岩塩
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岩塩(がんえん、英:rock salt、halite)とは、鉱物として産する塩化ナトリウム(NaCl)のことである。
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[編集] 成り立ち
海底が地殻変動のため隆起するなどして海水が陸上に閉じ込められ、水分が蒸発して濃縮された結果、塩分が結晶化、更に地層中で圧縮されたものである。通常無色か白色に近い淡い色をしているが、ヒマラヤで産出する濃い紫色をしたものや、アンデス山脈で産出するピンク色のローズソルトなども知られる。こうした岩塩の結晶の色は、不純物によるものではなく、地層中で長期間にわたって放射線を浴びることによって生じた格子欠陥によるものが多い。
歴史上では、イジリやテガーザなど西アフリカのサハラ砂漠中の塩鉱が知られ、サハラ交易によってガーナ王国、マリ帝国、ソンガイ帝国、オアシス都市などの経済的繁栄をもたらした。
[編集] 産地
主な産地と生産量(2003年度)
- アメリカ合衆国 1630万トン
- ドイツ 1500万トン
- イタリア 300万トン
- スペイン 200万トン
- イギリス 150万トン
- ブラジル 130万トン
- パキスタン 130万トン (以上100万トン以上)
[編集] 特徴・用途
- 結晶は立方晶系で、立方体のものが一般的である。鉱床からは層をなして産出する。このとき、同時に海水中から析出した塩化マグネシウムなどの他の塩類や石膏を伴うことが多い。
- 湿度の高い環境下では潮解が起こりやすい。
- 食品や工業原料、また美術品(彫刻素材やシャンデリア材料)として用いられる。
- 世界中で産出される岩塩の約半分はヨーロッパ、北米を中心に冬季間の融雪剤として使用される。
[編集] 関連項目
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