ワークス・チーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ワークス・チームとは、2輪及び4輪の自動車等製造会社が、自己資金を擁してレース参戦する場合に、そのチームを指す名称。プライベーター・チームと区別する名称として「ワークス・チーム」と呼ぶ。
広義では、タイヤメーカーや自動車用の部品メーカー(主にブレーキパッド、オイルなど)などが自社製品の技術開発並びにプロモーションを目的に、自社で資金を負担しレーシングチームを運営したり自社製品を無償でチームに供給したりする場合も「ワークス・チーム」と称することが多い。
ワークス・チームと蜜月な関係にあるプライベーター・チームは、一般的にセミワークスとも呼ばれるが、ワークス・マシンを高額な料金で貸与するケースもあり、その場合はセミ・ワークスとは呼ばれない。
またフェラーリとスクーデリア・フェラーリ、スパイカーとMF1レーシングの関係のように「レース参戦が主目的の会社が市販車も製造・販売している」あるいは「レーシングチームの方が母体となる企業より規模が大きい」ような場合も、通常ワークス・チームには含めないことが多い。
一方でワークスカーの開発・製造に深く関与しているものの、自社によるレーシングチームの運営は行っていない企業もあり、これらをワークス・チームに含めるかどうかについてはファンの間でも意見が分かれるなど、ある企業やチームを「ワークス」と称するかどうかの線引きには曖昧な部分がある。
目次 |
[編集] 主なワークスチーム
[編集] 四輪
[編集] 現存するチーム
- ルノー - ルノーF1
- ダイムラー・クライスラー - マクラーレン・メルセデス(株式の40%を保有している)
- BMW - BMWザウバー
- アウディ - アウディスポーツUK
- 本田技研工業 - ホンダ・レーシング・F1チーム
- トヨタ自動車 - トヨタF1
- 日産自動車 - ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル
- 三菱自動車工業 - ラリーアート
- スズキ - スズキスポーツ
以下の企業については、現在自社でのチーム運営を行っていないため、ワークス・チームに含めるかどうか議論がある。
- ルノー - ルノー・スポール(過去にF1・WRC等のチームを運営していたことがある)
- 本田技研工業 - ホンダ・レーシング・ディベロップメント、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント
- トヨタ自動車 - トヨタテクノクラフト
- 富士重工業 - スバルテクニカインターナショナル
[編集] 既に消滅したチーム
- トヨタ自動車 - トヨタ・チーム・ヨーロッパ(トヨタF1に移行)
- マツダ - マツダスピード
- フォード・モーター - ジャガー・レーシング
- 日産自動車 - 追浜ワークス、大森ワークス
イプシロン・テクノロジー・UK(ヤマハ発動機のF1組織、既に解散)も、自社でのチーム運営は行っていなかったため、ワークスチームには含めない場合がある。
[編集] 二輪
[編集] 注意事項
単にワークスと称した場合は、「Works=仕事をする人達」即ち「労働者達」を指す為、企業が自己資金でモータースポーツ活動を行う定義から外れる場合があるので、注意が必要である。