「所有者はある女性」The Property of a Lady

[編集] その他の作者による007小説

[編集] ロバート・マーカム(キングスレー・エイミス)作品

  • 『007/孫大佐』Colonel Sun1968年

[編集] ジョン・ガードナー作品

  1. 『メルトダウン作戦』License Renewed1981年
  2. 『スペクターの逆襲』For Special Services1982年
  3. 『アイスブレーカー』Icebreaker1983年
  4. 『独立戦争ゲーム』Role of Honour1984年
  5. 『不死身な奴はいない』Nobody Lives Forever1986年
  6. 『覚悟はいいかね、ボンド君』No Deals, Mr. Bond1987年
  7. 『スコーピアスの謎』Scorpius1987年
  8. 『ミンサザイ作戦 準備完了』Win, Lose or Die1989年
  9. 『紳士らしく死ね』Brokenclaw1990年
  10. The Man From Barbarossa』(1991年
  11. Death is Forever』(1992年
  12. Never Send Flowers』(1993年
  13. SeaFire』(1994年
  14. COLD』(1996年)アメリカ版は『Cold Fall

[編集] レイモンド・ベンソン作品

  1. 『007/ゼロ・マイナス・テン』Zero Minus Ten1997年
  2. 『007/ファクト・オブ・デス』The Facts of Death1998年
  3. 『007/ハイタイム・トゥ・キル』High Time to Kill1999年)#Doubleshot2000年
  4. Never Dream of Dying』2001年
  5. 『007/赤い刺青の男The Man with the Red Tattoo2002年
  • 短編(未収録)
    • Blast from the Past』(1996年
    • Midsummer Night's Doom』(1999年
    • 『007/ライヴ・アット・ファイヴ』Live at Five1999年

[編集] ジョン・ピアースン作品

  • 『ジェイムズ・ボンド伝』James Bond/The Authorised Biography of 0071973年
    • ボンド本人へのインタビューという形で、その生い立ちから『黄金の銃をもつ男』の後に至るまで公私に渡るボンドの半生を描いた大作。ボンドの活躍は全て実話で、イギリス情報部の委嘱を受けたフレミングが「ボンドをフィクションの人物と見せかけてソ連側の魔手から遠ざけるため」実話を小説化したという設定を取っている。本書内の設定によれば、小説シリーズ3作目の『ムーンレイカー』だけが「ボンドを架空の人物らしく印象づけるためのフィクション」であるという。なお本書のインタビューで、ボンドは自身を演じたショーン・コネリーについて「何だあの男は」などと批判的な発言をしている。

[編集] ノベライゼーション作品

  1. 『新・私を愛したスパイ』James Bond, the Spy Who Loved Me1977年)(クリストファー・ウッド著)
  2. 『007とムーンレイカー』James Bond and Moonraker1979年)(クリストファー・ウッド著)
  3. 『消されたライセンス』Licence to Kill1989年)(ジョン・ガードナー著)
  4. 『ゴールデンアイ』Goldeneye1995年)(ジョン・ガードナー著)
  5. 『トゥモロー・ネバー・ダイ』Tomorrow Never Dies1997年)(レイモンド・ベンソン著)
  6. 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』The World is Not Enough1999年)(レイモンド・ベンソン著)
  7. 『007/ダイ・アナザー・デイ』Die Another Day2002年)(レイモンド・ベンソン著)

[編集] 漫画作品

ゴルゴ13」で有名なさいとう・たかをによって劇画化されている。大幅な脚色が施されたものとなっている。

[編集] 漫画化された作品

※すべて「ボーイズライフ」掲載

  • 「死ぬのは奴らだ」
  • 「サンダーボール作戦」
  • 「女王陛下の007」
  • 「黄金銃を持つ男」


[編集] パロディ

  1. 『007は三度死ぬ』Sreshchu 007アンドレイ・グリャシキ著)
共産圏のブルガリアの作家グリャシキによって、冷戦中の1958年に「東側版ジェームズ・ボンド」としてスタートした諜報員アヴァクーム・ザーホフのシリーズはブルガリアで非常な人気を得た。そのザーホフを何と本家007と世界を股にかけて対決させた本作は、ザーホフ・シリーズ唯一の日本語翻訳作品である。ボンドの名が使えないため、作中では全て「007」表記で、原書ではトラブルをおもんばかって「07」と表記を変えていた。東側作品であるため、当然ながらソ連が主人公の味方、007は敵役で冷酷非情なプロの工作員として描写される。対してザーホフは寡黙で有能、身辺清潔な学者肌スパイとして描かれるが、KGBをはじめとする実際の東側上級工作員にも学者・研究者としての経歴を持つ者が多かった史実との符合は興味深いものがある。
  1. 定吉七番』(東郷隆
東郷隆による日本版007パロディー。大阪商工会議所に所属する『殺人許可証を持つ丁稚』を主人公に描かれる奇想天外なスパイアクションコメディー小説。

[編集] 映画 007シリーズ

[編集] 概要

最新作でボンド役を務めるダニエル・クレイグ(右)
最新作でボンド役を務めるダニエル・クレイグ(右)

1954年に『カジノ・ロワイヤル』が短編テレビドラマ化された(主演:バリー・ネルソン)が、1950年代を通じてそれ以外の映像化の例は確認されていない。このドラマで敵役ル・シッフルを演じたのは、『M』『暗殺者の家』『マルタの鷹』などの映画で知られる名優ピーター・ローレだった。

その後、二人のプロデューサーが007に関心を抱いたことで本格的な映画化が始まった。

シリーズ第1作『ドクター・ノオ』は、B級作品という感じが強く、映画ポスターも地味な色使いのものであった。

なお、各作品作成時の国際情勢・各国国内情勢が各作品に多かれ少なかれ影響されてはいるが、トム・クランシーなど国際情勢に精通する一部の人物から批判的な目を向けられている。しかしながら、各作品は娯楽作品に徹し、敵役は実在の国家政府・犯罪組織・企業などとはかけ離れた存在の設定が多い。

また、冷戦時代の作品でもソ連政府それ自体を主敵とした作品は少ない。例として1983年のシリーズ第13作『オクトパシー』ではソ連政府の急進派政治家を敵の一つとする、あるいは1964年のシリーズ第2作『ロシアより愛を込めて』では二次的な敵であったため、いずれも「主敵」ではない。ただし、1995年のシリーズ第17作『ゴールデンアイ』では冒頭での任務はソ連の神経ガス工場の破壊任務であったが、これはむしろ冷戦終結後の時代との対比のための設定であろう。逆に1978年のシリーズ第10作『私を愛したスパイ』ではソ連スパイと協力して敵を倒した。冷戦時代、各作品でのソ連などの共産圏の扱いは、「雪解けのバロメーター」とされた。

日本の漫画界にも影響を及ぼしている。さいとう・たかをゴルゴ13』は007の内容のように現実からかけ離れた設定ではないものの、「映画『007シリーズ』のエピゴーネン」とまで評されている(実際に著者のさいとう・たかをは『007』を劇画化している)。特に、初期作品は007色が濃くなっている。

モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世』では、サブタイトルに007の映画題名を使用したものがある(例:『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』第26話「バラとピストル」、第32話「ルパンは二度死ぬ」、第47話「女王陛下のズッコケ警部」、第50話「私が愛したルパン」、TVスペシャル第四弾『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』など。また、TVスペシャル第十五弾『ルパン三世 お宝返却大作戦!!』には、当初『ダイヤモンドは永遠に』という仮題があった)。

ほかにも小説・漫画、メディア作品への影響は強く、「~より愛をこめて」「わたしが愛した~」などのフレーズは頻繁に使用されている(例:青池保子エロイカより愛をこめて」、沢田研二「ヤマトより愛をこめて」(映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』主題歌)など)。

[編集] イオン・プロダクション

1960年頃、フレミングの原作を読んだプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、「これは映画化に向いている」と感じ、フレミングに交渉を求めた。しかし、フレミングは映像権を一足先にハリー・サルツマンに売り渡していた。ブロッコリは直ちにハリー・サルツマンと接触、二人は手を組んで映画製作会社イオン・プロダクション(EON Productions、“EON”は Everything Or Nothing の頭文字をとったもの)を設立し、協力して007映画の製作に当たることになった。

ショーン・コネリー(1980年撮影)
ショーン・コネリー(1980年撮影)

検討の結果『ドクター・ノオ』が最も映像化に向いていると判断され、ユナイテッド・アーティスツを配給会社に職人肌の監督テレンス・ヤングを当てて映画化した(1962年公開。邦題は『007は殺しの番号』)。この映画は低予算ながらも予想以上の大ヒットとなり、特に主役のジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーはこの一作で成功、ボンドは彼の当たり役となった。モンティ・ノーマン作曲、ジョン・バリー演奏の「ジェームズ・ボンドのテーマ」も大好評で、以後の作品のオープニングでボンドを狙う銃口が逆にボンドに撃たれて血を流すシーン(通称「ガンバレル・シークエンス」)と共に必ず流されるようになった。

この作品のヒットに影響され、1960年代中期には「007もどき」のB級スパイ映画が世界各国で濫造されたが、一つとして007を超える成功を収めたものはなかった。

『ドクター・ノオ』以後、イオン・プロダクションによってプロデュースされる007映画は、主演俳優を幾度か変えつつも現在に至るまで人気シリーズとして存続している。シリーズでも特に有名な作品として、シリーズ第2作『007 ロシアより愛をこめて』(初公開時の邦題は『007危機一発』、1963年)が挙げられる。

1970年代初期以降の作品、特にロジャー・ムーア時代の作品は、フレミングの小説から題名のみを借りたシナリオライターによるオリジナルストーリーで、原作とはほとんど無関係となっている。その内容は、派手な設定とグラマラスなボンドガール、大物俳優のゲスト出演をセットとした、エンターテインメントの王道とも言うべきもので、設定は全般にマンネリズムの傾向が強くなって行く。そしてそれが行き過ぎると原点回帰と銘打って再び初期のようなハードな内容、そしてまたどんどん派手になっていくという繰り返しである。

なお、主役が英国スパイであること、英国人の俳優や制作スタッフを多く雇用し、ロンドンにあるスタジオで撮影をしていること、そしてプレミア公開が常にニューヨークに先立ってロンドンで行われることなどから、一連のシリーズがイギリス映画であるという誤解があるが、007はアメリカのユナイテッド・アーティスツ(のちMGM)が製作するれっきとしたハリウッド映画である。アメリカマネーで作られているいるものの、作っている国や人がほとんどイギリス人であるため日本においては製作国紹介においてはブロスナンボンド以前の作品は英国、以降は英米合同作とされている。

[編集] ブロッコリとサルツマンの反目

アルバート・R・ブロッコリとハリー・サルツマンは、1970年代初期まで共同プロデューサーを務めていたが、ブロッコリの娯楽路線に原作派で文芸趣味のあるサルツマンは次第に反発するようになる。レン・デイトンが007へのアンチテーゼとして執筆した難解なスパイ小説『イプクレス・ファイル』をマイケル・ケイン主演で『国際諜報局』(監督:シドニー・フューリー、1965年)として映画化させたのは、他ならぬサルツマンだった。

サルツマンの意見を元に製作され、リアリティやロマンチシズムへの傾倒があった『女王陛下の007』の興行成績が芳しくなかった一方、続いてブロッコリの意見を元に製作された荒唐無稽で派手なストーリーの『ダイヤモンドは永遠に』の興行成績が良かったことから、ブロッコリが主導権を握るようになった。

結局、サルツマンはイオン・プロダクションから離脱し、それ以降、イオン・プロダクションはアルバート・R・ブロッコリとその一族が支配することになる。

[編集] 怪映画『カジノ・ロワイヤル』

小説のシリーズ第1作『カジノ・ロワイヤル』だけは権利関係の錯綜からイオン・プロは権利を押さえることができなかった。

この映画はコロムビアが製作権を獲得し、ジョン・ヒューストンら5人の監督によって共同で映画化された(1967年)。だが実際にはさらに多数の監督が関わっているとも言われ、製作過程は混乱の上の混乱を極めた。デヴィッド・ニーヴンピーター・セラーズら実力派の名優を総動員しながら、結果としては原作から別次元に逸脱した奇想天外なドタバタパロディ作品として作られている。ストーリーはもはや筋の通ったものとして理解することは困難なほど破綻しており、最初から最後までギャグとジョークと人を食った展開が連発されるナンセンスものの怪作である。

現在では、1960年代中期のポップ・カルチャーの影響を色濃く残すユニークな映画としてカルト的評価を受けており、近年のヒット映画『オースティン・パワーズ』シリーズにも強い影響を与えている。本来の映画007シリーズとは異なった層の評価の高い作品である(2006年に正式に映画化)。

[編集] 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』

1982年に、007映画から離れていたショーン・コネリー主演で『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(アーヴィン・カーシュナー監督)が製作された。タイトルはコネリーの妻が再び007になる夫に言った言葉からつけられた。

これは1961年にフレミングが書いた『サンダーボール作戦』(1965年にイオン・プロダクションのシリーズ第4作としてテレンス・ヤング監督、コネリー主演で映画化)のイオン・プロダクションから離れた形での再映画化である。この作品も権利関係の混乱による産物であり、以後、イオン・プロダクション以外で007映画は製作されていない(上記の様な理由から、007映画にはおなじみのオープニングテーマとガンバレル・シークエンスは使用されていない)。

2000年頃に『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のプロデューサーとソニーが組んで、イオン・プロダクションとは無関係の新007シリーズを製作すると発表した。イオン・プロダクションとMGMユナイテッド・アーティスツを買収)はこれに反発し、事態は法廷闘争に持ちこまれた。最終的にソニーは新007の製作を断念、その代替としてかヴィン・ディーゼル主演のスパイアクション大作『トリプルX』を製作した。これをシリーズ化するかと見られていたソニーだが、意表を突くかのように経営難に陥ったMGMを買収したため、ソニーは本家『007』映画の製作に携われるようになった。

[編集] メイン・タイトル

映画シリーズは最初からタイトル・デザインの面白さでも知られる。タイポグラフィ(字体)が変幻自在なソウル・バスカイル・クーパーとは異なる独自のスタイルが今日まで一貫している。

第1作『ドクター・ノオ』ではスタンリー・ドーネン作品で知られていたモーリス・ビンダーを招聘した幾何学パターンを用いたアニメーション作品。第2~3作ではロバート・ブラウンジョンが女性の身体に文字や作品のワンシーンが投射されるという奇抜な映像を提供し、女性をモチーフにしたスタイルが確立された(ブラウンジョンはタイトル・デザイナーとしては寡作で、007シリーズ2作の他には『スパイがいっぱい』(1965年)と『将軍たちの夜』(1967年)があるだけである)。

第4作『サンダーボール作戦』からはビンダーが再び担当し、女性のシルエットを多用したスタイルが続くが、1991年にビンダーが亡くなり、『ゴールデンアイ』以降はビンダーの助手で1980年代からマドンナヴァン・ヘイレンのミュージック・ビデオを多数手がけているダニエル・クラインマンが、デジタル合成を駆使しつつビンダー/ブラウンジョンのスタイルを受け継いだ。

ガンバレル・シークエンスで拳銃をしっかり狙っているのはピアース・ブロスナンだけである。

[編集] 音楽

   *1 歌詞のどこにも作品名が言及されていない
   *2 曲名が映画のタイトルと異なる
   *3 アカデミー賞最優秀主題歌賞にノミネート

  • イオン・プロダクションの007シリーズはモンティ・ノーマン作曲による「ジェームズ・ボンドのテーマ (James Bond Theme)」と、初期~中期の音楽監督ジョン・バリーのオーケストレーションが007サウンドの基本スタイルを作り上げた。
  • (わずかな例外を除けば)メインタイトルバックにはボーカル入りのテーマ曲がかかるのが通例になっており、時代ごとの一流ミュージシャン・歌手が参加。映画とともにテーマ曲もヒットした。
  • 『サンダーボール作戦』の主題歌には当初「Mr. Kiss-Kiss Bang-Bang」という曲が用意されており、シャーリー・バッシーでこれを録音までしていた(後同じ曲をディオンヌ・ワーウィックであらためて録音している)。ところが公開日が近づくにつれプロデューサーが「曲名が映画のタイトルと異なり、歌詞で映画のタイトルを一言も言わず、しかもボンドの色男ぶりが女性の視点から語られる」という歌に不安を抱くようになり、急遽「Thunderball」 を書かせてこれを差し替え、「Mr. Kiss-Kiss Bang-Bang」の方はインストゥルメンタルとして劇中に挿入した。このため同映画はサウンドトラックの編集が間に合わず、公開当初は全編のほぼ半分が12トラックのうち7トラックのみを使った暫定版を使用していた。また「Thunderball」は大至急で作詞作曲されて録音されたため、トム・ジョーンズの本来の声域より高いキーで書かれていた。録音でラストの長いハイノートを得意の大音声で歌いきったジョーンズが、頭に血が上ってその場で卒倒してしまったというのは、本当にあった有名なエピソードである。
  • メインテーマ曲を一番たくさん歌っているのはシャーリー・バッシー。『ゴールドフィンガー』『ダイヤモンドは永遠に』『ムーンレイカー』の3回。
  • 第1作『007 ドクター・ノオ』のオープニング曲は「ジェームズ・ボンドのテーマ」で、ボーカルのメインテーマはない。第6作『女王陛下の007』もメインテーマはインストゥルメンタル曲だが、ルイ・アームストロングが歌った挿入歌「We Have All The Time In The World(愛はすべてをこえて)」が劇中とエンディングに流れ、印象深い。
  • 『トゥモロー・ネバー・ダイ』以降の音楽を手がけるデヴィッド・アーノルドはもともと007映画の大ファンで、歴代テーマ曲のカバーアルバム『Shaken And Stirred』を発表したことが起用のきっかけになった。

イオン・プロ以外の007映画の音楽

  • 1967年のパロディ版『カジノ・ロワイヤル』は全編の作曲・編曲がバート・バカラック、演奏がハープ・アルバート&ティファナ・ブラスという、後年のソフト・ロックファンにとっては垂涎の組み合わせであった。ダスティ・スプリングフィールドが歌った挿入歌『The Look Of Love(恋の面影)』は、本家イオン・プロのナンバー以上にスタンダードとして愛されている。
  • ネバーセイ・ネバーアゲイン』の映画音楽は映画音楽界の大御所ミシェル・ルグランが担当、テーマ音楽もラニ・ホールがうたっており本家に勝るとも劣らない豪華なものである。ただしこの映画公開当時はサウンドトラックのアルバムが存在せず、映画音楽紹介番組では映画からの同録がそのまま放送されていた。

[編集] 歴代秘密兵器

[編集] シリーズ一覧

[編集] ショーン・コネリーSean Connery)主演作品

[編集] 特徴

ショーン・コネリーが演じるジェームズ・ボンド像は原作小説とは違ったタフガイ、プレイボーイという印象を受けるものとなっており、原作とは違った「映画のボンド」像を独自につくりだしたものとなっている。

[編集] ジョージ・レーゼンビーGeorge Lazenby)主演作品

3代目ボンドロジャー・ムーア(2002年撮影)
3代目ボンドロジャー・ムーア(2002年撮影)

[編集] ロジャー・ムーアRoger Moore)主演作品

[編集] ティモシー・ダルトンTimothy Dalton)主演作品

5代目ボンド役のピアース・ブロスナン
5代目ボンド役のピアース・ブロスナン

[編集] ピアース・ブロスナンPierce Brosnan)主演作品

[編集] ダニエル・クレイグDaniel Craig)主演作品

[編集] 番外編

[編集] パロディ作品

[編集] 他の00要員

007ことジェームズ・ボンドが主役なので、同様に殺人許可証(殺しのライセンス)を与えられている他の00要員が作中に登場する場面は小説・映画とも少なく、主に殉職する端役扱いが多い。映画『007 サンダーボール作戦』では00要員全員が出席する会議の場面があるが、007以外の顔はほとんど見えない。

映画版:

  • 002(ビル・フェアバンクス):1969年、スカラマンガに殺害される。『007 リビング・デイライツ』では冒頭の訓練シーンに登場するが殺されずにすむ。
  • 003:『007 美しき獲物たち』で調査中に殺害される(雪の中の死体として登場)。
  • 004:『007 リビング・デイライツ』で冒頭の訓練シーンで敵に殺される。
  • 006(アレック・トレヴェルヤン):コサック出身の孤児。第2次世界大戦中にイギリスがソ連の歓心を買うためにコサック民族をヨシフ・スターリンへのスケープゴートにした史実を基に作られたキャラクター。『007 ゴールデンアイ』でイギリスへの復讐心から二重スパイとなって裏切る。キューバでボンドと対決して命を落とす。
  • 008:映像として登場したことはないものの、よく挙げられる。『007 ゴールドフィンガー』では、ゴールドフィンガーを個人的な理由で追跡しようとするボンドに対し、Mは「008にその任務を与えるぞ」と諌めている。その後、ゴールドフィンガーに捕まってレーザー光線で殺されそうになった際、ボンドは「俺を殺しても008が引き継ぐ」と言っている。『007 リビング・デイライツ』で、ボンドがプーシキン将軍の暗殺を拒否する姿勢を見せた時、Mは「008に任務を与えるぞ」と脅している。Mによると008は「直感に惑わされず命令を遂行する男」ということになっている。
  • 009:『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』でレナードの頭に銃弾を撃ち込むが、殺害に失敗する。『007 オクトパシー』で調査中に殺害される(ピエロの格好でイギリス大使館に戻って殉職)。

フレミングの原作:

  • Moonrakerでは、00要員は三人(007、008、0011)いて、その中でもボンドが最年長ということになっている。008はBillという名前でベルリンで休養中、0011はシンガポールで2ヶ月前に消息を絶ったとなっている。
  • Golderfingerでも008の名前が挙がっている。そこでは、ボンドがゴールドフィンガーの追跡中に殉職した場合008が任務を引き継ぐということになっていた。
  • Thunderballでは、ボンドの休養中に009が00課の代理主任となっている。
  • On Her Majesty's Secret Serviceでは、元英国海兵隊員の006がいることになっていて、00課の秘書を巡ってボンドと争ったという。 
  • 当然ながら、原作では他の00要員の話は挙がるものの、登場したことは一度もない。

こうして見ると、原作でも映像でも登場していない008はボンドを上回る凄腕の00要員のようである。

[編集] ゲーム作品

[編集] 概要

テレビゲーム史上に残るヒットを飛ばした『ゴールデンアイ 007』をはじめ、007のゲームは、現在に至っても発売され続けている。中でも、エレクトロニック・アーツが制作を手掛けた『007 エブリシング・オア・ナッシング』では、5代目ボンドのピアース・ブロスナンをはじめ、M役のジュディ・デンチ、Q役のジョン・クリーズなど映画の007シリーズのレギュラーキャストが、実際に声を吹き替えている事に付け加え、悪役ニコライ・ディアボロにハリウッド俳優のウィレム・デフォー、Qのアシスタントであるミス・ナガイ役に伊東美咲が出演している。尚、前作『007 ナイトファイア』では、小池栄子がボンドガールの一人マキコ・ハヤシの声優を担当している。

007シリーズのゲーム化権利はエレクトロニック・アーツ2010年まで保有することになっていたが、2006年に契約を破棄。以降は、アクティビジョンがゲーム化権利を保有する事となった。

[編集] ゲーム作品一覧

[編集] 備考

2003年、レア社により、007のゲームが開発されていたが、内容が膨大なものとなり、制作に失敗している。

その内容は、

マイノリティ・リポート』などのように、犯罪を起こる前に止め、被害を防ぎ、また、死んでしまい刑を実行できなかった犯罪者にも、刑を実行するというものを完成させた近未来での出来事。(『マイノリティ・リポート』との違いは、予知によって防ぐのではなく、タイムマシンにによる歴史改変によって防ぐという点。)

007たちによって、捕らえられた犯罪者たちも、捕らえられてしまっていた。しかし、あるとき、そこの長官が、その犯罪者たちを使い、犯罪組織を結成。世界は、征服されてしまった。

世界は望みを007に託し、歴代007をタイムマシンにより呼び出す。

というものである。

特筆すべきは、その設定で、歴代007は、全部で5人。(それぞれの役者が演じたもので、2代目は、1代目が休んでいた際の代わりという設定になっている。)その5人が各舞台(5大陸)で闘うが、最後の舞台(宇宙)では、選んだ二人の007以外は、洗脳され敵として現れるというもの。

また、雑魚キャラのバリエーションより、ボス(中ボス)の方が多いということもその特徴である。

[編集] パチンコ台

この節には、発売予定の新製品、提供開始前の新サービス、または放送開始前の番組や公開前の映像作品等に関する記述があります。

2007年4月にSANKYOからパチンコ台「CRフィーバー.007」のリリースが発表され、今後全国のパチンコ店に設置される予定である。

[編集] 007モデル商品

オメガ007モデル
オメガ007モデル

[編集]

  1. ^ 第5作『007は二度死ぬ』の中でもタイガー田中がボンドのことを「ゼロゼロ」と呼んでいる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

  • [1]ジェームズ・ボンドの美しき世界(映画シリーズのポスターギャラリー)
  • [2]早川書房(イアン・フレミングの小説シリーズを刊行)
  • [3]東京創元社(イアン・フレミングの小説シリーズを刊行)
  • [4]ジェームズ・ボンド 007ニュース(映画情報など)


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