古典落語
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古典落語(こてんらくご)とは、落語の演目のうち、一般に江戸時代から明治時代に作られたものを指す。それよりも新しい時代に作られた演目は、新作落語と呼んで区別される。なお、創作落語は関西の落語家による造語であり文献によっても広く古典と対比されるのは新作とされる。
落語は、江戸時代、軽めの講談、辻咄(辻芸)として京都の露の五郎兵衛らによって創作され、明治時代になって三遊亭圓朝によって大成され、都市化、筆記化とともに大衆文化として花開いた。この時代までに骨格の出来上がった演目が、古典落語に相当する。第二次世界大戦後は、ラジオ寄席、TV放映などを通して人気を維持したが、大衆レベルでの古典文化の喪失、名人の死去、後継者のレベル低下、娯楽の多様化などから、人気が衰えつつある。だが2005年に放送した、「タイガー&ドラゴン」という古典落語を舞台にした連続ドラマを放送したところ、若い世代に古典落語を知る機会を与え、若い世代の客層が増えてきたとされている。
古典落語の演目は、その内容から、落とし噺と人情噺とに大別される。さらに落ちによって分類する方法もある。また、上方と江戸で別々に発展したため、以下のように東西によって落語の題名が違ったり、片方にしかない演目がある。
[編集] 主な演目
落ちの種類についての詳細は、「落ち」の項を参照のこと。
上方落語 | 江戸落語 | にわか落ち | 拍子落ち | 逆さ落ち | 考え落ち | まわり落ち | 見立て落ち | 間抜け落ち | とたん落ち | ぶっつけ落ち | しぐさ落ち |
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明烏 | (同) | 逆 | ぶ | ||||||||
阿弥陀池 | 新聞記事 | に | |||||||||
居酒屋 | 逆 | ぶ | |||||||||
居残り佐平治、おこわ | 逆 | 見 | |||||||||
厩火事 | (同) | と | |||||||||
延陽伯 | たらちね | に | |||||||||
お神酒徳利、占い八百屋 | ぶ | ||||||||||
火焔太鼓 | に | ||||||||||
書割盗人 | だくだく、つもり泥 | 間 | |||||||||
掛け取り | 掛取万歳 | と | |||||||||
笠碁 | (同) | 間 | |||||||||
片棒 | (同) | と | |||||||||
がまの油 | (同) | 間 | |||||||||
替り目 | (同) | と | ぶ | ||||||||
京の茶漬け | と | ||||||||||
高津の富 | 宿屋の富、千両富 | 間 | |||||||||
くしゃみ講釈 | くっしゃみ講釈 | に | |||||||||
蔵丁稚 | 四段目 | ||||||||||
鴻池の犬 | 間 | ||||||||||
黄金餅 | |||||||||||
骨つり | 野ざらし | 間 | |||||||||
さくらんぼ | 頭山 | 見 | |||||||||
皿屋敷、お菊の皿 | (同) | 考 | |||||||||
山号寺号、恵方参り | に | ||||||||||
三十石 | |||||||||||
質屋蔵 | |||||||||||
品川心中、仕返し | に | ||||||||||
死神 | し | ||||||||||
芝浜 | と | ||||||||||
寿限無 | (同) | 間 | |||||||||
女給の文、ラブレター | に | ||||||||||
世帯念仏 | 小言念仏 | 拍 | 間 | ||||||||
粗忽長屋 | 間 | ||||||||||
大工調べ | に | ||||||||||
千早振る、百人一首、無学者 | ぶ | ||||||||||
出来心、花色木綿 | 間 | ||||||||||
てれすこ | 考 | ||||||||||
天神山 | 墓見 | ||||||||||
時うどん | 時そば | 間 | |||||||||
貧乏花見 | 長屋の花見 | ||||||||||
天狗裁き | (同) | ま | |||||||||
猫の皿 | と | ||||||||||
八五郎出世、妾馬 | 間 | ||||||||||
初天神 | 拍 | 逆 | |||||||||
文七元結 | |||||||||||
饅頭こわい | (同) | と | |||||||||
目黒のさんま | ぶ | ||||||||||
四谷怪談 | |||||||||||
らくだ | (同) | に |