日ノ丸自動車法勝寺電鉄線
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法勝寺電鉄線(ほっしょうじでんてつせん)は、かつて鳥取県米子市と西伯郡西伯町(現南部町)の間を結んでいた、日ノ丸自動車が運営していた鉄道路線である。
元々は、法勝寺鉄道という独立した鉄道会社であったため、法勝寺電車として親しまれていた。その後、幾多の変遷を経て、1953年に地元のバス会社である日ノ丸自動車へ吸収合併され、1960年代のモータリゼーションの進行に勝てず廃止となった。
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[編集] 路線データ
※廃止直前のデータ。
[編集] 運行形態
1959年時点で、米子市~法勝寺間は1日15往復、概ね約60分毎の運転だった。
[編集] 歴史
- 1924年(大正13年)7月8日 - 法勝寺鉄道 米子町(後の米子市)~大袋間開業。
- 1924年(大正13年)8月12日 - 大袋~法勝寺間開業。
- 1925年(大正14年)2月12日 - 伯陽電鉄に社名変更。
- 1930年(昭和5年)1月1日 - 阿賀~母里間の支線を開業。
- 1944年(昭和19年)1月1日 - 阿賀~母里間の支線を休止。
- 1944年(昭和19年)10月31日 - 伯陽電鉄と広瀬鉄道が合併し、山陰中央鉄道となる。前者は法勝寺線・後者は広瀬線となる。
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 広瀬線を島根鉄道(後に一畑電気鉄道に合併)として分離。
- 1953年(昭和28年)9月15日 - 日ノ丸自動車が山陰中央鉄道を吸収合併。同社の法勝寺電鉄線となる。
- 1959年(昭和34年)9月17日 - 休止中の阿賀~母里間を廃止。
- 1967年(昭和42年)5月15日 - 米子市~法勝寺間全線廃止。
[編集] 駅一覧
※廃止直前のデータ。
米子市駅 - 長砂駅 - 宗形神社前駅 - 安養寺駅 - 青木駅 - 大袋駅 - 手間駅 - 天津駅 - (阿賀駅) - 大国駅 - 法勝寺駅
支線:阿賀駅 - 原駅 - 猪小路駅 - 母里駅
[編集] 接続路線
[編集] 保存車両
米子市元町商店街パティオ広場には法勝寺電鉄線で使われたフ50形客車が2001年から保存展示されている。この客車は法勝寺電鉄線廃止後、米子市内の湊山公園で保存展示されていたが荒廃が激しくなったため、2000年に「大正ロマン電車保存事業」として修復が行われた。当初1922年(大正11年)製とされていたが、この際の調査で実は1887年(明治20年)英国バーミンガムで製造され、関西鉄道が1889年に輸入した日本国内現存最古の木造2軸客車であることが判明。その後国鉄、出雲鉄道(のちの一畑電気鉄道立久恵線)を経て1941年に伯陽電鉄に入線したものである。
また、1922年日本車輌製、元駿遠電気20形・池上電気鉄道乙2のデハ20 3号電車が南部町立西伯小学校で保存されている。
[編集] 関連項目
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