口裂け女
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口裂け女(くちさけおんな)は、1979年の春から夏にかけて日本で広まった都市伝説。
また2004年には韓国においても発生した。
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[編集] バリエーション
口裂け女の伝承にはさまざまなバリエーションが存在する。
マスクをした若い女性の姿で現れ、学校帰りの子供などに「わたし、きれい?」と訊ねてくる。「きれい」と答えると、「…これでも…?」と言いながらマスクを外す。その口は耳元まで大きく裂けているという。この時「きれいじゃない」と答えるとその場で鎌(切れ味のある鋏という場合もある)で斬り殺され、「きれい」と答えると家までついてきて玄関口で斬り殺される。殺されない為には「ふつう」と答えるしかないと言う(1978年頃に京都で流布したパターン)。2000年頃に再び小学生の間で噂になり、殺されない為には「まあまあです」と答え、口裂け女が考え込んでいるうちに逃げれば良いと言われた。
彼女が所持している凶器は、長い鋏や、出刃包丁、鎌、鉈など複数の刃物を持っているといわれている。実は三姉妹であり、彼女達全員口が裂けていると言われている。
血の目立たない真っ赤な服をきている、血の目立つ真っ白い服を着ているなど服装に関する噂も多い。身体能力は「100メートルを3秒で走る」(6秒説もある)ほど高く、白バイを追い抜いたという噂もある。
この都市伝説は全国各地の小学生・中学生に非常な恐怖を与え、パトカーの出動騒ぎ(福島県郡山市・神奈川県平塚市)や、連絡簿に注意事項として記入されたり(東京)、集団下校が行われたりした(北海道釧路市)など、ヒステリー状態をもたらした。
話の出所としては岐阜県美濃加茂市近辺で教育熱心な怖い母親の姿が由来だとも言う説の他、愛知県近県で家庭の財政難のために子供を塾に行かせたくない母親が娘にした話が様々な変化を伴いながら、全国に広まったとする説など諸説ある。いずれにしても、中京地区が発祥である点はほぼ一致した見解のようである。とはいえ、基本的には岐阜県発祥との考え方が根強い。
口裂け女から無事逃げるには様々な方法があると伝えられている。広く知られたものにべっこう飴とポマードがある。べっこう飴は口裂け女の好物であり、これを与えると口裂け女が夢中でなめている隙に逃げられるというもの。また「ポマードポマードポマード」と三回続けて唱えると口裂け女がひるむので、その隙に逃げられるというものもある(だが、こっちの場合は身体能力からしてかなり怯ませてから、逃げなければならない)。また、ポマード自体を投げ付けたり、それを振り掛けたりなどすると彼女はその臭いで、パニックを起こしてしまうため、退散させることが出来るいう方法もある。こちらは口裂け女となってしまった原因が、診療を受けた歯科医(一説に形成外科医とも)のポマードがあまりにも臭くて治療中に思わず顔を背けてしまい、口が裂ける受傷起点になってしまったというエピソードに由来するといわれている。しかし、足の裏にポマードと書くという方法もあるためや、口が裂けるほかの説があるため、整髪料とは無関係との意見もある。また、以前に口裂け女の付き合っていた彼氏がポマードをつけていたともいわれている。特にべっこう飴説は広く人口に膾炙し、当時のパソコンゲーム「平安京エイリアン」にもプレイヤーが敵を足止めするアイテムとして取り入れられた。三軒茶屋や三宮など地名に「三」のつく場所に多く現れると言われる。
またCIAが噂の広がり方を検証するために流した情報だという説もある。
韓国では、「赤いマスクの女」として登場する。この赤の色には、血や性や生理を意味していると言われる。
埼玉では、「私きれい?」との答えで、「綺麗」と答えると「じゃ、あなたも私のようにしてあげる」と言って口を切られる。「醜い」と答えると形相がかわり怒って殺されてしまう。ちなみに「普通」という回答はなく他の答えは醜いに取り入れられる。逃げる方法はなく出会ったら最後かならず殺されると言われていた。
[編集] メディア
[編集] CD
ポマード&コンペイ党の歌う『口裂け女をつかまえろ!』という歌が発売された。CD『愛しのキャラうた伝説~キャラクター・ソングの素晴らしき世界~』に収録。
[編集] TVアニメ
[編集] 映画
[編集] 漫画
- 花子と寓話のテラー
- 2話に登場。大きな口に対するコンプレックスが原因で、口裂け女の寓話にとり憑かれる