林海峰
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林海峰(りんかいほう 1942年5月6日-)は囲碁のプロ棋士。上海出身、日本棋院所属、九段。国籍は中華民国(台湾)。
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[編集] 生い立ち
林は日本に留学経験のある中華民国の外交官の9人兄弟の末っ子として、1942年に上海に生まれた。国民政府の官吏の家だった林家は、国共内戦で蒋介石の率いる国民政府が敗れたときに、台湾に移った。彼の父は無類の碁好きで、林は父が友人達と碁を打つのを見て自然に囲碁を覚え、めきめきと上達し台湾の少年囲碁大会で優勝して、天才少年として注目された。 彼が10歳だった1952年に、台湾を訪れていた呉清源に指導碁を打ってもらう機会に恵まれ、六目を置いて結果は一目負けとなったが、呉に才能を認められ来日した。
[編集] 経歴
1953年東京本院院生。1954年関西総本部院生。1955年入段(12歳)。1967年九段。 1965年に坂田栄男名人本因坊を破り史上最年少で名人位を獲得。1968年には坂田栄男本因坊を破り、史上二人目の名人本因坊になるなど、早くから才能を発揮して活躍した。1989年より5期連続して天元位を獲得して、名誉天元を名乗り、現在(2006年)も棋士の第一線の地位を維持している。名人リーグに35年連続を含む39期在籍、囲碁界において今後も破られそうにない記録のひとつとされる。門下に張栩らがいる。
[編集] 主なタイトル
- 本因坊 1968-70, 1983-84(通算5期)
- 名人 1965-67, 1969, 1971-73(旧), 1977(新)(通算8期)
- 十段 1975
- 天元 1989-93(名誉天元)
- 王座 1973
- 碁聖 1994
- 世界囲碁選手権富士通杯 1990
- NHK杯 1970, 1974, 1978
- NECカップ囲碁トーナメント戦 1990
- プロ十傑戦、早碁選手権戦、鶴聖戦優勝3回など。
[編集] その他
- 著書「コウは怖くない」他多数
- 2005年 紫綬褒章