列車選別装置
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列車選別装置(れっしゃせんべつそうち)とは、列車種別を列車から地上に伝えるための装置である。列選(れっせん)と略されることもある。
踏切、駅の旅客案内用機器、停車駅誤通過防止装置などの制御に用いられる。
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[編集] 構成
車両には種別を設定する設定器と種別の情報を送信する車上子が、地上には情報を受信する地上子が設置される。
[編集] 利用例
[編集] 踏切
「特急」など高速の列車が接近してきたら早めに踏切を閉め、「普通」など低速の列車が接近してきたら遅めに踏切を閉めるのが一般的である。低速の列車が通過する場合に踏切遮断時間が長くなるのを防ぐことができ、特に駅に近い踏切で効果が大きい。
但し、踏切を完全に遮断してから、列車が通過するまでの時間は、国土交通省によって定められた基準がある。
[編集] 旅客案内
駅の発車案内板や自動放送の制御に利用されることがある。
[編集] 停車駅誤通過防止装置
停車駅に接近しても減速しない列車に強制的にブレーキをかける装置を、駅に停車する列車のみに対して作動させるために用いる。
[編集] 黒磯駅通過列車用
黒磯駅では架線の給電電気方式が、首都圏一般で広く使用されている直流1500V(上野・大宮・宇都宮方面)から、東北標準の交流20000V(福島・仙台・盛岡方面)に切り替わる、交直流の切り替え駅である。一般に直流と交流相互間の切り替えは、両電気方式を直通で運転できる交直流電車・交直流電気機関車が使われ、駅構内を過ぎた後方に交直流セクション(デッドセクション架線には電気が供給されていない無電区間)があり、切り替えはセクション通過中に車内、運転台のスイッチを切り替えるだけで、それぞれの電気関連の切り替えは終了する。代表的な例は北陸本線梶屋敷駅~糸魚川駅や敦賀駅~南今庄駅など。当然架線とは縁の無い気動車などには関係無い。また2006年現在は黒磯で普通列車の運転系統が完全に分断されているため、一般乗客は気付き難い)。しかし黒磯駅は、切り替えの車内実現を想定していない交流電化草創期に電化されたため、大掛かりな切り替え設備があり、一時は全列車が、機関車の取替えや車内電気設備の切り替えを目的に停車していた。その後先述の切り替え技術の発達で、必ずしもこの駅に止まる必要性は低くなった。しかし
- 貨物列車の一部などでは依然として、機関車の取替えで停車する必要がある。
- 電気機関車が大量に必要になる東北本線の貨物列車の多さ。
- 首都圏以西の直流路線からの機関車乗り入れなどの関係。
- 長年黒磯駅での機関車取替えは当然の様に行われている。
- 旧型機の老朽化により、現在増備されている交直流形電気機関車は車両の単価が高い。
- 全ての貨物列車の機関車を取り替えるには至っていない。
等の理由から、通過列車の方が少ない。そのため黒磯駅通過には特別な意味があるため、専用の列車選別装置が搭載されている。
黒磯駅の項も参照の事。
[編集] 私鉄の列車選別装置
会社により名称及び列車種別設定方法が異なる
[編集] 関連項目
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