少年合唱
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- 本稿は独語版に基づくため、独語圏以外の地域における実状とそぐわない部分がある。より多角的な検討と改訂を要望したい。
少年合唱とは、混声合唱とは異なり、アルト声部やソプラノ声部に女性を置かず、声変わり前の少年を利用したものをいう。テノールやバリトン、バスなどの低い声域は、成人男性が担当することもあれば、声変わりを終えて声域の安定した青年男子が担当することもある。また、中にはこれらの声域をまったく置かない団体もある。現代では、とりわけ旧社会主義国において、特に世俗の合唱曲を歌うために育成された少年合唱団も少なくないが、ヨーロッパにおいてはそのような団体でも、歴史をさかのぼってゆくと、宮廷礼拝堂に源流を持つことがある。また現在でも、ヨーロッパ大陸やイギリス諸島のカトリック教会、ドイツのプロテスタント教会では、古い歴史的伝統を持つ聖歌隊が、同時に訓練された少年合唱団となっていることがしばしばである。
目次 |
[編集] 歴史的な概略
少年合唱団は非常に長い伝統を遡ることができる。中世・ルネサンスの聖歌隊や礼拝堂がその根源である。とりわけ教会においては、一部は19世紀になるまで女性が歌うことが許されなかったため、少年たちが音楽活動を引き受けてきた。それゆえこんにちの少年合唱団も伝統的に、典礼音楽や教会での演奏と深く結びついている。
むろん、混声合唱の抬頭によっても少年合唱は角逐されなかった。20世紀において、特に戦後に、数多くの少年合唱団が創設された。それらはもはや典礼の執行のために育成することが欠かせないというわけではないため、音楽教育のうちに賢明な余暇利用法を見出すための基礎となっている。
[編集] こんにちの少年合唱団
少年合唱は、ウィーン少年合唱団のように、使用声部がソプラノやアルトのみに限られていることもあれば、高低すべての音域にメンバーが配置されることもある。しばしば少年は変声期を経て、男性の声になる。必要のある場合には、その声を鍛え上げなければならない。礼拝における出演のように伝統的な典礼の責務の反面、演奏会は、少年合唱団にとって、世俗的に課せられた任務に属しているといえる。非常に音楽的・芸術的な場面の一部として、それらはこんにち特殊な地位を占めている。
年齢(9~14歳)に基づいて、少年歌手は、芸術家としての成熟の「早期段階」にあると考えられる。その意味において、芸術家を育成する可能性は、いくつかの観点から制限が加えられている。その一方で、いたいけな、純粋で澄み切った声からなるがゆえに好まれる合唱の響きは、比べもののないほど格別な魅力をさらけ出している。だが少年合唱の意味は、その音楽的な役割にとどまってはいない。このような合唱団のメンバーにとって、音楽教育や共同の演奏活動は、様々な専門的能力の要求を見くびることにはならないからである。
[編集] 展望
こんにち少年合唱団が直面する大問題は、変声期の経過である。19世紀になるまで、若者は17歳までソプラノやアルトで歌うことができたのに対して、今日では12~13歳までに限界が来てしまう。その結果、一人の声変わりに合わせて歌手の配役に支障をきたしたり、歌手として長年にわたって熟練し、存分に訓練された児童を失うことになる。なるほど、その間の声変わりの限界の変化に歯止めがかかったかに見えるが、とりわけこのような見方からすると、少年合唱の未来がどのようなものになるかは、確信がもてない。
[編集] 有名な少年合唱団
- ウィーン少年合唱団
- ウィーンの森少年合唱団(実際は男子・女子混合)
- ドレスデン聖十字架合唱団
- レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊(レーゲンスブルク合唱団)
- ヴィンツバッハ少年合唱団
- ライプツィヒ聖トマス教会合唱団
- テルツ少年合唱団
- パリ木の十字架合唱団
- ヌイイ聖十字架少年聖歌隊
- ウェストミンスター大聖堂聖歌隊
- ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊
- セント・ポール大聖堂聖歌隊
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