叡山電鉄鞍馬線
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鞍馬線(くらません)は、京都府京都市左京区の宝ヶ池駅から鞍馬駅までを結ぶ叡山電鉄の鉄道路線。
鞍馬寺や貴船神社への参詣・行楽路線である。二軒茶屋駅付近まで住宅地が広がり都市近郊路線の趣きがあるが、同駅以北は50‰の勾配がある山岳路線となる。市原駅~二ノ瀬駅間の、秋の紅葉シーズンに見られる、別名『もみじのトンネル』は鉄道ファンのみならずとも有名で、貴船もみじ灯篭が行われる期間中はライトアップが行われる。この期間中、夜間にこの区間の走行時は車内灯が消灯され、非常に幻想的な風景を心から楽しむことができる。秋の観光シーズン(特に鞍馬の火祭り開催時)の際は、周辺道路が非常に狭い上に並行して走る京都バスの路線系統が渋滞に引っ掛かり、事実上交通手段がこの線だけとなるために、大都市圏の通勤ラッシュ並みの混雑となる。
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[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):8.8km
- 軌間:1435mm
- 駅数:10駅(起終点駅含む)
- 複線区間:宝ヶ池~二軒茶屋間
- 電化区間:全線電化(直流600V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:ATS(速度照査機能付)
[編集] 運行形態
早朝・深夜を除き、全ての列車が叡山本線の出町柳駅から発着する。鞍馬駅までの列車の他、途中の市原駅・二軒茶屋駅折り返しの列車もある。日中は原則として平日が鞍馬行、二軒茶屋折返しの各々20分間隔、休日は全列車鞍馬行で15分間隔であるが、多客期には平日は15分間隔、休日は12分間隔で鞍馬行のみ運転される。2004年からは原則として全ての列車がワンマン運転を行っている。
平日昼の出町柳発で、鞍馬線鞍馬行および二軒茶屋行毎時各3本に対し、叡山本線八瀬比叡山口行は毎時3本で、今や同社本来の本線である叡山本線よりも平日通常ダイヤでは二軒茶屋駅までの区間本数のほうが多くなっている。
[編集] 歴史
- 1928年(昭和3年)12月1日 鞍馬電気鉄道により山端(現在の宝ヶ池)~市原間が開業。
- 1929年(昭和4年)10月20日 市原~鞍馬仮間が開業。
- 1929年(昭和4年)12月20日 鞍馬仮~鞍馬間が開業し全通。鞍馬仮駅廃止。京都電燈叡山電鉄線(現・叡山電鉄叡山本線)の出町柳駅まで直通運転を開始。
- 1939年(昭和14年)9月 二軒茶屋~市原間が単線化(不要不急線指定に基づくものではない)。
- 1942年(昭和17年)8月1日 京福電気鉄道に合併。鞍馬線となる。
- 1944年(昭和19年)11月10日 山端~二軒茶屋間が単線化され資材供出。
- 1954年(昭和29年)6月10日 山端駅を宝ヶ池駅に改称。
- 1958年(昭和33年)4月9日 宝ヶ池~岩倉間が再複線化。
- 1978年(昭和53年)10月19日 日本国内最後のトロリーポール集電が廃止されパンタグラフ集電に変更。
- 1986年(昭和61年)4月1日 叡山電鉄に分離譲渡。
- 1988年(昭和63年)12月25日 ワンマン運転開始。
- 1989年(平成元年)9月21日 京都精華大前駅開業。
- 1990年(平成2年)9月28日 岩倉~二軒茶屋間が再複線化。
- 2004年(平成16年)1月13日 原則として全列車ワンマン運転に。
[編集] 駅一覧
駅名 | 営業キロ | 標高(m) | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
宝ヶ池駅 | 0.0 | 87.5 | 叡山電鉄:叡山本線 | 京都府 | 京都市左京区 |
八幡前駅 | 0.9 | 98.6 | |||
岩倉駅 | 1.7 | 102.4 | |||
木野駅 | 2.7 | 98.4 | |||
京都精華大前駅 | 3.5 | 112.5 | |||
二軒茶屋駅 | 4.1 | 122.7 | |||
市原駅 | 5.3 | 151.7 | |||
二ノ瀬駅 | 6.6 | 178.5 | |||
貴船口駅 | 7.6 | 203.8 | |||
鞍馬駅 | 8.8 | 238.0 | 鞍馬寺:鞍馬山鋼索鉄道(山門駅) |