井沢八郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
井沢 八郎(いざわ はちろう、本名:工藤金一(くどう きんいち)、1937年3月18日 - 2007年1月17日)は日本の歌手。青森県弘前市出身。
女優の工藤夕貴、元俳優でクラブDJの工藤正貴は実子。現妻は声優の青羽美代子。
[編集] 来歴・人物
弘前のひとかどの名士宅に出生、同地では中学生の頃から歌唱力に定評があった。中学卒業後、歌手を目指して上京。1963年に「男船」でレコードデビューを果たす。第二弾の「あゝ上野駅」は井沢八郎の代表曲である同時に、戦後の世相を反映する代表曲となった。他に「男傘」「北海の満月」などのヒット曲がある。
伸びやかでハイトーンを特徴とする歌声に定評があり、晩年もショーやテレビ番組などで活躍していた。
私生活では料亭経営者の令嬢と結婚、長年連れ添い一男一女(女優工藤夕貴・DJ工藤正貴)を授かった。
しかし、1983年に交通違反の不出頭、1985年に高校生(16歳)との淫行で、いずれも有罪判決を下された上隠し子の存在も明らかとなる。こうしたスキャンダルのため、一時、芸能活動ができなくなった上夕貴・夫人とも不和となり初婚は平成元年に破綻。その後縁があり交際を続けてきた青羽と平成5年再婚、逝去まで連れ添った。
2005年秋頃、体調不良を訴え検査の結果食道癌が見かり手術を受ける。2006年5月にはがんがリンパ節に転移。同年秋に再入院したが、2007年1月17日午後11時18分、食道癌のため死去。享年69。
奇しくも彼が亡くなった1月17日は娘・工藤夕貴の誕生日、晩年和解を果たした夕貴は実父の死に人目を憚らず悲嘆したことは記憶に新しい。
[編集] あゝ上野駅
東北地方からの集団就職者の愛唱歌としても知られるこの「あゝ上野駅」は1964年にリリースされ、爆発的なヒットを飛ばした。戦後日本の歴史に残る名曲として位置付けられており、2003年には上野駅の駅前に「ああ上野駅」の歌碑が完成。多くの人の思いと共に、永くこの歌が刻まれることになった。