獣拳戦隊ゲキレンジャー
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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(じゅうけんせんたいゲキレンジャー)は、2007年(平成19年)2月18日からテレビ朝日系列で毎週日曜日7:30 - 8:00に放送されている、東映製作の特撮テレビドラマシリーズ「スーパー戦隊シリーズ」第31作[1]である。キャッチコピーは、「高みを目指して、学び、変わる!」。
スーパー戦隊シリーズ | ||
第29作 | 魔法戦隊 マジレンジャー |
2005年2月 ~2006年2月 |
第30作 | 轟轟戦隊 ボウケンジャー |
2006年2月 ~2007年2月 |
第31作 | 獣拳戦隊 ゲキレンジャー |
2007年2月 ~ |
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
獣拳。それは強き獣の心を感じ取り、獣の力を手にする拳法である。古代中国で誕生し、4000年の歴史を持つこの拳法は、ある時を境に2つの流派に分かれた。
一つ、獣拳の力で世界の平和を守る正義の流派、「激獣拳ビーストアーツ」。
一つ、獣拳の力で世界の支配を目論む邪悪な流派、「臨獣拳アクガタ」。
2つの流派は長きに渡って戦い続け、互いの技を磨き上げた。そして現代、激獣拳ビーストアーツはスポーツメーカーを表の顔とする組織「スクラッチ」を設立。最新のスポーツ科学を使って、その技を科学的に進化させていた。一方、臨獣拳アクガタは闇の魔力を取り込み、悪の組織「臨獣殿」を再興。理央と名乗る青年に率いられ、世界征服を企んでいた。
奥深き樹海でパンダと取っ組み合う少年がいた。彼の名は漢堂ジャン。この樹海で一人で生きてきた野生児である。ある日、ジャンが住む樹海にセスナ機が墜落。機体から脱出したスクラッチの重役・真咲美希を臨獣殿の刺客たちが取り囲む。美希は封印しようとしていた「拳魔の腕輪」を奪われてしまうが、その場にやって来たジャンの助けで自身の危難は逃れる。ジャンの才能に気付いた美希は、彼をスクラッチ本社に連れ帰る。ジャンはそこで、宇崎ランと深見レツという若き激獣拳の拳士たちと出会い、師範であるマスター・シャーフーにもその素質を見出される。
一方、理央は奪い取った拳魔の腕輪に宿る三拳魔の声に従い、大いなる力を求めて破壊活動を開始。駆けつけたランとレツは、それぞれゲキイエロー、ゲキブルーに変身。そしてジャンも、シャーフーから渡されたゲキチェンジャーでゲキレッドに変身。正義の「激気(げき)」で臨獣殿の野望に立ち向かう。
[編集] 概要
[編集] 特徴
スーパー戦隊シリーズ(以下「シリーズ」と省略)では稀な3人編成でのスタートである。モチーフは中国武術と動物。
タイトルコールはレッド役の俳優が「○○戦隊」と言った後にメンバー全員で戦隊名を言うのがシリーズの多くを占めて来たが、本作では3人全員で「獣拳戦隊ゲキレンジャー」とタイトルコールをしている。戦隊側のライバルとなる人間形の敵幹部(理央とメレ)が、オープニング映像では戦隊側のメンバーとほぼ同格扱いの映像・テロップ表示でキャスト紹介される。「ほぼ同格扱い」という点では、戦隊側のみならず、敵側も戦闘時には人間態から戦闘態に「変身」するという描写が多く見られ、従来以上に「正義の変身ヒーロー vs 悪の変身ヒーロー」という展開を全面に押し出している。
ストーリー面では3人の「拳士としての成長」に重点を置き、お稽古など子供たちの日常生活を織り交ぜている。また、ハードな描写を極力抑え、低年齢層にもわかりやすい単純明快な内容となっている。
なお、本作では各話を示す言葉を修行(しゅぎょう)という。[2]また、サブタイトルの最初には"ニキニキ"・"ゾワゾワ"などの「ジャン語」が入る。
[編集] 今作におけるシリーズ初
- 造型面:変身後のスーツに、ホルスター付きベルトが装備されない。
- 造型面:靴が、従来のブーツタイプではなく、スポーツシューズのような形状[3]。
- 造型面:変身アイテムがグローブ型。
- エンディング冒頭の(ゲキレンジャーの技やアイテムについて説明する)紹介コーナーに「Beast Arts Academy」という固有の名称が表示される。
- 毎回、巨大戦に際して実況[4]が入る。
[編集] キャスティング
拳法家、キャリアウーマン、そして母親という多面性を持つゲキレンジャーのアドバイサー・真咲美希には、1980年代の大映テレビ作品で強烈な印象を残した伊藤かずえが配された。伊藤は子役時代、エキストラとして『秘密戦隊ゴレンジャー』などの東映特撮作品に出演した経歴があり、制作発表会での記者会見では「レギュラーとして出演したかった。30年来の念願が叶った」と心境を吐露している。
マスター・シャーフーの声を演じる永井一郎は、『サザエさん』の磯野波平に代表されるその豊富なキャリアにも関わらず、シリーズへのレギュラー出演は本作が初。そればかりか、ゲストとしてをも含む出演自体が、怪人の声役だった『ゴレンジャー』と『ジャッカー電撃隊』以来となる。
[編集] 制作・脚本・演出
アクション監督とは別に、中国武術指導の専任担当として中国拳法を特技とする喜多川務[5]が加わる。
その他、塚田英明が1年振りにチーフプロデューサーを担当。また、脚本にはシリーズでのメイン担当は初となる横手美智子。メイン監督は横手同様に、初となる中澤祥次郎が担当。その他に渡辺勝也、竹本昇、諸田敏、辻野正人が参加している。
[編集] 主要登場人物
[編集] 激獣拳ビーストアーツ / スクラッチ
獣拳の正統流派「激獣拳」を現代に受け継ぐ集団。表向きはスポーツ用品メーカー「スクラッチ(scrtc)」として運営されるが、現代のスポーツ科学を導入し獣拳を進化させることを真の目的とする。激獣拳ビーストアーツの達人、マスター・シャーフーの下、ゲキレンジャーたちはスクラッチ本社内にある道場で日々鍛錬に励む。
[編集] 獣拳戦隊ゲキレンジャー
メンバーは鍛錬を積む中で各々課題を抱え、リーダーは不在。互いが互いを補い、学びあうことで成長していく。
メンバー3人の苗字の頭文字を合わせると『カンフー』(かん・ふ・う)になる。
メンバーは全員、『スクラッチ社特別開発室所属アスリート』という表向きの肩書きを持つ。また、マスター・シャーフーによりキャッチフレーズ[6]を与えられており、3人揃ってのキャッチフレーズは『沸き立つ激気(ゲキ)は正義の証!』である。
- “身体に漲る、無限の力!アンブレイカブル・ボディ” ゲキレッド / 漢堂ジャン(かんどう ジャン)
- 幼少の頃から樹海で虎に育てられた野生児。そのため身元・本名は不明で「漢堂ジャン」は自称。久しく人間と接していなかったため一般常識は乏しく、好奇心は非常に旺盛だが飽きっぽいなど、精神的には幼い。しかしその分純真無垢で明朗な性格で、弱きを助け悪を憎む正義の心の持ち主。野生児ゆえに桁違いのパワーと丈夫な体を持ち「体力」の面では抜群。また、感情や周囲の状況を鋭敏に受け取る感覚を持つが、頭ではなく体で感受しているため「ニキニキ」「ゾワゾワ」「ワキワキ」といった「ジャン語」と呼ばれる独特の言語によって表現する。美希の娘・なつめに作ってもらった豚の角煮が大好物。
- 生まれ持った強烈な激気を美希に見出され、激獣タイガー拳を学ぶことになった。ラン・レツと共に、ゲキレンジャーとして戦うようになり、身元が判明するまではスクラッチ社が身元を引受けることとなった。獣拳を学んで間もないが獣拳を好きになり、ゲキワザ「獣拳合体」で合体するきっかけを作った。課題は人と数多く触れ合い、その「心」を成長させること。
- “日々是精進、心を磨く。オネスト・ハート” ゲキイエロー / 宇崎ラン (うざき ラン)
- 強き正義の「心」の持ち主で激獣チーター拳の使い手。野生児ジャンを凌ぐ俊足で、スピードを生かした戦法を得意とする。曲がったことを嫌う真面目でストレートな性格。『日々是精進~』のキャッチフレーズからもわかるとおり、努力家である。だが、根性だけでは克服できないこともあるため、今後の課題はその「技」を磨くこと。自分と反対の考えを持つレツとは、頻繁に口論になる。
- “技が彩る大輪の花。ファンタスティック・テクニック” ゲキブルー / 深見レツ (ふかみ レツ)
- 優れた「技」の持ち主で激獣ジャガー拳の使い手。『技が彩る~』のキャッチフレーズからもわかるとおり、あらゆる格闘技に精通する理論派で、常に新しい技を追い求めている。自分のことを「才能がある」と言って憚らず、技の未熟な者に対しては冷たい態度をとりがちだが、根底には激獣拳に対する熱い心を持っている。反面、しばしばネガティブな発言をすることもあり、多少悲観的な部分がある様子。
- かつては若き天才画家として嘱望されていたが、亡き兄が愛した激獣拳に感動を求めてスクラッチに入社した。華麗な技で敵を翻弄し、時には敵ですら魅了するが、体力面に難があるため、今後の課題は「体」を鍛えること。自分と反対の考えを持つランとは、頻繁に口論になる。
[編集] 指導者たち / その他
- マスター・シャーフー
- 激獣拳ビーストアーツの達人にして、ゲキレンジャーの師匠。直立歩行しているが、その外見は年老いた猫(カラカル)に良く似ており、ジャンからは「ネコ」と呼ばれている。哲学者然としたその言動により、「習うより慣れろ」「暮らしの中に修行あり」のモットーでゲキレンジャーを指導する。アクガタ側からは「拳聖」と恐れられているが、「獣拳不闘の誓い」により直接戦闘に関わってはならない。但し、ゲキレンジャーの窮地を救う際や直接戦いを挑まれた際など、それを破るような行動を取ることもある。腰に下げているトライアングルは、「心・技・体」の理想の三角形を表したもの。猫のような見た目どおり、木で爪を研ぐ、猫じゃらしにじゃれつくなどの仕草や挙動もみられる。また、関西訛りの言葉が多い(声優の永井が大阪出身であることを生かしている)。
- 同一モチーフ(猫)や同一声優(永井一郎)から、『ドラゴンボール』の「仙猫カリン」がモデルなのでは、と指摘する向きは多い。
- 真咲美希(まさき みき)
- スクラッチ社で特別開発室室長の肩書きを持つ頭脳明晰、容姿端麗な女性。彼女自身もシャーフーの弟子にあたり、激獣レオパルド拳の使い手であるが、現在は一線から退き、部下であり弟妹弟子であるゲキレンジャー達に助言を与えるなど、ゲキレンジャーを温かく見守る。俗に言う「痩せの大食い」で、ラーメンや肉まんが大好き。なつめという娘がいる。
- 真咲なつめ(まさき なつめ)
- 修行その7より登場した美希の娘。スクラッチの開発室に何度か来ているので、ラン達とは顔なじみ。自分のダンスに強い自信を持っていたが、周囲を全く見ていなかったため、他の子供達に認められていなかった。しかし、ソリサに対抗してダンスを身につけ、息の合った動きを見せたゲキレンジャーの姿を見て、自分の考えを改める。マスター・シャーフーに懐いている他、精神年齢が近いせいかジャンとは気が合う。得意料理は豚の角煮。ジャンからは「美希の子」と呼ばれる。
- トレーニングドロイド・ロボタフ
- ゲキレンジャーたちのトレーニング相手となるロボット。両腕が大型のパンチグローブになっている。設定を変えることで、初心者から達人まで、さらには格闘技だけでなくスポーツなどの幅広い訓練に対応出来る。プログラムすれば臨獣拳の技も再現可能。
[編集] 臨獣拳アクガタ / 臨獣殿
獣拳を邪悪な力に利用し、激獣拳と対立する悪の流派。アクガタの使い手・理央は、死んだ拳法の使い手たちを秘術によって甦らせ、邪悪な獣拳を操る集団「臨獣殿」を復興。臨獣拳の創始者「三拳魔」の怨霊に従い、人間たちの恐怖や絶望を己の更なる力として、臨獣拳による世界征服を目論む。ネーミングは死を意味する臨終とかけている。
- 黒獅子リオ(理央)
- 邪悪な力を追い求める臨獣殿の首領。死者の集団である臨獣殿では唯一の生者である。かつてはマスター・シャーフーの弟子であったが、師の下を離れて臨獣ライオン拳を体得。「三拳魔」に従い、配下のリンシーやリンリンシーたちを人間界に送り込み、悪事を働かせる。マスター・シャーフーと互角に渡り合うほどの実力者。レツの兄と何らかの因縁があるかのような描写がされている。
- 名前の由来は“LION”から。
- メレ
- 臨獣殿の女幹部で臨獣カメレオン拳の使い手。カメレオンの様な獣人態だけでなく、リンギにより若く妖艶な人間の女性の姿に擬態できるが、彼女もリンリンシー(死者)である。たとえ部下であっても弱者に厳しい冷徹な性格で、格下とは戦わない主義。但し、マガのように自らと同じく恋をする者に対しては、親身になってアドバイスを与えることもある。また自らを復活させてくれた理央に対して強い愛情を抱いており、彼の前では純真な乙女になる一面も持っている。自称「理央様のために生き、理央様のために戦うラブウォリアー」。コンクリートをも貫く長い舌を武器にしている。また、光学迷彩のように、景色と同化して姿を消す能力を持っており、これを生かした奇襲攻撃を得意とする(この能力は、撤退時にも活用されている)。バエ曰く「憎き小娘」。
- 名前の由来は、カメレオンから。
- 三拳魔
- 古の臨獣拳の創始者達。今は怨霊と化して「拳魔の腕輪」の中に封印されている。力を求める理央に「弱き者の悲鳴と絶望を糧とすべし」と、道を示した。
- バエ
- 激獣フライ拳の使い手だったが、メレとの戦いに敗れて以来小さな蝿の姿に変えられ、メレの胃袋の中に捕われている。無類の巨大戦マニアであり、始まると勝手にメレの胃袋から飛び出してきて実況する。臨獣拳の仲間ではないので、実況は極めてゲキトージャ寄り。口がマイクのようになっている。メレ曰く「うるさい小蝿」。
[編集] ゲキワザ(激技)
激獣拳の拳士は、心に獣を感じた際に湧き上がる情熱「激気(げき)」を力の源とし、その「激気」を込めて発する彼らの技は「ゲキワザ」と呼ばれる。
ここでは、「ゲキワザ」を発動・応用するための道具・武器として描写・設定される各種装備などについても記述する。
[編集] 等身大
[編集] 共通 / その他
- 激気振(げきしん)
- 激気打(げきだ)
- 激気弾(げきだん)
- 倍倍分身拳(ばいばいぶんしんけん)
[編集] 激獣タイガー拳
漢堂ジャン/ゲキレッドが使う。
- 咆咆弾(ほうほうだん)
- ゲキタイガーが敵に噛み付き、振り回して放り投げる。
[編集] 激獣チーター拳
宇崎ラン/ゲキイエローが使う。
- 瞬瞬弾(しゅんしゅんだん)
- ゲキチーターが超高速で敵に体当たりする。
- 進進打(しんしんだ)
- 打打弾(だだだん)
- 無数の突きを正確に猛スピードで繰り出す。
- 振振弾(しんしんだん)
- ゲキトンファー・ロングバトンを伸ばして貫き、そのまま放り投げる。
[編集] 激獣ジャガー拳
深見レツ/ゲキブルーが使う。
- 転転弾(てんてんだん)
- ゲキジャガーが高速回転して敵を薙ぎ倒す。
- 舞舞打(まいまいだ)
- 宙を舞うように相手を飛び越えつつ、ゲキトンファーをたたきつける。
- 舞舞走(まいまいそう)
- 垂直の壁を自在に走り回り、翻弄して攻撃する。その美しさはメレが思わず見惚れてしまうほど。
- 花花弾(はなはなだん)
- ジャンプし、ゲキトンファーを回転の勢いを乗せて叩き付ける。
[編集] 激獣レオパルド拳
真咲美希が使う。
- 貫貫掌
[編集] 装備
- ゲキチェンジャー
- スクラッチ社が開発した、激気を活用するためのグローブ型アイテム。ゲキレンジャーの変身スーツや武器が次元圧縮で内蔵されている。両手に装着して「ビースト・オン!」の掛け声とともに右手甲のスイッチ部に触れることによりゲキレンジャーに変身する。また、指の骨を鳴らすような動作により各種ゲキワザを発動させることが出来る。
- ゲキヌンチャク
- ヌンチャク型武器。激気を込めることで、ヌンチャクが直接当たらない相手にも攻撃出来る。ゲキブルーに扱い方を教えてもらったゲキレッドが主に使用する。
- ゲキトンファー / ゲキトンファー・バトン / ゲキトンファー・ロングバトン
- 3つの形態に変形する武器。グリップを90度折り曲げることで棒型のゲキトンファー・バトンに、それを2本つなぎ合わせることで棍棒型のゲキトンファー・ロングバトンにすることが出来る。ゲキブルーはトンファー形態を、ゲキイエローはロングバトン形態を主に使用する。
- ゲキバズーカ
- 修行その8で登場。ゲキレンジャーの等身大時の必殺武器で、ゲキワザ「激激砲」を撃つための媒体。現在の3人では激気のチャージに2分も掛かるため、その間ゲキレッドが一人で敵の攻撃を引き受けなければならないという弱点を持つ。デザインのモチーフはマスターシャフー(修行その8の「Beast Arts Academy」より)。
- 激激砲(げきげきほう)
- ゲキバズーカに3人の激気をチャージ。その気を弾丸として放つ等身大時の必殺技。マスターシャーフーが現役の頃は「竹筒でやっていた」とのこと。
[編集] ゲキビースト
- ゲキタイガー
- ゲキレッドが咆咆弾からつくるゲキビースト。
- 全高:22.5m
- 全幅:32.7m
- 全長:49.7m
- 重量:1400t
- 走行速度:420km/h
- 出力:900万馬力
- ゲキトージャへ合体する際、上半身と両足(膝より上の部分)になる。
- ゲキチーター
- ゲキイエローが瞬瞬弾からつくるゲキビースト。
- 全高:20.4m
- 全幅:12.4m
- 全長:38.8m
- 重量:350t
- 走行速度:600km/h
- 出力:300万馬力
- ゲキトージャへ合体する際、右足(膝下)になる。
- ゲキジャガー
- ゲキブルーが転転弾からつくるゲキビースト。
- 全高:19.1m
- 全幅:12.4m
- 全長:44.7m
- 重量:350t
- 走行速度:510km/h
- 出力:300万馬力
- ゲキトージャへ合体する際、左足(膝下)になる。
[編集] ゲキトージャ
ゲキタイガー、ゲキチーター、ゲキジャガーの3体のゲキビーストが「獣拳合体」した巨人。合体完了の際には、ゲキレンジャーが「ゲキトージャ、バーニングアップ!」と叫ぶ。また、とどめを刺した直後に「獣拳は正義の拳! 正しき者は、必ず勝つ! ゲキトージャ、WIN!」と叫ぶ(後半のみ叫ぶ場合もある)。
1号ロボとしては初めて格闘による必殺技を使用する。また、初期装備として1号ロボが剣を持ってないのも戦隊史上初である[7]。必殺技名の「頑頑」の由来は、『上(下)半身をガンガン回す』ことから。
ゲキトージャは、コクピットに相当する部分にいるゲキレンジャー3人の動きに同調して動く、いわゆるモーショントレース型の操縦方法のため、合体中は3人の神経が連結される。そのため合体前のダメージまで全員に共有されてしまう、3人の動きが一致しないと操縦できない、などといった弱点もある。
[編集] ゲキトージャが使うゲキワザ
- 大頑頑拳(だいがんがんけん)
- 上半身を回転させて放つ。敵に向かって突進し、両手で連続パンチを繰り出す。技の始動時に僅かな隙がある。
- 大頑頑脚(だいがんがんきゃく)
- 下半身を回転させて放つ。上空から敵目掛けて落下し両足できりもみキックを繰り出す。ジャンのパワー、ランのスピード、レツのテクニックを合わせたゲキワザといえる。
- 大分分脚(だいぶんぶんきゃく)
- 下半身を回転させて放つ。ジャンプし空中でスピンしながら回転蹴りを繰り出すことで、周囲の敵を一掃する。フィギュアスケートのカレイドスパイラルジャンプを応用したゲキワザである。
[編集] リンギ(臨技)
臨獣拳の拳士は、心に獣を感じた際に湧き上がる情熱「臨気(りんき)」を力の源とし、その「臨気」を込めて発する彼らの技は「リンギ」と呼ばれる。
ここでは便宜上、主要登場人物以外のリンギを使うキャラクターについても、記述する。
[編集] 首領・幹部が使うリンギ
[編集] 臨獣ライオン拳
黒獅子リオ(理央)が使う。
- 臨気凱装(りんきがいそう)
- 戦闘時に、臨気を鎧のように身にまとう。
- 剛勇吼波(ごうゆうこうは)
- 臨気をライオンのような形状にして打ち出す。
[編集] 臨獣カメレオン拳
メレが使う。
- 無限烈波(むげんれっぱ)
[編集] リンシー / リンリンシー
- リンシー
- 道半ばで命を落とした古代の臨獣拳の使い手たちを理央が秘術で蘇生させ、偽りの生命を与えた臨獣殿の下級拳士。茶色の服を着て、目元を黒い布で覆っている。死体から作られているため、動きが硬く知性も低い。倒されると肉体は粉々に砕け散り、塵と化す。武器は槍。「試しの房」をくぐることでリンリンシーになる。
- 手を前に突き出して跳ねたりする動きやデザイン、設定はキョンシーをモチーフにしている。
- リンリンシー
- 「試しの房」をくぐり、より強力な拳士となったリンシー。赤い服を着て、リンシーの時に付けていた黒い布を外して目を晒している。生前の知性を取り戻しており、言葉を話し、リンシーよりも柔軟に動く。額に各自が体得している獣拳のモチーフになった動物の像を宿している。女性のリンリンシーもいるが、姿形は男性と同じである。
- デザインモチーフは中国の京劇役者。ネーミングはリンシー共々「キョンシー」+「臨死」から。
[編集] 獣人
リンリンシーがリンギ「獣人邪身変(じゅうじんじゃしんへん)」で獣人化した姿。共通の特徴として、その上半身(主に胸部)には各自が体得している獣拳のモチーフになった動物の頭部が浮かび上がっている。更にリンギ「邪身豪天変(じゃしんごうてんへん)」で巨大化できる。ゲキワザによって致命傷を受けた獣人は、全身が石化して砕け散る。
ネーミングは、モチーフ動物のアナグラムになっている。具体的には、二文字目から読んで、最後に頭文字。例:マキリカ→カマキリ、ギュウヤ→ヤギュウ、ブラコ→コブラなど。
- マキリカ
- 修行その1、2に登場。拳魔の腕輪を輸送中の真咲を襲い、腕輪を強奪した。理央の命により街で暴れ回るが、ゲキレンジャーとマスター・シャーフーに撃退される。その後ダムを決壊させ街を水浸しにするが、初めて獣拳合体を成功させたゲキレンジャーのゲキトージャによって倒された。なお、自分の狙った者に祈りを捧げさせることを流儀とする。
- 名前はカマキリから。
- ギュウヤ
- 修行その3に登場。突進力に優れ、喋り方も行動も豪快。ゲキレッドをも吹き飛ばす怪力を持つが、雑巾がけの修行で突進力をアップさせたレッドに逆に吹っ飛ばされ、さらに角を雑巾絞りの要領で捻じられてしまう。その怒りから巨大化するが、最後はゲキトージャによって倒された。
- 名前は野牛から。
- 五毒拳
- 修行その3から登場。臨獣拳の中でも特に邪悪で凶暴なリンギを極め、体内に熱・痛み・寒さ・しびれ・吐き気の毒を持つ五人の精鋭。五毒拳には真毒(まどく)という秘伝のリンギが伝えられており、五人の内のいずれかが隠し持っている。真毒を使えば拳魔の腕輪からさらなる声が聞こえるのだが、真毒の所有者が誰なのかは理央も知らない。それ以外にも、それぞれが個別の秘伝リンギを持つ。
- 元ネタはショウブラザース社が製作したカンフー映画『五毒拳』。
- カデム
- 「地獄の手数王」の異名を持つ。リンリンシー時は白い布をまとっている。遅いもの、ゆっくりしたものを見るとイライラして拳を叩き込まねば気が済まない、非常に短気な性格。目にも留まらぬ高速の連打を得意とし、その速さは秒間百発ともいわれる。10秒間で繰り出せる拳打の数を競う千拳万打という形式でゲキイエローと対戦し一旦は勝利を収めるが、己の速さに酔い痴れて一打一打の精度を軽んじていたために、再戦時には敗北してしまった。
- 獣人形態では頭部をズタ袋のような頭巾で隠しており、その下の素顔(頭部全体に無数のムカデの胴体部が巻きついている)を見られるのを嫌う。秘伝リンギである長城鞭(ちょうじょうべん)は、頭部を巨大なムカデにして鞭のように振るう技。修行その5でゲキトージャの大頑頑拳によって倒された。
- 名前は百足から。
- ブラコ
- 五毒拳のリーダー格。「一撃必殺の狙撃手」の異名を持つ。リンリンシー時は青い布をまとっている。2本の半月刀・妖蛇刀から強力な剣技を繰り出す。理央に対して密かに反旗を翻す機会を伺っているが……。
- 名前はコブラから。
- 臨獣スネーク拳
- 妖蛇斬(ようじゃざん)など。
- ソリサ
- 「戦慄の踊り子」の異名を持つ。リンリンシー時は赤い布をまとっている。五毒拳で唯一の女性だが、実力や残忍さは他の四人に勝るとも劣らない。多数のリンシーを率いてダンスのように攻撃させる蠍舞踏(さそりぶとう)の他にも、舞のような動きから朱鞭脚(しゅべんきゃく)、飛翔朱鞭脚(ひしょうしゅべんきゃく)、紅蓮朱鞭脚(ぐれんしゅべんきゃく)、朱鞭開脚(しゅべんかいきゃく)などの強力な足技を繰り出す。今までパートナーを作らずに闘ってきた為、恋人に対しては(傍目から見るとバカップルと思えるほど)従順になってしまうという自分でも気づかない性格を持っており、修行その8でマガと相思相愛になった時は戦闘そっちのけでイチャついていた。しかしそれは単に強い男が好きなだけで、マガがゲキレンジャーに倒されるや、「マガの野郎、あっさり負けやがって!」と手のひらを返して口汚く罵っていた。怒りで巨大化し、体から無数のサソリを放つ重獄変(じゅうごくへん)という秘伝リンギでゲキトージャを毒殺しようとしたが、大分分脚によって倒された。
- 名前はサソリから。
- モリヤ
- 「対応不能の惑乱者」の異名を持つ。リンリンシー時は緑の布をまとっている。細かい毛のようにした臨気で足の裏をおおい、壁や天井に垂直に立つ微毛脚(びもうきゃく)というリンギの使い手で、壁面を「自分の世界」と豪語している。このリンギによる変幻自在の動きで敵を翻弄し、その隙に無数の手裏剣を放つ戦法が得意。敬語まじりながら他人の神経を逆撫でする軽口ばかり叩き、地面にいる者をバカ扱いしている。修行その6でゲキブルーと対決。初戦は「自分の世界」で戦ってブルーに勝利したが、次戦では特訓を重ねたブルーの華麗なテクニックによって地面に落とされる。巨大化後は腕を自在に分離・蘇生させる速生腕(そくせいわん)という秘伝リンギでゲキトージャの視界を塞いで倒そうとするが、攻撃の気配をブルーに見切られ、技のセンスの無さを指摘された上で大頑頑拳によって倒された。
- 名前はヤモリから。
- マガ
- 「鋼鉄鉄壁の守護者」の異名を持つ。リンリンシー時は黄色の布をまとっている。動きは鈍いが鉛と例えられるほど頑丈な体で敵の攻撃を寄せ付けず、大頑頑拳も通用しない。武器は両腕の鋭く長い爪。臨気をガマの油状に絞り出して肉体を覆う体油包(たいゆーぱお)という秘伝リンギで相手の攻撃を全て跳ね返す。元々は寡黙で口下手であり、ソリサへの恋心もはっきり伝えることすらできず、ソリサとゲキブルーの戦闘を抱き合っていると勘違いして、我を失い巨大化するほどに純情だったが、その思いが成就されると、自信過剰で傲慢な性格に豹変してしまった。修行その8で、ゲキレンジャーの新装備ゲキバズーカによって倒された。今作初の『等身大で倒された怪人』。
- 名前はガマガエルから。
[編集] キャスト
[編集] レギュラー&準レギュラー
- 真咲なつめ:桑江咲菜
- ナレーション:ケイ・グラント
[編集] ゲスト
[編集] ゲスト声優
[編集] スーツアクター
[編集] スタッフ
- 原作:八手三郎
- 連載:テレビマガジン、てれびくん
- プロデューサー:八木征志(テレビ朝日)、塚田英明・宇都宮孝明(東映)、矢田晃一(東映エージェンシー)
- 脚本:横手美智子、荒川稔久、吉村元希、會川昇
- 監督:中澤祥次郎、渡辺勝也、竹本昇、諸田敏、辻野正人
- 音楽:三宅一徳
- 演奏:フェイスミュージック
- 撮影:松村文雄、大沢信吾
- キャラクターデザイン:篠原保
- アクション監督:石垣広文(ジャパンアクションエンタープライズ)
- 中国武術指導:喜多川務
- 助監督:加藤弘之
- 特撮監督:佛田洋
- プロデューサー補:和佐野健一、泉谷裕
- 制作:テレビ朝日、東映、東映エージェンシー
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ:『獣拳戦隊ゲキレンジャー』
- 『忍風戦隊ハリケンジャー』以降メジャーコード主体の軽快な曲調の主題歌が多かったが、本曲は『百獣戦隊ガオレンジャー』以来6作ぶりの全編マイナーコードのハードな曲調になっている。同時期放送の『仮面ライダー電王』のOPは逆に軽快な曲調であり、対称的である。
- エンディングテーマ:『道(タオ)』
- 前作『ボウケンジャー』で一旦途切れた“踊るエンディング”が復活。また、歌を担当する水木は『バトルフィーバーJ』で初参加して以降、戦隊シリーズの挿入歌、Vシネマシリーズの主題歌等を多く担当していたが、TV作品の主題歌を担当するのは本作が初である。
[編集] 脚注
- ^ 日曜朝に移転してから本作で10作目を迎える。
- ^ 『轟轟戦隊ボウケンジャー』最終回での予告では「修業」となっていたが、これは誤植。
- ^ ブルース・リーの映画「死亡遊戯」のスタイルをイメージさせる。
- ^ 『ガオレンジャー』のように、特定話限りの実況例は存在する。
- ^ アクション監督の石垣と喜多川は、中国武術にモチーフをとった『五星戦隊ダイレンジャー』で、戦隊メンバーのスーツアクターであった。
- ^ 『ガオ』の「灼熱の獅子」などに始まる、各個人の名乗りの際の「口上」の考案者が劇中で明言されたのは、今作がシリーズ史上初。
- ^ 同じく格闘の要素が入った五星戦隊ダイレンジャーの巨大武人も、必殺技では武器を使っていた。なお、格闘による必殺技の初登場は、ギャラクシーロボ(光戦隊マスクマン)の『鉄拳オーラギャラクシー』。
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
テレビ朝日系 日曜7:30枠(2007年2月~、スーパーヒーロータイム枠の第1枠) | ||
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前番組 | 獣拳戦隊ゲキレンジャー | 次番組 |
轟轟戦隊ボウケンジャー | - |
テレビ朝日系 日曜日朝のアニメ・特撮番組(ニチアサキッズタイム) |
7:00 (メ~テレ)古代王者恐竜キング | 7:30 (スーパーヒーロータイム1部)獣拳戦隊ゲキレンジャー |
8:00 (スーパーヒーロータイム2部)仮面ライダー電王 | 8:30 (ABC)Yes! プリキュア5 |
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昭和 | ゴレンジャー - ジャッカー - バトルフィーバー - デンジマン - サンバルカン - ゴーグルファイブ - ダイナマン(敵) - バイオマン(敵) - チェンジマン - フラッシュマン(敵) - マスクマン - ライブマン |
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平成・21世紀 | ガオレンジャー - ハリケンジャー - アバレンジャー - デカレンジャー(人物・装備) - マジレンジャー(人物・魔法) - ボウケンジャー(人物・装備・宝物)- ゲキレンジャー |
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