岩手県立黒沢尻北高等学校
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岩手県立 黒沢尻北高等学校(いわてけんりつ くろさわじりきたこうとうがっこう)は、岩手県北上市にある公立の高等学校。
男女共学。1924(大正13)年に旧制黒沢尻中学校として創立され、以来、県内有数の進学校として多数の卒業生を輩出している。校風に質実剛健、文武両道。
略称は黒北(くろきた)、黒陵(こくりょう)とも呼称する。なお、同窓会は、黒陵会という。
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[編集] 学科
- 全日制課程 普通科
[編集] 所在地
- 岩手県北上市常盤台1-1-69
[編集] 部活動
[編集] 應援部
弊衣破帽にマント、足駄といったバンカラスタイルは、全国的にもめずらしく、入学時における新入生との対面式や厳しい応援歌練習、対外試合での応援活動の模様は、マスコミ等にもたびたび取り上げられることがある。バンカラは、旧制高校に対する憧れとも言われているが、盛岡第一高等学校、一関第一高等学校など旧制中学を母体とする岩手県内の進学校に受け継がれている。
黒沢尻北高においては、昭和50年代前半に旗や扇子、番傘を用いながら肉声と和太鼓による応援を始めたことが起源とされる。「音頭(ジガモガハ)」もこの時期に復元されたものであり、作者は佐々木一夫(第2回生)とされている。
「バンカラスタイル」以前については、(ある一時期においては)「慶応カラー」といわれる応援スタイルをとっていた時期もあり、東北学院大学応援団から応援指導を受けたことがきっかけとなっている。應援部の正装も、道着に袴ではなく、背中にKの字が入ったセーター姿であった。
ちなみに、吹奏楽部が設立された頃は、野球応援が主な活動であったという。(以上『黒陵七十年史』より)
[編集] 運動部
- ラグビー部 2005年度(第85回)全国高校ラグビー大会ベスト16
- ソフトテニス部 1999年度インターハイ男子団体戦優勝(全国制覇)、2002年度インターハイ女子個人戦吉田・伊藤組出場、2004年度高校総体男子団体戦優勝、同男子個人戦村上・吉田組優勝など。
- その他
[編集] 文化部
- 吹奏楽部 2006年度(第29回)全日本吹奏楽コンクール岩手県大会 金賞(最優秀)
- 音楽部
- 放送部
- GMC(ギター・ミュージック・クラブ)
- その他 2006年第17回国際生物学オリンピック(アルゼンチン大会)高橋勝平日本代表選手
[編集] 出身者
- 相沢史郎(第22回生)- 元東海大学文学部教授、詩人。
- 伊藤陸摩(第22回生)- 元デトロイト大学学長
- 小笠原亘(第63回生)- TBSアナウンサー。
- 小田島粛夫(第22回生)- 金沢医科大学理事長、元金沢医科大学学長、医学博士。
- 菊池定信(第27回生)- 国士舘大学法学部長、教授(民事訴訟法)、弁護士。
- 桑島法子 - 声優。学校の気風に馴染めず入学後半年で中退する。
- 後藤昌次郎(第15回生)- 弁護士。松川事件、青梅事件、日石・土田邸事件、総監公舎爆破未遂事件、日大闘争警官傷害致死事件など著名冤罪事件を数多く手がけた刑事弁護の大家である。著書に『冤罪』(岩波新書)などがある。
- 斎藤環(第52回生)- 精神科医、評論家。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学。著書に『ひきこもり文化論』(紀伊國屋書店)などがある。
- 斎藤文一(第15回生)- 新潟大学名誉教授、物理学者、南極観測隊隊員、宮沢賢治研究家。娘は、文芸評論家(第一回小林秀雄賞受賞)の斎藤美奈子。
- 澤田利夫(第26回生)- 東京理科大学理学部教授、日本数学教育学会会長。
- 鈴木裕樹(第74回生)- 俳優(ワタナベエンターテインメント所属)。D-BOYSのメンバー。映画『純ブライド』(大矢タカオ役)、実写版『テニスの王子様』(大石秀一郎役)、特撮ドラマ『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(ゲキレッド/漢堂ジャン役)などに出演。
- 鈴木正朝(第53回生)- 新潟大学法学部教授(情報法),情報ネットワーク法学会理事。著書に『これだけは知っておきたい個人情報保護』(共著、日本経済新聞社、2005年ベストセラー(日販・トーハン調)総合5位、単行本ビジネス書部門1位)などがある。
- 高橋喜平(第1回生)- 氷雪研究家(日本雪氷学会賞、吉川英治文化賞受賞)、エッセイスト(日本エッセイストクラブ賞受賞)。ちなみに、東京大学名誉教授の高橋延清は弟、直木賞作家の高橋克彦 は甥にあたる。
- 高橋富雄(第11回生)- 東北大学名誉教授、福島県立博物館名誉館長。東北古代史研究の第一人者である。比較的入手しやすい一般書としては『平泉の世紀(NHKブックス)古代と中世の間』(日本放送出版協会)などがある。
- 高橋延清 (第3回生)- 東京大学名誉教授、元東京大学北海道演習林場長。教壇に立つことなく生涯現場での研究に没頭した森林研究の権威。生態系への配慮から生まれた独特な伐採法による天然林の育成法「林分施行法」をまとめ上げた。「どろ亀先生」の名で知られる。(氷雪研究家でエッセイストの高橋喜平 は兄、直木賞作家の高橋克彦 は甥にあたる。)
- 鄭大均[ちょん てぎゅん](第39回生)- 首都大学東京 都市教養学部教授(日韓関係論・アジア地域文化論)。著書に『韓国のイメージ』(中公新書、95年、96年大平正芳記念賞)などがある。
- 三浦雄一郎(第25回生)- プロスキーヤー。世界七大陸最高峰からの滑降に成功。2003年に世界最高齢(70歳7か月)でのエベレスト登頂に成功(ギネスブックに掲載)。2006年9月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載。なお、旧制黒沢尻中学入学後、途中で青森県立弘前高等学校に転校したため卒業生ではない。同窓会では「推薦同期生」としている。
- 三田紀房(第48回生)- 漫画家。作品に『ドラゴン桜』(第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞)などがある。