桂塩鯛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
桂 塩鯛(かつら しおだい)は上方落語の名跡。本来の表記は「鹽鯛」。現在は空き名跡となっている。
「塩鯛」の名跡は、元々、初代桂文團治の俗称で、奥目であったことから付いたあだ名。俗称ではあるが、初代文團治門下には「鯛蔵」「鯛團治」「鯛助」など、「鯛」字が付く弟子が多数いる。
- 桂塩鯛(? - 1943年3月15日)は、初めて「塩鯛」を正式に名乗った上方噺家。初め笑福亭勝鶴門下で勝壽。1899年1月の神戸湊亭が初高座。次に初代笑福亭福松門下で福壽。次に3代目笑福亭松鶴門下で萬歳。次に2代目桂米團治門下で2代目桂米紫。互楽派では「しゃち丸」を名乗り、1919年頃に塩鯛を襲名。本名は岡本蜜太郎。享年不詳。
なお、『落語系圖』では、この塩鯛の名跡に関しては代数を振っていない。初代塩鯛が、あくまでも初代文團治のあだ名扱いであったことによると思われる。
また、1929年に騒人社書局より出版された『名作落語全集』所載の『米揚げ笊』速記によると、岡本蜜太郎の塩鯛は3代目を名乗っている。これは2代目文團治を2代目塩鯛として代数に勘定したものであろう。ただし、2代目文團治が塩鯛の名跡を名乗ったことがあるのかどうかは不詳。
[編集] 出典
- 『落語系圖』(月亭春松編)
- 『古今東西落語家事典』(平凡社、1989年)