戸田尊次

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

戸田 尊次（とだ たかつぐ、永禄8年（1565年） - 元和元年7月7日（1615年8月30日））は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将。田原戸田氏の支族に当たる戸田忠次の子。田原戸田家3代当主。通称は甚九郎。正室は松平伊忠の娘。子に忠能、忠次、正次、生勝、忠高、娘（蒔田定正室）ら。

目次 1 家系 2 生涯 3 栄誉・武勲戦功 4 歴代当主 5 関連項目 6 関連人物

[編集] 家系

河内源氏の棟梁・八幡太郎義家の五世孫・戸田信義に始まる戸田氏の支流。戦国時代の武将・三河国田原城主・戸田憲光の次男、庄左衛門光忠の孫にあたる。(家系の詳細は戸田氏の項を見よ)

戸田信義(戸田氏の祖) - 戸田義成＝戸田頼重(弟)＝戸田義房(弟) - 戸田頼方 - 戸田頼房 - 戸田弾宗忠 - 戸田綱光 - 戸田弾正左衛門宗光 - 戸田弾正忠憲光 - 戸田光忠 - 戸田忠次 - 戸田尊次

[編集] 生涯

はじめ父の戸田忠次は徳川家康に三河一向一揆で叛いたが、後に子の尊次と共に家康に帰参して、家臣として仕えることになる。尊次は天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いを皮切りとして慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは丸岡城（現在の福井県坂井市）攻略で功を立て、翌年にその功を賞されて三河国田原（現在の愛知県田原市）に1万石の所領を与えられた。慶長12年（1607年）、従五位下土佐守を叙任される。

慶長19年（1614年）の大坂冬の陣では岡崎城の守備を務めた。翌年の夏の陣では徳川頼宣に属して参戦したが、その途上で病に倒れ、同年7月7日にに京都にて51歳で病死した。後を長男の戸田忠能が継いでいる。次男の戸田忠次は旗本となり、その次男である戸田忠時は加増を受けて足利藩を立藩する。

法号：透関院殿決山全勝大居士。墓所：愛知県田原市大久保の長興寺。

[編集] 栄誉・武勲戦功

• 栄誉 - 慶長12年　従五位下土佐守に叙任。
• 武勲
  • 天正12年（1584年） - 小牧・長久手の戦いにおいて小牧の陣を守備する(論功行賞により三河国和田に五百石を賜る)。
  • 慶長5年（1600年） - 関が原の戦いにおいて丸岡城を落とし、これを守備する(祖先の地・三河国田原城を賜る)。
  • 慶長17年 - 大坂冬の陣において、はじめ岡崎城を守備。ついで大坂にて後列に加わる。
  • 元和元年 - 大坂夏の陣において徳川頼宣に属しこれを守る。

[編集] 歴代当主

• 祖先
• 戸田信義 - 戸田十郎。源氏一門、鎌倉武士。尾張国戸田庄地頭。源義家の五世孫、十郎と称する。戸田氏の祖
• 戸田義成 - 戸田彦太郎。戸田氏二代。彦太郎、弟には次郎頼重、十郎義茂がいる。
• 戸田頼重 - 戸田孫二郎。戸田氏三代
• 戸田義房 - 戸田十郎。戸田氏四代
• 戸田頼方 - 戸田十郎。戸田氏五代
• 戸田頼房 - 戸田十郎。戸田氏六代
• 戸田宗忠 - 戸田弾正忠。七郎左衛門。南北朝時代の武将。南朝方の信濃宮宗良親王の配下。
• 戸田綱光 - 戸田三郎。一色七郎を追い勢力拡大。
• 戸田宗光 - 弾正左衛門。三河国国人領主。伊勢貞親の被官。足利義政の命で賊徒を倒し勢力拡大。松平信光の娘婿。
• 戸田憲光 - 丹波守。三河くに国人領主。尾張国知多半島に勢力拡大　河和殿。
• 戸田政光 - 左近丞。三河国国人領主。

戸田光忠流嫡系歴代当主。主に下野国宇都宮藩主を務める。

1. 戸田光忠（みつただ） - 政光の跡を継いだ戸田康光の弟。
2. 戸田忠次（ただつぐ） - 三河一向一揆で主君・家康を裏切る。
3. 戸田尊次（たかつぐ）従五位下土佐守。三河国田原藩主。
4. 戸田忠能（ただよし）従五位下因幡守。三河国田原藩主。戸田尊次の嫡男。
5. 戸田忠昌（ただまさ）従四位下越前守兼侍従。同地より肥後天草富岡、摂津河内、武蔵国岩槻、下総国佐倉藩主に転ずる。忠能弟戸田忠次の嫡男。
6. 戸田忠真（ただざね）従四位下山城守兼侍従。戸田忠昌の次男。佐倉より越後国高田、下野国宇都宮藩主に転ずる。
7. 戸田忠余（ただみ）従五位下日向守。戸田忠真の甥。土佐守戸田忠章の嫡男。
8. 戸田忠盈（ただみつ）従五位下日向守。戸田忠余の四男。肥前国島原藩主に転ずる。
9. 戸田忠寛（ただとお）従四位下因幡守。侍従。戸田忠余の五男。下野国宇都宮藩主に転ずる。
10. 戸田忠翰（ただなか）従五位下能登守。戸田忠寛の長男。
11. 戸田忠延（ただのぶ）従五位下日向守。戸田忠翰の三男。
12. 戸田忠温（ただはる）従四位下山城守。侍従。戸田忠翰の五男。
13. 戸田忠明（ただあき）従五位下因幡守。戸田忠温の三男。
14. 戸田忠恕（ただゆき）贈従三位。従五位下越前守。戸田忠温の七男。
15. 戸田忠友（ただとも）従五位下土佐守。分知の旗本、土佐守戸田忠偲の長男。

尊次の次男　忠次の家系　主に下野国足利藩主を務める。

1. 戸田忠次（ただつぐ）尊次の次男、祖父の戸田忠次と同名。
2. 戸田忠時（ただとき）従四位下大炊頭。旗本・戸田忠次の次男。加増し立藩。初代足利藩主。
3. 戸田忠囿（ただその）従五位下大隅守。侍従。戸田忠時の四男。
4. 戸田忠位（ただたか）従五位下出雲守。戸田忠囿の嫡男。
5. 戸田忠言（ただとき）従五位下大炊頭。戸田忠位の長男。
6. 戸田忠喬（ただたか）従五位下大炊頭。戸田忠言の八男。
7. 戸田忠禄（ただとみ）従五位下長門守。戸田忠喬の三男。
8. 戸田忠文（ただあや）従五位下大炊頭。本家、宇都宮藩主　戸田忠温の四男。
9. 戸田忠行（ただゆき）従五位下長門守。戸田忠禄の四男。

[編集] 関連項目

• 戸田氏（家名）
• 宇都宮藩（当家）
• 松本藩（宗家）
• 松平氏（主家旧姓）
• 徳川氏（主家）
• 三河国（出身）
• 三河一向一揆（関連事件）
• 関が原の戦い
• 大坂冬の陣

[編集] 関連人物

• 戸田康光（国人領主、戦国武将。弾正大弼。三河国田原城主。）
• 松平康長（戦国武将、譜代大名。従四位下丹波守。信濃国松本藩主。徳川家康同母妹の婿。）
• 徳川家康（主君。征夷大将軍）
• 徳川頼宣（紀州藩主）

先代: -

戸田氏（田原藩初代）藩主 1601 - 1615

次代: 戸田忠能