郡山市
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郡山市(こおりやまし)は、東北地方の南部、福島県中通りのほぼ中央に位置する都市である。旧安積郡。中核市に指定されている。
目次 |
[編集] 概要
郡山市は、中通り中部に位置する都市。南北方向では、宇都宮市と仙台市の中間に位置しており、東北新幹線・東北本線・東北自動車道・国道4号で繋がれている。また、西(日本海側)の会津若松市や新潟市と、東(太平洋側)のいわき市へは、磐越自動車道や磐越西線・磐越東線および国道49号で移動する事が可能である。そのため、東日本の交通の十字路として拠点化が進み、福島県内の経済・内陸工業・流通・交通の要所となっている。また、中通り南部や会津地方との関係も深く、県内最大の経済圏を形成していると見なされている。このような本市の拠点性により県域放送をしているテレビ局2局とFM局1局が立地し、県庁所在地ではないにも関わらず、本県の情報集散地としても機能している。
明治時代に開削された安積疏水により、北海道と似た開拓史を歩む郡山の歴史は始まった。安積疏水は農業用水のみならず、工業用水・水力発電・飲用水に用いられ、大正時代には市制を敷けるほど発展し、本市を福島県第一の都市にする源泉となった。戦後、東北新幹線が開通(1982年)する前の高度経済成長期には、京浜工業地帯の企業が、関東地方に比較的近い郡山に多く進出し、関東地方との繋がりが強まった。現在、郡山駅は東北新幹線なすのの北限駅となっている。
県の中央に位置している点から、県庁を郡山に移転しようという動きがある。これは福島県成立当初から県庁舎の建替え問題の度に運動が行われて来た事であるが、県庁所在地である福島や、郡山との交通が比較的不便である浜通り北部の反対が強く、実現には至っていない。歴史的には、明治時代の移転運動の結果、県庁と引き換えに、当時県に一校だけであった旧制中学校を福島から郡山に移転することで和解した経緯もある。
なお、郡山市には気象台の測候所がない。福島県内には福島、会津若松、いわき市小名浜、白河(現在は無人)の4箇所だけであり、テレビの天気予報でも郡山の気象状況は以前は伝えられなかった。これは、気象条件に左右される農業を営む市民だけでなく、そのほかの市民からも問題視する声が相次いだ。そこで、郡山市独自の「天気相談所」を開設したが、無人のアメダスポイントが設けられたことや、郡山市の行財政改革の一環で、現在、天気相談所は廃止されている。
[編集] 地理
福島県のほぼ中央に位置する。市の中心部を南から北へ阿武隈川が流れる。市域は広く、郡山駅の周辺の市街地は郡山ビッグアイ展望台(無料)から望むことが出来る。さらに西には猪苗代湖が広がる。
[編集] 気候
一年を通して風が吹き、乾燥した気候である。市街地西部の猪苗代湖と郡山を隔てる山は低く、冬は雪雲が流れてくる事がある。 市西部の布引高原では、発電所出力65,980キロワットの国内最大出力の風力発電設備が電源開発株式会社により建設され、平成18年12月運転を開始した。
[編集] 行政
- 市長:原正夫
[編集] 姉妹都市
- 国内
- 海外
[編集] 歴史
古代では7世紀の安積郡設置以来、安達・田村両郡が10世紀に分郡されるまで、現在の二本松市・田村市を含む広大な地域の中心地として機能していたとみられ、中心市街地直下に位置する清水台・咲田・虎丸遺跡が関係する遺跡として考えられている。
11世紀になると、東部を中心として藤原氏や熊野の荘園が設置され、樹枝状の低地にも開発が進んだ。鎌倉時代には伊東氏の宰領する土地であったことが文献から推測されており、鎌倉時代末期には東部地域が南北朝の争乱地帯であったことが知られている。
南北朝時代を経て室町時代を迎えると、安積町笹川に御所が設けられたことで、南東北の政治的中心地として文献に当該地域の地名が頻出するようになる。しかしながら、郡山市域の伊東氏は早くから分家が分立した状態にあり、中世を通じて主体的な権力を保持する戦国大名に成長するには至らなかった。そのため、当地の政治状況は中期以降は検段職を有する白河結城氏に属し、末期になると葦名氏や伊達氏の影響下にあった。その一方、経済的には、安積町の4号国道に沿った地域で実施された大規模な発掘調査によって、この地域が流通の拠点として機能していたことが判明している。調査では古代の街道と中世の街道が検出された他、多数の建物跡や堀・溝が発見され、出土遺物から12~16世紀に亘る年代観が与えられている。
豊臣政権下の上杉氏を経て江戸時代になると、二本松城に織田系大名であった丹羽氏が入封し、郡山は城下以外の唯一の町であった。
明治時代の白眉は、初めての近代国家事業として安積開拓事業が実施されたことである。これは、猪苗代湖から疎水を開鑿して原野を開発し、失業士族を入植させようという事業であったが、地域経済に大きな効果を招来したのは疎水に伴う水力発電事業の方が大きかった。国内初の長距離送電の実現により、郡山には信州をはじめとする各地の資本により紡績工場が多数進出し、鉄道網の拡充と相俟って近代化が加速された。
- 1924年9月1日:郡山町が小原田村を合併し、市制施行。
- 1925年6月1日:桑野村を編入。
- 1954年11月1日:富田村の一部を編入。
- 1955年3月31日:大槻町を編入。
- 1955年11月15日:岩江村の一部を編入。
- 1965年5月1日:安積郡全町村(安積町・三穂田村・逢瀬村・片平村・喜久田村・日和田町・富久山町・湖南村・熱海町)、田村郡田村町を合体合併。
- 1965年8月1日:田村郡西田村・中田村を編入。
- 1997年4月1日:中核市に指定。
[編集] 経済
商品販売額が福島県内で第一位であり、福島県の商業県都とも呼ばれている。郡山都市圏の中心を形成している。
中心市街地には十数階建マンションが多く、マンションの建設も相次いでいる。高層建築は郡山駅前に24階建て1棟(ペデストリアンデッキで郡山駅と直結)が、駅前のランドマークとして定着している。2005年には、駅前大通りのシンボルロード化や、アーケードの立替工事などが始まり2006年夏に完成した。
郡山市では、市内南部地域(安積町)を郡山南拠点土地区画整理事業とし、ビッグパレットふくしまを中心核とし現在整備事業を行っている。
[編集] 産業
[編集] 農業
- 農業産出額:206億9千万円(2003年。全国十九位)
- 米生産額:49,100t(2004年。全国五位)
明治時代に開削された猪苗代湖を水源とする安積疏水(あさかそすい)、及び明治維新の全国各地からの下級武士の入植による安積開拓などにより広大な水田が開発された。これらの大事業により阿武隈川に向かって傾斜し、水源となる河川が少なく谷の多い水利の悪い丘陵地帯が殆どの土地である安積原野が、三穂田町に代表されるような広大な水田地帯を持ち、市としては全国一の米の生産額を誇っていた。しかし、2005年に合併により誕生した新新潟市にその座を奪われている。
[編集] 工業
製造品出荷額:9723億円(2004年。県内二位)
[編集] 商業
商品販売額:1兆4,515億円(2004年。県内一位)
東京証券取引所一部上場セブン&アイ・ホールディングス完全子会社となった食品スーパーヨークベニマルと、スポーツ用品販売大手のゼビオの本社及び店舗がある。
百貨店としては、地本資本であったうすい百貨店(三越持分法適用会社)、大型スーパーマーケットはイトーヨーカドー、ジャスコ、西友(LIVIN)の店舗がある。専門店系列では丸井(2008年2月閉鎖予定)などがある。
家電量販店は、ヨドバシカメラ、コジマ、ヤマダ電機、ケーズデンキ、デンコードーが出店している。
ちなみにセブン-イレブン郡山虎丸店(1975年開店)は、日本のセブンイレブンで最初に24時間営業を行った店舗である。
[編集] 郡山市に本社を置く主な企業
(株式公開企業)
(その他)
- ヨークベニマル (食料品スーパー/かつて東証一部上場)
- 日本全薬工業 (ペット用医療薬品)
- ニラク (パチンコホール運営)
- ソニーエナジー・デバイス(酸化銀電池、リチウムコイン電池など一次電池、リチウムイオン電池生産)
- クラリオン・エム・アンド・エル (カーオーディオ・ナビゲーション生産)
- ビッグレンタル (建設機材レンタル業)
- 佐藤(食品卸売業)
- 佐藤燃料 (石油製品販売)
- サムテック (コンピュータ・ソフトウェア開発)
- マルイチグループ (ガソリンスタンド・タクシーなどの経営)
[編集] マスメディア
[編集] 地域
地区名 | 人口 | 面積 | 人口密度 | ||
---|---|---|---|---|---|
旧郡山 | 189,778人 | 56.53km² | 3357.12人/km² | ||
安積 | 35,000人 | 17.45km² | 2005.73人/km² | ||
三穂田 | 4,935人 | 44.55km² | 110.77人/km² | ||
逢瀬 | 4,878人 | 72.01km² | 67.74人/km² | ||
片平 | 7,199人 | 18.76km² | 383.74人/km² | ||
喜久田 | 9,975人 | 15.75km² | 633.33人/km² | ||
日和田 | 10,004人 | 22.52km² | 444.23人/km² | ||
富久山 | 34,509人 | 16.35km² | 2110.64人/km² | ||
湖南 | 4,346人 | 167.73km² | 25.91人/km² | ||
湖南の面積のうち猪苗代湖の面積26.01km² | |||||
熱海 | 7,136人 | 151.17km² | 47.21人/km² | ||
田村 | 20,710人 | 91.73km² | 225.77人/km² | ||
西田 | 4,809人 | 27.28km² | 176.28人/km² | ||
中田 | 5,951人 | 55.23km² | 107.75人/km² | ||
総数 | 339,230人 | 757.06km² | 448.09人/km² |
[編集] 主な学校
2005年度の公立小中学校のパソコン整備率は、全国第一位となっている。
[編集] 大学・短期大学
- 日本大学工学部
- 奥羽大学
- 郡山女子大学
- 郡山女子大学短期大学部
- 放送大学福島学習センター
[編集] 高等学校
- 県立
- 私立
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[編集] 中学校
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[編集] 小学校
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[編集] 各種学校
- wiz国際情報工科専門学校
- ケイセン公務員ビジネス専門学校
- 郡山健康科学専門学校
- 郡山情報ビジネス専門学校
- 国際アート&デザイン専門学校
- 国際ビューティ・ファッション専門学校
- 国際メディカルテクノロジー専門学校
- 東都国際ビジネス専門学校
[編集] 交通
郡山は、古くから東北太平洋側・関東・北陸を結ぶ交通の要衝して注目され、東日本でも重要な位置を占めている。
[編集] 鉄道
- 中心駅:郡山駅
- 東北新幹線:郡山駅
- 東北本線:安積永盛駅 - 郡山駅- 日和田駅
- 磐越東線:郡山駅 - 舞木駅 - 郡山駅
- 磐越西線:郡山駅 - 喜久田駅 - 安子ヶ島駅 - 磐梯熱海駅 - 中山宿駅
- 水郡線:郡山駅 - 安積永盛駅 - 谷田川駅 - 磐城守山駅
※ このほか、JRと郡山市が以下の新駅設置について協議中である(いずれも仮称)。
- 郡山南駅
- 東北本線 安積永盛駅~郡山駅間
- 郡山北駅
- 磐越西線 郡山駅~喜久田駅間
[編集] 道路
- 高速道路
- 一般国道
- 主要県道
- 福島県道6号郡山湖南線
- 福島県道8号本宮熱海線
- 福島県道9号猪苗代湖南線
- 福島県道13号小野田母神線
- 福島県道28号本宮三春線
- 福島県道29号長沼喜久田線
- 福島県道40号飯野三春石川線
- 福島県道47号郡山長沼線
- 福島県道54号須賀川三春線
- 福島県道55号郡山矢吹線
- 福島県道57号郡山大越線
- 福島県道65号小野郡山線
- 福島県道67号中野須賀川線
- 福島県道73号二本松金屋線
- 福島県道142号郡山河内線
[編集] 高速バス路線
- ※2005年度の利用客数も付記[1]。
- 福島県内
- 郡山~福島:12.2万人
- 会津若松~郡山~いわき:34.9万人
- 会津若松~郡山:14.5万人
- 郡山~いわき:5.2万人
- 隣接県
- 東京方面
- 郡山~新越谷
- 山形~郡山~東京駅・浜松町:1.8万人
- 福島~郡山~新宿:9.6万人
- 福島~郡山~成田空港:05年10月から
- 福島~郡山~東京駅・横浜:06年10月から
- 大阪方面
- 福島~郡山~大阪:1.9万人
この他に、市内に営業所を持つ観光バス会社桜交通の子会社「さくら観光」が、低価格・ツアー形式の「東京シティーライナー」・「東京ライナー」(福島・郡山~東京)を運行している(詳しくは桜交通の項を参照のこと)。
[編集] 港湾
- 湖南港
[編集] 空港
- 東北新幹線または高速利用で1時間30分。
- 東北新幹線によりアクセス。
[編集] タクシー
郡山駅周辺・市中心部が中心だが、磐梯熱海などの観光需要も一定数ある。その殆どが小型タクシーである。
[編集] 観光
[編集] 観光地
- 猪苗代湖(湖水浴場)
- 高柴デコ屋敷
- 雪村庵(室町時代の画家・雪村が晩年を過ごした庵)
- 開成山公園
- 浄土松公園
- 安積山公園
- 高篠山森林公園
- 安積歴史博物館(旧福島県尋常中学校本館、国の重要文化財)
- 開成館
- 郡山市立美術館
- 銚子ヶ滝(日本の滝百選)
- 母成グリーンライン
[編集] 登山
[編集] 温泉
- 磐梯熱海温泉…かつて、奥州征伐の後にこの地の領主になった源頼朝の家臣・伊東祐長(伊東祐長の祖先若しくは子孫の安積藩主・伊東氏との説も)が、故郷の伊豆の温泉地を懐かしみ、熱海と名付けたと言う伝説がある。
以下のように、市内各所に数多くの小温泉があり、銭湯並みの低料金で利用できる。
[編集] 神社
- 開成山大神宮
- 安積國造神社
- 隠津島神社
- 田村神社
- 鹿島神社(ペグマタイト岩脈)
- 香久山神社
[編集] 寺院
- 如宝寺
- 東光寺(中野大仏)
[編集] 祭事
- うねめ祭り
- 安積國造神社秋季例大祭
- 磐梯熱海温泉萩姫まつり
[編集] 伝統芸能
- 柳橋歌舞伎(郡山市中田町)
- 湖南の会津万歳 (こなんのあいづまんざい)
- 舘の早女乙踊り (たてのさおとめおどり)
- 高柴七福神踊り (たかしばしちふくじんおどり)
- 獅子舞 (市内各所)
- 深谷のヨーサ踊り (ふかやのよーさおどり)
[編集] 名産品
- 農産物 食品
- 工業製品
- リチウムイオン二次電池(世界で初めて商業生産開始)
[編集] 郡山市出身の有名人
- 西田敏行 - 俳優
- 斉藤暁 - 俳優
- 湯浅譲二 - 作曲家
- 長沢美樹 - 声優
- おおや和美 - 漫画家
- 桜庭あつこ - 女優
- TAKEO(Angelo) - ヴィジュアル系ロックバンド
- 本名徹次 - 指揮者
- 本田武史 - フィギュアスケート選手
- 大熊正二 - 元プロボクサー WBC世界フライ級王者
- 高橋敬三 - F1トヨタ技術コーディネーション担当ディレクター
- 坪井栄孝 - 前世界医師会会長・日本医師会会長・郡山坪井病院理事長
- 小林麻美 - 歌手
- 麻亜里 - モデル。テレビ東京おはスタ出演
- 今江千佳 - 女優
- 箭内道彦 - クリエイティブ・ディレクター CMの奇才 NO MUSIC, NO LIFE は有名
- 鈴木邦男
- 大内登 - 元タレント
- 古川日出男-作家
- 廣木隆一 -映画監督
- 郡山在住のアーティスト
[編集] その他
- 水の郷百選:水と緑がきらめく未来都市 郡山
[編集] 外部リンク
- 福島県の自治体
-
市部: 福島市 | 会津若松市 | 郡山市 | いわき市 | 白河市 | 須賀川市 | 喜多方市 | 相馬市 | 二本松市 | 田村市 | 南相馬市 | 伊達市 | 本宮市 伊達郡: 桑折町 | 国見町 | 川俣町 | 飯野町 安達郡: 大玉村 岩瀬郡: 鏡石町 | 天栄村 南会津郡: 下郷町 | 檜枝岐村 | 只見町 | 南会津町 耶麻郡: 北塩原村 | 西会津町 | 磐梯町 | 猪苗代町 河沼郡: 会津坂下町 | 湯川村 | 柳津町 大沼郡: 三島町 | 金山町 | 昭和村 | 会津美里町 西白河郡: 西郷村 | 泉崎村 | 中島村 | 矢吹町 東白川郡: 棚倉町 | 矢祭町 | 塙町 | 鮫川村 石川郡: 石川町 | 玉川村 | 平田村 | 浅川町 | 古殿町 田村郡: 三春町 | 小野町 双葉郡: 広野町 | 楢葉町 | 富岡町 | 川内村 | 大熊町 | 双葉町 | 浪江町 | 葛尾村 相馬郡: 新地町 | 飯舘村