函館山
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函館山 | |
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![]() 御殿山 (2005年11月撮影) |
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標高 | 334 m |
位置 | 北緯41度45分33秒 東経140度42分16秒 |
所在地 | 北海道渡島支庁 函館市 |
山系 | -- |
種類 | -- |
初登頂 | -- |
函館山(はこだてやま)は、北海道函館市の市街地西端にある山で、陸繋島でもある。標高334m、周囲約9km。牛が寝そべるような外観から臥牛山(がぎゅうざん)とも呼ばれる。また、NHK・民放各局のテレビ、FMラジオの送信所が建っているが、UHF局(北海道テレビ放送(HTB)、北海道文化放送(UHB)、テレビ北海道(TVH))は青森県側に電波が飛ばないようにするため、送信アンテナに指向性がかけられている。(詳細は函館山テレビ・FM放送所の項を参照)
また、函館山とは展望台のある御殿山 (334m) をはじめとして、薬師山 (252m)、つつじ山 (306m)、汐見山 (206m)、八幡山 (295m)、水元山 (280m)、鞍掛山 (113m)、地蔵山 (286m)、入江山 (291m)、エゾダテ山 (129m)、観音山 (265m)、牛の背山 (288m)、千畳敷 (250m) といった13の山の総称である。
目次 |
[編集] 観光
山頂には展望台が設置され、山麓からは函館山ロープウェイや一般道(ただし一般車は夜間や冬季は通行できない)を通じてアクセスすることができる。
- 昼間晴れた日には眼下の函館市街はもとより、津軽海峡を挟んで遠く下北半島をも望むことが可能である。
- 夜間には陸繋島のくびれた形の市街に輝く街灯りと漆黒の海の部分のコントラスト、さらにイカ釣り漁船が漁の際に灯すランプ(集魚灯)が織り成す、美しい夜景が有名である。夜景の中に「スキ」や「ハート」という文字を見つけると幸せになれたり両思いになれると言われている。香港、ナポリとともに「世界三大夜景」と称される。
[編集] 歴史
約3000年前、函館山は火山であり、島であった。津軽海峡の潮の流れなどが、函館山から噴出した火山灰や、亀田川からの土砂を少しずつ運び、浅瀬を埋め立ててゆき、今のように陸続きになったのである(陸繋島)。
函館山は要塞地帯法(明治32年)により、1898年から要塞建設が始まり、1905年までに、函館山全体に砲台や、発電所、観測所など17の施設が建設された(津軽要塞)。また、函館山が要塞地帯になったことで、山全体が軍事機密となり、地図から函館山が消えた。函館山の測量はもちろん、一般人の入山や函館山の写真を撮影すること、スケッチをとること、函館山に関する話題も厳しく制限された。
戦後、津軽要塞はアメリカ軍によって解体され、一般市民にも解放された。現在、御殿山第一砲台跡は崩落の危険があり、立ち入りが禁止されているが、残りの施設跡は一部見学できる。
また、数十年間の間、一般人の立ち入りを禁止していたため、函館山の自然が守られ、 今では絶滅寸前といわれているエゾヒキガエルなども函館山に生息している(函館山の樹木や草花を採ることは禁止されている)。
注: 現在ではエゾヒキガエルと言う種は存在しないとされ、アズマヒキガエルの人為移入とされている。そのため、限定された生息域であるヒキガエルであるが、法的な保護は受けていない。逆にヒキガエルやネコなどの人為移入種による在来種の捕食が懸念されている。