全国普通高等学校招生入学考試
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全国普通高等学校招生入学考試 (ぜんこくふつうこうとうがっこうしょうせいにゅうがくこうし)は、中国で実施されている入試システムである。通称「高考」。
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[編集] 概要
中国の大学は欧米と同じく9月入学のため、毎年6月から7月に試験が行われる。
2007年度は、2006年6月7日・8日の2日間にわたって行われた。
日本と違い、大学や専攻ごとの試験は原則行われず、この高考の試験結果のみで合否が判断される。そのため、高考の社会的注目度や受験生のプレッシャー、親の力の入れ様は凄まじいものがある。
試験期間中、親は受験生を送迎するのが通例となっており、会場となる高校は親をはじめ多くの人でごった返す。会場周辺は交通整理され、一般人は交通機関の利用を自粛する雰囲気もある。テレビでも、受験前の願掛けをする親や、試験後の受験生のインタビューなどをこぞって取り上げる。
志望校や専攻は、自由に選択し申し込むことができる。しかし、高考の試験結果のみで合否が決まるため、受験生は慎重に志望校を選択しなければならない。過去数年分の合格最低点を確認し、模擬試験の結果と照らし合わせて申し込む大学を決めていく。
重点大学(政府が指定した優良大学、一般的に倍率も高い)2校と非重点大学2校、その他の専門学校と、出願校数に限りがある。そのため、自分の学力にあった志望校選択が重要となってくる。日本と同じく、インターネットで各校の合格点を発表したり、どこに出願すべきかをアドバイスする受験産業も盛んである。
「足切り制度」も存在する。これは、各省・自治区・直轄市ごとに「この点数以下だと大学には入学できない」というものである。
[編集] 不正行為
毎年数十名が「カンニング」によって摘発されている。手口としては、受験生が問題を携帯電話のカメラで撮影・送信し、それを見た外部の人間が盗聴器で回答を伝える、というものなどがある。
また、複雑な制度の盲点を突く手法として、いわゆる「足切り」の点数が各省ごとに差があることを利用する不正行為も存在する。手口としては、足切り点の低い地域の戸籍を購入したり、偽装したりなどして受験をするケースがある。内モンゴル自治区や青海省などの内陸部で行われているという。
[編集] 関連項目
[編集] 関連リンク
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