堀辺正史
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堀辺 正史 (ほりべ せいし)は、茨城県水戸市出身の日本武道傳骨法創始師範。中華民国国術会顧問。
奈良時代より日本に伝わる独自の拳法という骨法(こっぽう)の正統継承者を称する。
本人が語るところによると、東條英機のボディガードを務めた(これについては東條家の遺族の証言で否定されている)父からその技を相伝され、骨法司家の第52代を襲名し、伝統的骨法の修行と同時にケンカ・他流試合に明け暮れた日々の中から、実戦的な格闘技術を習得、古伝の骨法に改変を加えたという。武名は堀辺正史源一夢。
東京の東中野に道場を開き、一子相伝の武術であったとする骨法を「喧嘩芸骨法」として公開。 アントニオ猪木、藤波辰巳、獣神サンダー・ライガー、船木誠勝などプロレスラーにその技を伝えた事で、一部の格闘技・プロレスファンから注目される。当時週刊プロレス編集長だったターザン山本も彼に注目し、共著もある。また、1990年代に入り、ある対戦型格闘ゲームのキャラクターに骨法の使い手が登場、若者にもその名が知られるようになる。
1994年のバーリ・トゥード時代の幕開けに合わせて、より格闘性を重視した路線に変更、「日本武道傳骨法」を名乗る。最近では整体術も教えている。
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[編集] 堀辺の経歴詐称・骨法捏造疑惑
上記に述べられた、骨法の歴史や堀辺の経歴が、実は全くの出鱈目である、という説が存在する。これに関し、主なものを列記する。
- 大東流合気柔術の佐川幸義の道場に入門し、同道場で知り合った吉丸貞雄(号・慶雪、現合気道研究家)の協力を得、堀辺が道場主、吉丸貞雄が実際の教授という形で「大東流伝合気道」と「換骨術」の道場を開くが、佐川幸義がこれを知り堀辺を破門にする(これについては、堀辺が作成した道場の広告等が現存している)。吉丸貞雄によると、この当時、堀辺は換骨術と称していたが、その内容は武術ではなく堀部の家伝と称する整体術だったという。
- その後、「換骨術」から「換骨拳」と改称し、これを源頼光に始まると称する武術とし、堀辺はその継承者・換骨拳第40代宗家を名乗る(これについても、堀辺が作成した道場の広告等が現存している)。換骨拳改称後も堀辺が道場主、吉丸貞雄が実際の教授という形だったようである。換骨拳に関しては、吉丸貞雄が執筆した著書『換骨拳入門』(非売品)があり、ここでは換骨拳が大東流の源流であるとの説が書かれてる(換骨拳について、吉丸貞雄は「義理で換骨拳の立ち上げを手伝った」としている)。
- 堀辺によると、堀辺家は源義光を源流とする常陸源氏の佐竹氏(始祖は佐竹昌義)の支流であり、九代佐竹義篤の乙王丸(または乙玉丸。母は妾梅局)を始祖とするとされているが、佐竹家系図には乙王丸は早死と書かれており、堀辺家を起こしたとは書かれていない(起こさなかったとも断言できないが)。ただし、早死にするような人間に武術を伝承しなおかつ次代に伝えられたかは疑問である。
- 源義光を開祖とする大東流の伝承に極めて似ており、当身技主体の武術を「骨法」と呼ぶ点や、大伴古麻呂を開祖としている点が、神道天心流の上野貴に極めて似ている(神道天心流の母体であった上野家伝の天真流は大伴古麻呂を開祖とする伝承がある)。
- 初期に公開された骨法の技術が中国武術の詠春拳や、ブルース・リーの創始した格闘技であるジークンドーなどに酷似している他、掌で叩き合う組手や立ち関節技の決め合いは武田流中村派合気術に酷似、著書で公開された足技なども、中国武術やマーシャルアーツ、テコンドー、日本拳法の技術に同じものが存在する(ただし中国武術やテコンドーにも無い、独自の技術も存在する)、秘技「徹し」が中国武術でいう発勁の一種、浸透勁と同じである(柔法徹化拳などにも同名の「徹し」はある)、など酷似する点があまりにも多く、疑わしいという見解がある。
- ただし、骨法捏造を裏付ける証拠は無く、また、裏付けのされていない証言もある。
堀辺は現在「骨法整体」の講習を開催しているが、それが本当に古来から伝承されてきた骨法独自の整体治療の技術であるかどうかははなはだ疑問である。ちなみに堀辺は日本人初の「ドクター・オブ・カイロプラクティック」(D・C)である塩川満章D・Cが開講している「シオカワ・カイロプラクティックスクール」の卒業生であることから、「骨法整体」は堀辺が塩川スクールで習得したカイロプラクティックの技術をベースになんらかのアレンジを加えたものである可能性が非常に高い。
[編集] 堀辺正史の著作
- 『喧嘩芸骨法』 二見書房
- 『骨法の極意』 二見書房
- 『骨法の秘密』 こう書房
- 『骨法の完成』 こう書房
- 『武道と他流試合』 ベースボールマガジン社
- 『第一回・骨法の祭典』ビデオ ベースボールマガジン社
- 『第二回・骨法の祭典』ビデオ ベースボールマガジン社
- 『第三回・骨法の祭典』ビデオ
- 『第四回・骨法の祭典・骨法完成』ビデオ
- 『第五回・骨法の祭典・序章B-1他流試合』ビデオ
- 『喧嘩芸骨法伝授』 ムーAVブックス 学研
- 『骨法不動打ち』 ムーAVブックス 学研
- 『日本武道傳骨法』 ムーAVブックス 学研
- 『ザ・喧嘩学』 ベースボールマガジン社
- 『格闘新書』 ベースボールマガジン社
- 『命賭けの論理』 ベースボールマガジン社
- その他
[編集] 会報の「骨法通信」
- 創刊号・特集「喧嘩・格闘技・モラル」 平成3年4月10日
- 第二号・創始師範特別インタビュー 平成3年5月10日
- 第三号・山本編集長火砕流インタビュー 平成3年7月10日
- 第四号・骨法試合観戦 平成3年9月10日
- 第五号・巻頭特集「素手とグローブ徹底研究!!」 平成3年11月10日
- 第六号・特集「格闘技に人道は存在するのか?」 平成4年1月10日
- 第七号・特集「格闘競技の現状と未来」 平成4年3月10日
- 以後は休刊中