ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 (モーツァルト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲した2曲の協奏交響曲のうちひとつである。
目次 |
[編集] 概要
1777年から1778年にかけパリを訪れ、マンハイム楽派の影響を受けたモーツァルトは、1778年にパリで、当時彼らの間で流行していた協奏交響曲を書いている(*1)。その後、1779年にザルツブルクに戻ってから書かれたもう1曲の協奏交響曲がこの曲である。
- *1フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットのための協奏交響曲K.297B。但し楽譜は失われたため、おそらく他人の編曲とされるオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのための協奏交響曲K.297bとして演奏される。
協奏交響曲は、独奏楽器がオーケストラと渡り合う協奏曲とは違う性格を持ち、複数の独奏楽器がオーケストラと協調的に響きを作る性格を持つ。しかしこの協奏交響曲の独奏パートは高く評価され、今日ではヴァイオリン・ヴィオラの名手による二重協奏曲の性格で演奏される傾向にある。
この曲では、モーツァルトは独奏ヴィオラは全ての弦を通常より半音高く調弦することを指定している。独奏ヴィオラのパート譜は、変ホ長調の半音下のニ長調で書かれている。
弦の張力を上げることにより華やかな響きとなり、更にヴィオラが響きやすいニ長調と同じフィンガリングになることで地味な音色であるヴィオラがヴァイオリンと対等に渡り合う効果を狙ったのである。
華やかに上昇するヴァイオリン、静かに深い世界へ向かうヴィオラという二つの楽器の性格はうまく使い分けられ、華やかながらも必ずどこかに陰影を帯びたモーツァルトの芸術性がうまく表現された名曲になっている。
[編集] 編成
- 独奏ヴァイオリン
- 独奏ヴィオラ
- オーボエ2
- ホルン2
- 第1ヴァイオリン
- 第2ヴァイオリン
- 第1ヴィオラ
- 第2ヴィオラ
- チェロ
- コントラバス
オーケストラのヴィオラも二部になっているのが特徴。
[編集] モーツァルトとヴィオラ
モーツァルトは自身ヴィオラを弾いたと言われ、ヴィオラの独奏曲はないもののこの協奏交響曲の他にも、2曲のヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲(K.423、K.424)、クラリネット・ヴィオラ・ピアノのための三重奏曲「ケーゲルシュタット・トリオ」などヴィオラの活躍する曲が多い。弦楽五重奏でも通常の弦楽四重奏に加えられるのはヴィオラであり、弦楽四重奏曲『ハイドン・セット』でのヴィオラパートの充実ぶりも特筆される。
ヨーヨー・マはこの協奏交響曲の独奏ヴィオラパートをチェロで弾いてしまう名手であるが、チェロの曲ではモーツァルトは特に目立った曲がない。「ヴァイオリンとヴィオラとチェロのための協奏交響曲イ長調」も作曲途中で放棄されてしまっている(1991年に三枝成彰が補筆・完成させている)。
[編集] メディア
- 第3楽章 プレスト(説明ページ) — ブラウザで視聴 (beta)
- From Fulda Symphonic Orchestra free music
- うまく聞けない場合は、サウンド再生のヒントをご覧ください。