木崎湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
||||
---|---|---|---|---|
所在地 | 長野県大町市 | |||
面積 | 1.4 km² | |||
周囲長 | 6.5 km | |||
最大水深 | 29.5 m | |||
平均水深 | 17.9 m | |||
貯水量 | 0.025 km³ | |||
水面の標高 | 764 m | |||
成因 | 構造湖(断層湖) | |||
淡水・汽水 | 淡水 | |||
湖沼型 | 中栄養湖 | |||
透明度 | 4 m |
木崎湖(きざきこ)は、長野県大町市にある、仁科三湖のうちのひとつで、最も南側に位置する湖である。
目次 |
[編集] データ
- 面積:1.40km²
- 周囲長:6,500m
- 最大水深:29.5m
- 湖面標高:764m
[編集] 地理
糸魚川静岡構造線による地溝上に出来た構造湖で、西側には北アルプスが控えている。 流入河川は青木湖、中綱湖を経て来る農具川および稲尾沢川で、流出河川は農具川で高瀬川へ至る。
[編集] 観光
近隣の葛温泉から引湯をしている木崎湖温泉を擁し、湖周辺には割烹旅館だるまや本店などいくつかの旅館や民宿が軒をつらねている。 湖畔には総合温泉施設ゆーぷる木崎湖があり、木崎湖温泉のお湯をふんだんに使ったさまざまなお風呂や温水プールを利用できる。
冬にスキー客でにぎわう白馬村に近く、木崎湖の近くにもヤナバスキー場があり、冬は多くの観光客が訪れる。また、立山黒部アルペンルートにも近く、黒部方面を利用する宿泊客も多い。
春の木崎湖はそれ自体に見所はあまりないが、湖からほど近い居谷里湿原では様々な植物が見ごろをむかえる。 夏の観光地・避暑地としても利用され、6月には蛍が飛び交い、美しい自然に触れることができ、8月には木崎湖花火大会が催され、多くの人出がある。夏季の木崎湖は一様にバス釣り・ヨット・水泳・キャンプを目的とした人々が訪れ、多くは木崎湖キャンプ場や海ノ口キャンプ場が利用されている。 秋以降は閑散とした雰囲気になるが、ワカサギ釣りなどで湖面にはボートが浮かぶ。11月頃は周辺の山々も紅葉して色づき、特に気温の下がった早朝には霧が発生し、長野県の乾燥した気候とあいまって、湖+霧+紅葉+青空のコントラストが見事である。
また特に釣り客は、木崎湖にしかいない幻の魚「木崎マス」を追い求めて訪れる人もいる。
湖畔にはスポーツ施設があり、スポーツ合宿の地としても利用されている。
[編集] 漁業
コイ、フナ類、ワカサギなど。 近年ブラックバスの定着が問題になっている。
[編集] 木崎マス
サクラマスの陸封型であるヤマメと、サツキマスの陸封型であるアマゴが自然交配したもの。
信濃川-千曲川-犀川-高瀬川-農具川-木崎湖 に分布していたヤマメに、明治時代に持ち込まれたアマゴが自然交配して作出されたものである。幼魚はヤマメと酷似し、アマゴに特有の朱班は少ない。ほぼ隔絶された湖という環境に生育する為か、多くの個体は銀化(ぎんけ)してしまい、淡水に生息するマス類に多く見られるパーマークは生育の一時期にのみ見られる。大きなものでは60cmまで生育する。1980年頃までに乱獲によりその姿を見る事は稀であったが、90年代後半以降は漁協による繁殖・稚魚放流が開始され、その後魚影は安定している。身は赤味を帯びており、美味である。
[編集] 水質
仁科三湖は自然が多く残されているが、その中でも最も開発が進んでいる木崎湖は富栄養化も進んでおり、1988年から1993年まで毎年淡水赤潮が発生するほどに水質が悪化した。 このために水質保全が始まりその後は徐々にではあるが水質が改善し、1998年を最後に赤潮は発生していない。
また、木崎湖の水はかなり水温が低く、夏の最も暑い時期にでさえも、すでに水面下数十センチほどのごく浅い場所から冷水のような冷たさを保っている。ちなみに、ごく浅い湖底にもかなり背の高い水草が群生しており、木崎湖で水泳をする際は、低水温による心臓発作や、湖底の藻に足をとられて溺れないように十分注意する必要がある。
[編集] その他
[編集] 映画のロケ地
「白線流し」「男はつらいよ」「犬神家の一族」などの映画のロケ現場にもなったことで知られる。「犬神家の一族」はリメイクされ2007年公開予定。
[編集] アニメファンによる「聖地巡礼」
映画やアニメ、漫画、小説などの作品の舞台を訪れる事を俗に「聖地巡礼」と呼ぶ。木崎湖の周辺は2002年1月から3月にかけてWOWOWで放送された、おねがい☆ティーチャーおよびその第二シリーズおねがい☆ツインズにおいてその舞台となった。アニメ内における描写は木崎湖とその周辺を忠実に再現しているため、放映後、この地を訪れるファンが増えた。その数の多さに地元新聞社も取り上げるほどであり、今なおこの地に足を運ぶファンは絶えない。放映開始当初から現在も一年を通してファンの「巡礼」が続いており、地元観光関係者の思わぬ「特需」となっている。地元の住民や商店主、観光関係者などは訪問してくるアニメファンのマナーがおしなべて良かったことも手伝い、一様にこのアニメファンたちを歓迎しており、同じく舞台となった海ノ口駅では地元住民が記帳台を作ってくれたほどである。その他にもアニメの舞台として使われた商店などでは、アニメの世界観を積極的に取り入れているところもあり、ファンの憩いの場となっている。またアニメのスタッフやキャストも実際にこの湖を訪れている。 特に、おねがい☆ティーチャーのオープニングシーンとなった木崎湖の桟橋は、主役の「風見みずほ」に由来し「みずほ桟橋」と呼ばれている。また、辺にあるボートハウスでは卵カレーの黄身がサブキャラクターの「まりえ」に似ていると、ファンが「まりえカレー」と呼ぶようになったが、実際にそのように注文しても卵カレーが出てくるほど浸透している。