大泉駅 (三重県)
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大泉駅(おおいずみえき)は、三重県いなべ市員弁町大泉にある三岐鉄道北勢線の駅。
2004年(平成16年)4月1日に大泉東駅と長宮駅とを統合し、両駅の中間(市道沿い)に新設開業したものである。
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[編集] 駅開業までのいきさつ
大泉駅新設の構想は、三岐鉄道が北勢線の運営継承を決定した後に出されたものである。計画の時点では新大泉駅と仮称されていたが、その後大泉駅と称することとなった。なお、大泉駅が開業する前に存在した大泉東駅も過去には大泉駅と称していたが(詳しくは大泉東駅の項を参照のこと)、大泉東駅が三重県いなべ市員弁町東一色にあるのに対して、この大泉駅は三重県いなべ市員弁町大泉にあり駅名と駅所在地が一致している。大泉駅建設構想当初は駅単独で新設する計画であったが、その後、当時の員弁町役場(現:いなべ市役所)横にあった地元農産物販売施設「うりぼう」を増床・拡充の上「ふれあいの駅うりぼう」と名称変更して新設大泉駅横に移転することになった(元「うりぼう」はこの移転に伴い閉鎖されたが、建物は現存している)。この大泉駅の建設工事は2003年(平成15年)秋に着工したが、当時の員弁町(現いなべ市)の積極的な姿勢と関係地権者等の深い理解と協力もあって、約半年間で完成までこぎつけてしまった事は特筆に価する。
[編集] 駅構造およびその他の特徴
- 島式1面2線のホームを持つ地上駅である。
- 下り線から上り方面への逆出発(折り返し)が可能となっている。
- 安全側線を有し、列車行き違い時の駅構内への上下列車の同時進入が可能となっている。
- 上り線の起点側に構内通路踏切があり、駅舎に連絡している。
- 駅舎は隣にある地元農産物販売施設「ふれあいの駅うりぼう」と並んで配置され、2つの建物が同一のデザインとなるように考慮されている。
- 時間帯(平日の7:00~10:00・14:30~20:00、土曜日の8:00~17:00)により駅員が配置されるが、これ以外の時間帯は無人である。
- 監視カメラを備え、東員駅からの遠隔監視駅となっている。
- 駅舎には、自動券売機(1台)、自動改札機(2通路、うち1通路は車椅子対応のワイド型)、自動精算機(1台)を備えている。
- 普通券・回数券のみ購入が可能で、定期券の購入はできない。
- トイレは改札内にあり、多目的トイレのある男女別の水洗式。
- 待合室は設置されていない。
- 駅前に72台分の無料駐車場を備え、車を駅に止めて電車を利用するパークアンドライドが可能となっている。
- 駅前に車の停車スペースを備え、車で駅に送ってもらい電車を利用するキスアンドライドが可能となっている。
- 駅前に72台分の無料駐輪場を備えている。
- 駅舎前にバス停が設置されている。
- タクシーが1台常駐する。
- 駅前広場に公衆電話ボックスが1基設置されている。
- バリアフリーに対応しており、三重県が定める「三重県だれもが住みよい福祉のまちづくり推進要綱」「三重県バリアフリーのまちづくり推進条例」の整備基準に基づいていることを示す適合証交付施設となっている。
- 当駅は星川駅同様、桑名市といなべ市を結ぶ幹線道路「員弁街道」に隣接しており、車から電車への乗り継ぎ利用に便利な駅である。
- 当駅桑名方の踏切(東員12号踏切)は、北勢線最大規模の踏切(歩車道分離型、遮断機6門、オーバーハング型警報機・踏切障害検知装置完備)であるが、この踏切を含む道路(いなべ市道宮之東山上線)は大泉駅開業を受けて地元いなべ市によって拡幅整備されたものである。
- 大泉駅開業後に旧大泉東駅利用者の利便性を図るために、大泉駅と旧大泉東駅を最短距離で結ぶ道路が北勢線線路横にいなべ市によって整備された。
- 「ふれあいの駅 うりぼう」といういなべ市内で生産されている農産物、特産物などが売られている店が併設されている(北勢線とタイアップしたイベント等が随時開催されている)。
[編集] 利用状況
- 主として通学・通勤用に利用される。
- 大泉駅の利用状況の変遷を下表に示す。
- 輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す。年度間の比較に適したデータである。
- 乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事等の要因によって変動が大きいので年度間の比較には注意を要する。
- 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
- 2004年度(平成16年度)の当駅乗車人員は2003年度(平成15年度)の大泉東駅+長宮駅(統合前)と比較して約1.7倍となり、駅利用客が飛躍的に増大した。
- 2005年度(平成17年度)の当駅乗車人員は2004年度(平成16年度)と比較して約1.2倍となり、駅利用客の増加が継続する結果となった。2003年度(平成15年度)の大泉東駅+長宮駅(統合前)と比較すると約2倍以上の伸びとなった。
年 度 | 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 | 乗降人員調査結果 人/日 |
特 記 事 項 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合 計 | 調査日 | 調査結果 | ||
2003年(平成15年) | (10,725) | (19,439) | (11,492) | (41,656) | (旧大泉東+長宮駅の合算値) | ||
2004年(平成16年) | 14,490 | 28,812 | 27,081 | 70,383 | 駅開業、駐車・駐輪場設置 | ||
2005年(平成17年) | 19,980 | 34,953 | 31,310 | 86,243 | 列車行き違い設備新設 | ||
2006年(平成18年) |
[編集] 駅周辺
大泉駅開業後、駅周辺に医院や商店が数軒新設された。
- ふれあいの駅うりぼう(地元の農産物販売施設){大泉駅開業と同時に開業}
- いなべこどもクリニック{大泉駅開業後の2006年(平成18年)11月に開院}
- 田中外科胃腸科医院
- いなべ眼科{大泉駅開業後の2004年(平成16年)に開院}
- 中尾歯科員弁診療所
- ミニストップ(コンビニ){大泉駅開業後の2006年(平成18年)3月に開業}
- 北勢線対策室
- 東員郵便局
[編集] 路線バス
[編集] 駅名の由来
駅の北東1.2kmに大谷神社があり、この神社の境内に清水の湧き出る霊泉があり、これを飲むと万病に効くという伝説から、この付近を大泉と呼ぶようになった。この地名にちなんで当駅を「大泉駅」と称した。
[編集] 歴史
当駅は大泉東駅と長宮駅を統合し、両駅の中間部分に新設されたものであるが、名目上は大泉東駅を廃止し長宮駅を大泉駅に改称のうえ現在地に移設したことになっている。
- 2004年(平成16年)4月1日 開業。当初より駅舎・ホーム(単式1面1線)・駅前広場・無料駐車場(72台)・無料駐輪場(当初は現駅舎南側のみ)および駅舎内に自動券売機(1台)・自動精算機(1台)・自動改札機(2通路)が設置される。自動券売機等は朝・夕の時間帯のみ利用可能であった。時間帯(平日の6:30~10:00・15:00~20:30、土曜日の8:00~17:00)により有人駅となる。
- 2004年(平成16年)4月3日 開業式典が行なわれる。4月1日~7日まで、開業を記念して花電車(275+201+101+201号車)が運行される。
- 2004年(平成16年)4月14日 三重県が定める「三重県だれもが住みよい福祉のまちづくり推進要綱」、「三重県バリアフリーのまちづくり推進条例」の整備基準に基づいていることを示す適合証交付施設となる。
- 2005年(平成17年)1月8日 駅前無料駐車場南側に無料駐輪場が増設される。
- 2005年(平成17年)3月23日 当駅桑名方の踏切(東員12号踏切)およびその前後の市道が拡幅改良され、駅へのアクセスが改善される。
- 2005年(平成17年)4月1日 当駅からいなべ総合学園高校の生徒を経由して三岐線三里駅を結ぶバス(三岐バス)が運行開始される。
- 2005年(平成17年)6月1日 すでに駅舎内にある自動券売機・自動精算機・自動改札機を利用して、東員駅からの遠隔制御による営業が開始される。これにより、自動券売機等が終日利用可能となる。
- 2005年(平成17年)7月1日 列車行き違い設備新設・使用開始。ホームが島式となり、ホーム上屋が阿下喜方に増設され、構内通路踏切が新設される。
- 2006年(平成18年)3月14日 西桑名方出発信号機が三位式三現示(GYR)化される。(従来は三位式二現示(YR))
- 2006年(平成18年)6月1日 いなべ市新コミュニティバス(アイバス)が運行開始され、当駅にバス停が設けられる。同時に三岐線三里駅行きの三岐バスは廃止される。
- 2007年(平成19年)4月1日 有人時間帯が変更となる(平日の7:00~10:00・14:30~20:00、土曜日の8:00~17:00)。
[編集] その他
[編集] 隣の駅
2004年(平成16年)3月31日まで、北大社信号場との間に大泉東駅があった。
2004年(平成16年)3月31日まで、楚原駅との間に長宮駅があった。