日産・プレジデント
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プレジデント(PRESIDENT)は日産自動車が製造・販売するセダン型の最高級乗用車。
日産のフラッグシップモデル。最大のライバル車はトヨタ・センチュリーであり、主に公用車や社用車として使われる。
購入の際、審査を必要とするセンチュリーとは異なり、予算が確保できれば購入は可能でありカタログも容易に入手可能である。
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[編集] 歴史
[編集] 初代 150型(1965年~1973年)
- 1965年10月 150型プレジデント登場。
- セドリック・スペシャル(50型、1963年2月登場)の後継車種であり、当時の国産乗用車の中で車体、エンジン共に最大サイズであった。
- 搭載エンジンはY40型V型8気筒OHV3988ccおよび直列6気筒3000ccの2種類。
- 前輪タイヤとフロントドア間の側面下部、及びトランク部扉の「V8」のエンブレムが印象的である。
- 当時、佐藤栄作首相の公用車としても納入された。
[編集] 2代目 250型(1973年~1990年)
- 1973年8月 250型にモデルチェンジ。
- 搭載エンジンはY44E型V型8気筒OHV4414cc。3000ccタイプも用意された。このV8 4.4リッターエンジンをベースにチューンしたエンジンはボブ・シャープの手によりIMSAに出場するDatsun 280ZXに搭載されたことがある。
- 1977年8月 マイナーチェンジにより最高級グレード「ソブリン」追加。
- 1982年11月 マイナーチェンジ。ラジエータグリルの意匠変更、角型4灯ヘッドランプの採用の他、内装ではインストを一新。ガソリンタンクの容量を95Lへ拡大し、リアサスペンションをパナールロッド付4リンク+コイルスプリングに変更。その他、装備・仕様を向上。
- 1983年8月 マイナーチェンジ。CI導入に伴う日産マーク変更のみ。
- 1985年1月 「ソブリン」を超える最高級グレード「ソブリンVIP」設定。
- キャッチコピー:世界を動かす人のために。
[編集] 3代目 JG50・PG50(1990年~2002年)
- 1989年10月 JG50型プレジデントを東京モーターショーに出展。
- 1989年11月に登場した「インフィニティQ45(G50型)」をベースに、ホイールベースを延長、ラジエータグリルを持つ専用フロントマスクとされ、インフィニティQ45の上級車種として設定。搭載エンジンはVH45DE型V型8気筒DOHC4494cc。インフィニティQ45と同エンジンであるが、法人向けとしての性格上、特性が変更されている。
- 1990年10月 発売開始。グレードは油圧アクティブサスペンションの標準車とV仕様、マルチリンクサスペンションのD仕様が用意された。
- 1993年 オーテックジャパンの手による「ロイヤルリムジン」が追加。生産は高田工業が受託していた。
- 1993年2月 公用・社用車ではなく個人購買層を意識し、インフィニティQ45と同じホイールベースを持つ「プレジデントJS(PG50型)」を追加。
- 1993年4月 左側後部座席用のエアバッグ装着車を設定。これは助手席の背面にエアバッグシステムを装着し、後部座席の搭乗者を助けるというもの。それ故助手席シートはスライド量が少なくなり、リクライニング機能もなくなる。同時に助手席エアバッグもオプション設定されたが、後席エアバッグとの同時装着はできなかった。
- 1994年5月 マイナーチェンジ、外観ではフォグライトやメッキモールの採用、フロントグリルやリヤコンビネーションランプの意匠変更が主な変更。また、内装では新たに木目調パネルが採用された。250型に設定されていた最高級グレード「ソブリン」が復活。V仕様は廃止され、D仕様はタイプDに名称変更された。
- 1998年12月 マイナーチェンジ。各メッキパーツの手直しが行われ、キセノンヘッドランプが装備された。ナビゲーションシステムも刷新され、コンパスリンク対応のマルチAVシステムとなった。(オプション設定)また、後席エアバッグが廃止され、代わりにY33型シーマにも採用されていた後席サイドエアバッグを全車標準装備とした。
- 2002年12月、JG50型生産終了。1年弱の間、「プレジデント」の名は一旦途切れることとなった。
[編集] 4代目 PGF50型(2003年~)
- 2003年10月 PGF50型プレジデント登場。
- 2001年1月に登場した「シーマ(F50型)」とコンポーネンツを同一とする上級車種として登場。搭載エンジンもシーマと同様のVK45DE型V型8気筒DOHC4494cc(280ps)を搭載する。外見上の違いとしてはフロントグリル、フードマスコット、リアのナンバープレート位置など。
- グレードは「ソブリン5人乗り」と「ソブリン4人乗り」の2種類のみ。4人乗りにはセダンとしては初めて助手席格納シートが装備された(5人乗りにもオプション設定)。また、後席VIPパックとしてバイブレーター付きリラックスシート、後席テーブル、後席乗降グリップがセットで装備される。このような装備の差で4人乗りは5人乗りより約100万円も高い。後席モニター(アームレストにはビデオ入力装備)、後席DVDプレーヤー、BOSEサウンドシステム(8スピーカー)、後席コントロールスイッチなど他の車でオプション設定される様な装備が全て標準装備されている。
- 後席VIPパック装着車は後席を優先したものなので、助手席パワーオットマン機構や助手席アクティブヘッドレストは装備されない。
- 「ソブリン」エンブレムは先代から唯一流用されたパーツであり、フェンダーにグレードエンブレムが装備される日本車は現行モデルではプレジデントのみである。