必履修科目

日本の後期中等教育の課程（高等学校の課程、中等教育学校の後期課程、盲学校・聾学校・養護学校の高等部の課程）において、必履修科目（ひつりしゅうかもく）とは、卒業までに学校の定めた教育課程に従って履修しなければならない科目のことである。

[編集] 原則

高等学校学習指導要領（平成11年文部省告示第58号、平成11年〔1999年〕3月29日告示、平成14年〔2002年〕5月、平成15年〔2003年〕年4月、平成15年〔2003年〕11月一部改正）などには、卒業までにすべての生徒が原則として次の科目を履修することと定められている。

※以下の規定は、2003年度高等学校入学者から適用されている。2002年以前の必履修科目については、学習指導要領および各教科・科目のページも参照。

※各科目のあとのかっこ内数字は、標準単位。

国語：「国語表現I」(2)または「国語総合」(4)
地理歴史：以下の2区分にわたって必履修。
- 「世界史A」(2)または「世界史B」(4)
- 「日本史A」(2)または「日本史B」(4)または「地理A」(2)または「地理B」(4)
公民：「現代社会」(2)1科目または、「倫理」(2)と「政治・経済」(2)の2科目
数学：「数学基礎」(2)または「数学I」(3)
理科：「理科基礎」(2)、「理科総合A」(2)、「理科総合B」(2)、「物理I」(3)、「化学I」(3)、「生物I」(3)、「地学I」(3)のうち、「理科基礎」または「理科総合A」または「理科総合B」を含む2科目
保健体育：「体育」(7 - 8)および「保健」(2)の2科目
芸術：「音楽I」(2)または「美術I」(2)または「工芸I」(2)または「書道I」(2)
外国語：「オーラル・コミュニケーション1」(2)または「英語I」(3)または英語以外の外国語科目(2)
家庭：「家庭基礎」(2)または「家庭総合」(4)または「生活技術」(4)
情報：「情報A」(2)または「情報B」(2)または「情報C」(2)

これらの科目を必履修科目（ひつりしゅうかもく）と呼び、また、しばしば学校現場などにおいては、必修科目（ひっしゅうかもく）とも呼ばれる。

ただし専門教育に関する学科では、必履修教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合において、専門教科の履修をもって必履修教科の履修に代えることも可能。

特別支援学校の高等部においては、個別に「盲学校学習指導要領」「聾学校学習指導要領」「養護学校学習指導要領」が定められているが、「高等学校学習指導要領」の多くの部分を準用している。

特別支援学校の高等部においては、それぞれ「盲学校学習指導要領」「聾学校学習指導要領」「養護学校学習指導要領」が適用されるため、高等学校や中等教育学校と比較すると、教育課程に若干の違いが見られる。

高等専門学校の課程は、後期中等教育から（大学などにおける）専門教育に相当するものである。学習指導要領はなく、文部科学省が所管する省令である高等専門学校設置基準に定める要件に基づく教育課程が定められる。

商業に関する学科、工業に関する学科など、専門教育を主とする学科では、専門に関わる科目を25単位以上履修することとなっている。ただし、一定の条件下で、5単位まで、普通教育に関する教科に組み入れることなどの措置が認められている。

なお、総合学科にあっては、「産業社会と人間」(2 - 4)を入学年次に履修することになっている。

これらの科目は厳密には必履修科目とは呼ばれない。

学校によっては、学習指導要領の定める必履修科目の他に、学校のすべての生徒が履修すべき科目を定めていることがある。また、時間割上すべての生徒が学習する科目を必履修科目・必修科目などと呼び、その他の科目を選択科目と呼ぶこともある。

文部科学省、『高等学校学習指導要領』（改訂版） [1] （平成11年文部省告示第58号、平成11年〔1999年〕3月告示、平成14年〔2002年〕5月、平成15年〔2003年〕年4月、平成15年〔2003年〕11月一部改正）、独立行政法人国立印刷局、2004年（平成16年）1月20日、ISBN 4-1715-3521-2
文部科学省、『高等学校学習指導要領解説 : 総則編』（一部補訂）、株式会社東山書房、2006年4月5日、ISBN 4-8278-1201-2