ルノー・メガーヌ
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ルノー・メガーヌ (Renault Megane) は、フランスの自動車製造会社、ルノー(Renault)の生産する小型乗用車である。
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[編集] 概要
ルノーを代表する小型前輪駆動(FF)車で、現行型は2代目にあたる。2世代とも、ルノーのデザイン担当上級副社長であるパトリック・ル・ケモン(Patrick le Quement)がデザインの総責任者を務めた。2003年の2代目がヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。なお、これに先立つ1997年には派生車種であるセニックが同賞を受賞している。
[編集] 初代モデル
1995年に、「ルノー・19」の代替モデルとして1400ccから2000ccのエンジンを搭載し登場した。『楕円』をモチーフにした、それまでのルノー車とは一線を画した流麗なデザインと、2ドアクーペ(ハッチバックではない)、4ドアセダン、5ドアハッチバック、そして後にセニックとして独立する5ドア"モノスペース"という豊富なボディバリエーション展開をセールスポイントとした。特にセニックはヨーロッパの専門家からも高い評価を受け、1997年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
販売好調を受けて1999年に行われたマイナーチェンジでは、ドイツのコーチビルダー、カルマン社が架装を手掛けたカブリオレとトルコ工場製の5ドアワゴンが追加された。
日本仕様では、クーペ(普及版2.0は右、高性能16Vは左とハンドル位置が違っていた。後年16Vのみの輸入となった)と5ドア、セニックが導入され、マイナーチェンジ後にはクーペと入れ替わりでカブリオレが導入された。全幅は本国仕様は1699mmであったが、日本ではサイドウインカーも全幅に含める関係で1700mmを僅かに超え、3ナンバー登録となった (ごく初期に5ナンバー登録車も存在する)。
[編集] 2代目(現行)モデル
現行モデルは2002年にデビュー(日本市場には2003年から導入)。ハッチバックモデルの(見る人によってはあたかもやかんを連想させるかのような)直立したリアウィンドウと、鋭角に突き出したリアゲートパネル、そして鋭く膨らみを持ったボディ側面と、車輪を車体の四隅に追い込んだプロポーションから成る独特のデザインが最大の特徴である。
このモデルも、3/5ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアワゴン、クーペカブリオレ(日本仕様では「グラスルーフ・カブリオレ」の名称を使用)と、豊富なバリエーション展開を行っている。このモデルも2003年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
ヨーロッパで最も権威を持つ自動車衝突安全性テスト「ユーロNCAP」において最高の5つ星の評価を得るなど、そのデザインだけでなく高い安全性と実用性、信頼性がヨーロッパで高い評価を受けており、現在、ヨーロッパ市場における同クラスのベストセラーカーである。主なライバルはフォルクスワーゲン・ゴルフやプジョー・307、オペル・アストラなど。
[編集] バリエーション
[編集] メガーヌ・ルノー・スポール
ルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポールがチューンした、224馬力を発生する2.0ℓDOHCターボエンジンを搭載し、サスペンションや外観、内装をスポーツ走行に適したものにモディファイした高性能モデルである。日本仕様は全て6速のマニュアル・トランスミッション(MT)で、3ドア(左ハンドル)または5ドア(右ハンドル)のハッチバックが用意されている。
[編集] メガーヌ・クーペ・カブリオレ
カブリオレスペシャリストのドイツのカルマン社(後輪直前のサイドシルに"KARMANN"ロゴの刻印がある)の手で、メガーヌの3ドアをベースにして、わずか22秒で自動に開閉するグラスルーフハードトップを持つカブリオレに架装したモデルで、いわゆるクーペカブリオレの一種。2ドア4人乗りのボディを持ち、ルーフクローズ時は490リットル(オープン時は190リットル)のトランクスペースを誇る。その上、グラスルーフのためルーフクローズ時も高い開放感を維持するなど、快適さと実用性を兼ね添えたモデルである。
日本仕様はメガーヌ・グラスルーフ・カブリオレと呼ばれ、全て右ハンドルで、4速のマニュアルモード付オートマチック・トランスミッションを装備する。なお、このクラスの車種としては初のグラスルーフカブリオレであり、カブリオレモデルとしては世界初のユーロNCAPの5つ星を獲得するなど、安全性が高いのも売りである。
[編集] セニック/グラン・セニック
メガーヌのMPV仕様であり、同カテゴリーのフランス国内およびヨーロッパにおけるベストセラーモデルである。5人乗りの通常ボディのセニックと、ボディを延長して7人乗り(第3列目は、折りたたみ時にフラットな床面になる折りたたみシート)としたグラン・セニックの2タイプが用意されているが、日本にはグラン・セニックのみが2005年9月から導入された。
なお、日本仕様は全て2.0ℓDOHCエンジンを搭載している。右ハンドルで、4速のマニュアルモード付オートマチック・トランスミッションを装備する。また、全面グラスルーフサンルーフもオプションで用意される。
[編集] 日本市場で販売されているモデル
日本市場においては、3ドアハッチバック(ルノー・スポールのみ)、5ドアハッチバック、4ドアワゴン、クーペ・カブリオレ(グラスルーフ・カブリオレ)、グラン・セニックの5タイプのボディが用意されている。
ルノー・スポール以外のモデルでは、1.6ℓ、または 2.0ℓのガソリンエンジンを搭載する。なお、変速機は5速および6速のマニュアル・トランスミッション(MT)と4速のマニュアルモードつきオートマチック(AT)が用意されている。いずれも右ハンドルが用意されている。
また、5ドアハッチバック(ルノー・スポールを除く)と4ドアワゴンモデルとグラン・セニックに全面グラスルーフサンルーフがオプションで用意される。
[編集] 日本市場未導入モデル
ヨーロッパ市場ではディーゼルエンジン搭載モデルも用意されているが、ディーゼルエンジンの人気がない日本市場には導入されていない。
[編集] テレビCM
メガーヌ・ルノースポールのテレビCMには、2005年にルノーF1をドライブしてチャンピオンを獲得したフェルナンド・アロンソが出演しているが、日本では放映されていない。また、グラスルーフカブリオレの日本向けCMソングにジャズシンガー、小林桂の『East of the Sun』が起用されていた。