堀井雄二
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堀井 雄二(ほりい ゆうじ、1954年1月6日 - )は兵庫県洲本市出身の作家だが、現在はゲームデザイナーとして有名。
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[編集] 人物像
テレビゲーム業界に多大なる影響を与えた人物の一人。性格は温和で謙虚であることで知られており、他者の作品に対して文句を言うことも全くといっていいほど無いが、『週刊少年ジャンプ』に連載していたゲーム批評コーナー「ファミコン神拳110番」にて「あわびゅ! なんだこのシステムは!? わけがわからないぜ~!」などの記事を載せていた。プレイヤーとしてゲームをみる眼は非常に厳しい。メディアへの露出も少ない。彼の作品に見られる独特の文章や台詞回しは「堀井節」といわれファンに親しまれている。
[編集] 来歴
兵庫県立洲本高等学校、早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中は漫画研究会に所属。小池一夫の劇画村塾の第三期生。大学卒業後フリーライターとして活動。『月刊アウト』(みのり書房)の読者投稿コーナー「ゆう坊のでたとこまかせ」を連載し、読者からは廃刊後の現在も「ゆう坊」のニックネームで親しまれる。また、本田 一景の名前で漫画原作も手がけている。「桃太郎電鉄」シリーズの作者さくまあきらとは学生時代からの友人。
1981年にパソコンが流行っている事を知り「でたまかの常連投稿者の為に、会員番号の管理にでも使えないか」という軽い動機からPC-6001(通称パピコン)を購入する。しかし当時のパソコンではそうした管理機能は使いにくく、パソコンゲームに熱中し、自ら作って遊んでいた程だった。
すると『週刊少年ジャンプ』で鳥山明の担当編集者でもあった鳥嶋和彦にエニックス(現スクウェア・エニックス)の第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストの取材を依頼されるが、参加者としてPC-6001で自作した『ラブマッチテニス』を応募し、入賞することとなる。同年、コンテストの授賞式で森田和郎や中村光一とも出会っている。その後、1983年にパソコンのアドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』を手がけ、ゲーム界に名を知られるようになる。この年、エニックスは堀井雄二、中村光一らをアップルフェストに派遣している。この頃出会ったApple II版『ウィザードリィ』『ウルティマ』、そしてクリスタルソフトによる国産パソコンRPG『夢幻の心臓』は『ドラゴンクエスト』の誕生に大きな影響を与えた。
また『週刊少年ジャンプ』で連載していた「ファミコン神拳110番」というコーナーを、ゆう帝というペンネームで記事を執筆していた。
1986年に、家庭用ゲーム機初の本格的ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」のデザインを手がけ、以後ドラクエシリーズは現在まで、堀井の手により続いている。
他に有名なゲームとしては、モノポリータイプのボードゲーム「いただきストリート」のデザインも担当。 いただきストリートはさくまあきら氏と「お互いにボードゲームを1つ作ってみよう。」 ということになり、さくま氏は桃太郎電鉄を、堀井氏はいただきストリートのデザインをした といわれている。
その後「でたまか」が単行本として出版された際、巻末特別付録として「ゆう坊のゲームデザイナー入門」を書き下ろし、実際に『ドラゴンクエスト』のデザインに使われた用紙まで掲載された。「でたまか」は『アウト』廃刊より先に連載終了したが、その理由は「ゲームデザイナーの仕事が忙しすぎて、時間がとれなくなった」からであった。「気がついたら副業が本業に代わっていた」を地で行った一人である。
現在、自身のウェブサイトを公開しているものの、諸事情により更新がほぼ滞っており、事実上の閉鎖に近い状態が続いている。
[編集] 作品
- ドラゴンクエストシリーズ
- ドラゴンクエスト
- ドラゴンクエストII 悪霊の神々
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
- ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
- ドラゴンクエストV 天空の花嫁
- ドラゴンクエストVI 幻の大地
- ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
- ドラゴンクエストIX 星空の守り人
- ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
- スライムもりもりドラゴンクエストシリーズ
- スライムもりもりドラゴンクエスト 衝撃のしっぽ団(製作総指揮)
- スライムもりもりドラゴンクエスト2 大戦車としっぽ団(製作総指揮)
- ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン(開発統括)
- ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔
- トルネコの大冒険3(監修)
- ポートピア連続殺人事件
- 北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
- 軽井沢誘拐案内
- いただきストリートシリーズ
- いただきストリート
- いただきストリート2
- いただきストリート ゴージャスキング
- いただきストリート3
- いただきストリートSpecial
- いただきストリートポータブル
- クロノ・トリガー(監修)
- ファミコンジャンプII 最強の7人(シナリオ監修)
[編集] 著作リスト
- いきなりパソコンがわかる本(二見書房/1984)
- 堀井雄二のコンピュータ・クエスト(二見書房/1988)
- 虹色ディップスイッチ(ビジネス・アスキー/1990)
- ゆう坊のでたとこまかせ(みのり書房)
[編集] 漫画原作(本田一景名義)
[編集] 監修
- DRAGON QUEST -ダイの大冒険-(原作:三条陸 作画:稲田浩司)
- トルネコ一家の冒険(脚本:小松崎康弘 作画:村上ゆみ子)
- ドラゴンクエスト 幻の大地(神崎まさおみ)
- ドラゴンクエスト エデンの戦士たち(藤原カムイ)
- ドラゴンクエストIV外伝 地獄の迷宮(原作:三条陸 作画:稲田浩司)
- ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~(作画:藤原カムイ 脚本:映島巡)
- ドラゴンクエストVIII大冒険スーパーガイドブック(集英社/2004)
[編集] 外部リンク
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