山陽電気鉄道5000系電車
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5000系・5030系電車 (5000けいでんしゃ・5030けいでんしゃ)は山陽電気鉄道の所有する車両である。
5000系電車と5030系の相違点は制御方式が界磁添加励磁制御であるかVVVFインバータ制御であるかのみで車体は共通しているといえる。
このため、本項では5030系電車についても記述する。
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[編集] 5000系
1986年~1995年に製造された、山陽電気鉄道の所有する車両の1形式である。
車体はアルミ製であるが3000系から大きくモデルチェンジされ、車内は2+2掛の固定クロスシート(ロマンスシート)、内装壁にはFRP素材を、制御方式は国鉄205系で実用化された界磁添加励磁制御をそれぞれ採用した。
[編集] 1次車
当初はクロスシート装備や界磁添加励磁制御の試作車としての設計だったが、旧性能車(270形・300形・2700形)を完全淘汰するため1986年に5000~5013、5600~5606の3連×7本が一気に製造された。 2003年には5006Fが「播磨の武蔵」、2005年には5008Fに「源平の戦い」のラッピングが期間限定で施されていた。
[編集] 2次車
非冷房車の2000系を置き換えて冷房化を促進するため、1988年~1989年にかけて5014~5019、5607~5609の3連3本および5000系1次車4本を特急に使用するため3連から4連化するため、T車の5500~5503の4両が製造された。
[編集] 3次車
2次車をベースに転換クロスシートを装備した車輌で1990年に5020~5023、5504~5505、5610~5611の4連2本、翌1991年には5000系3本を6連化、3本を4連化するために中間電動ユニット5200~5205の6両およびT車5506~5509の4両が製作された。
[編集] 4次車
1993年に全編成を4連以上にするためT車の5510、5511の2両のみ製造された。窓形状が若干変更され一部の窓が固定窓となり、山陽電鉄で初めて車椅子スペースを設置した。
[編集] 5次車
1995年に5000系3本を6連化するために中間電動ユニット5206~5211の6両製造された5000系最終増備車である。窓形状が大幅に変更され、従来等間隔だった扉間の3連窓が中央だけ大きな1枚窓になった。なお、この窓配置が5030系にも採用された。
[編集] 5030系
1997年、5000系最終増備車をベースにIGBT方式VVVFインバータ制御装置を搭載した車両として登場した、山陽電気鉄道の所有する車両の1形式である。インバータは富士電機製でモーターを1つずつ制御する個別制御方式である。
[編集] 1次車
1998年に開始された姫路~阪神梅田間直通運転開始に備えて1997年に登場した。
- 5630-5230-5231-5530-5250-5631
- 5632-5232-5233-5531-5251-5633
の6連2本(12両)が製造された。編成は大阪側からTc1-M1-M2-T-M3-Tc2で、Tc1は山陽初の大阪側制御車となり、M1とM3に下枠交差式パンタグラフを搭載した。 なおこの編成(5630Fと5632F)の車両には阪神9000系や9300系、5500系と同じく扉開閉予告ブザーが装備されているほか、車内にはLED式案内装置も標準装備されている。
[編集] 2次車
2000年、5000系の4連4本を6連化する際に中間電動車の5235~5241(奇数のみ4両)と5252~5255(4両)の合計8両が製造されたが5000系に2両ずつはさんで使用するため、車内案内装置と非常電話装置は準備工事にとどまっている。