橘右京
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橘右京 プロフィール
橘 右京(たちばな うきょう)は、テレビゲーム『サムライスピリッツ』シリーズに登場する、架空の人物。
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[編集] 概要
- 居合の達人。肺を患っており、余命いくばくもない。そのために勝利ポーズなどで吐血しつつも、ほぼシリーズ全作品に登場している。
- 外見的にはルパン三世の石川五ェ門、イメージ的には覇王丸とセットで静と動という対もあり宮本武蔵に対しての佐々木小次郎がモデル(「ツバメ返し」と言う必殺技を持つのもおそらくここから)。肺病については沖田総司を思わせる。また製作スタッフが覇王丸のモチーフとして手塚治虫作品の『どろろ』の主役を挙げているが、この作品には寡黙で物事を詩で表現し黒塗りの鍔無し刀の持ち主で、右京のモチーフと推測できる登場人物も登場する(髪形も同じ)。
- 上記の通り当初覇王丸のライバル的キャラであったが、名ばかりのライバルでストーリー上全く覇王丸と関わらず、その役目は牙神幻十郎に奪われる。おまけに『天草降臨』で設定されたライバルキャラは覇王丸ではなく千両狂死郎であった。
- 小田桐圭という女性に、叶わぬ恋と知りながら思いを寄せていたが、彼女の結婚を機に身を引く。初期の作品では彼女に「究極の花」を捧げるためにそれを探していた。初代『サムライスピリッツ』では圭に花を届けているが、これはカトレアという事になった。
- このように小田桐圭が彼の戦う目的になっている事があるが、時には師匠や同門の人間の仇を討つため、あるいは友を止めるために戦うなどの一面も持つ。『武士道列伝』でも柳生十兵衛が殺された際に怒りをあらわにしている。
- 基本的に悲恋なのだがシリーズによっては小田桐圭と結ばれたりする(純粋に2D作品限定であるならば決して矛盾はしない)
- リンゴを持っており、一部の技を繰り出す際に取り出して使う(ゲーム上の都合ではあるが、いくらでも出せる)。作中の時代は日本にはリンゴは存在しないと思う人もいるだろうが、鎌倉時代に中国から伝来した「和林檎」というものがあるので一応矛盾はしない(とは言っても、サムライスピリッツ自体、史実と合わせると矛盾する設定が多い)。なお、右京が使うリンゴは出身地である近江産のものである。実際の居合においては斬撃を行う際相手の目線をそらし確実に仕留めるため何らかを投げることがある。
- 『サムライスピリッツ零』では同門にして師の子である黒河内夢路が登場。『斬紅郎無双剣』などでの羅刹右京と同じ技を使う他、幻術を会得している(これを応用し、他のキャラに変身して攻撃を行うことも。右京にも変身する)。
- テレビアニメ『サムライスピリッツ 破天降魔の章』では、エンディングに少し登場するだけ。ボスの天草を含めた初代のキャラクターが全員登場する中、本編に登場しないのは彼だけである。
- 容姿端麗で勝利ポーズでは女性のおっかけが登場することもある。
- 『KOF完全読本』に収録された「美形会議」では、サムライスピリッツの美形キャラとして登場。何かと血を吐いてはアンディとロバートの二人が「右京さんに謝れ!」と八神庵を責めるのが定番となっている。また、たまに出てくる「空気読め!」は会議の名台詞となっている。なお、「Days of Memories ~大江戸恋愛絵巻~」にて登場した際、この美形会議を元ネタにしたらしき会話のやり取りが見られた。
[編集] 神夢想一刀流について
- 右京及び夢路の流派「神夢想一刀流(じんむそういっとうりゅう)」は、その実在が確認されている。有名な使い手は、幕末の会津藩士・黒河内伝五郎兼規。ただし、実在の神夢想一刀流は居合の流派ではなく、また伝五郎はこれとは別の居合術「神夢想無楽流」も修めていた(その他にも様々な武術を修めている)。サムライスピリッツにおける「神夢想一刀流」は、そのために混同したものかと思われる。
- また、伝五郎は女性と見紛う容姿とも伝えられており、夢路のキャラクター造形に影響を与えたと思われる。
- ちなみに右京の師匠(=夢路の父)の名は黒河内左近といい、実は伝五郎の3代前に当たる人物と同名である。
[編集] 必殺技
[編集] 通常の必殺技
- 秘剣 ツバメ返し(『真』までは「秘剣 つばめ返し」)
- 空中で抜刀しての炎を纏った斬撃。『真』までは斬撃とともに燕型の飛び道具が飛んでいった。
- コマンドを工夫する事でジャンプの出がかりで発生し、対空技や見切りにくい中段技として使うことができ、プレイヤーの間ではそうした使用法をするのが一般的となっている。
- 後に『天下一剣客伝』で夢路もこの技を「秘剣 草蛍」として使う。ただし刀に攻撃判定はなく、飛び道具だけを飛ばす。
- 秘剣 ささめゆき
- リンゴを投げた後、抜刀・納刀を繰り返しつつ連続斬撃でリンゴと共に相手を切り刻む。
- 非剣 ささめゆき
- リンゴを投げるだけのフェイント技。
- 秘剣 ささめゆき・閃
- ささめゆきのバージョン違いで、連続斬撃が相手をロックする(簡単に言えば「龍虎の拳」のリョウ・サカザキらの必殺技「暫烈拳」の刀版)。
- 「斬紅郎無双剣」、「天草降臨」では羅刹を選択すると使える。
- 夢路もこの技を使う。こちらの場合、リンゴではなく柿を投げてから攻撃する。
- 残像踏み込み斬り(秘剣 朧刀〔おぼろがたな〕)
- その場に残像を残しつつ踏み込み斬りつける技。『斬紅郎無双剣』で「秘剣 朧刀」と名を改めるが、『零』で元に戻っている。
- RPG版である『真説サムライスピリッツ 武士道烈伝』では一撃目が「閃(せん)」、二撃目が「光(こう)」、三撃目が「霞(かすみ)」という名称である。
- 秘剣 天つ風〔あまつかぜ〕
- 秘剣 霜風〔しもかぜ〕
- 刀に手をかけた構え(「天霜の構え」)から、飛び込み斬り(天つ風)か踏み込み下段斬り(霜風)を決める技。
- 『斬紅郎無双剣』やポリサムの「修羅」の技で、最初の構えで待機している時間が長いほど高威力になる。
- 『天下一剣客伝』でも追加されたが、相手の攻撃を受ける事で反撃する当て身打ち技に変更されている。
- 秘剣 夢霞〔ゆめがすみ〕
- 鞘を構え、相手の攻撃がくると受け止め(武器を使った攻撃のみ)弾き飛ばし、その隙に一閃する技。威力が非常に高い(体力の半分近く)。
- 『斬紅郎無双剣』で羅刹を選択すると使える。
- 秘剣 陽炎〔かげろう〕
- 居合い斬りとともに三日月形の飛び道具を飛ばす。発生が遅いが、作品によっては発射後すぐに動ける。
- 『斬紅郎無双剣』、『天草降臨』で羅刹を選択すると使え、夢路もこの技を使う。
- 雲雀〔ひばり〕
- 刀の柄で鳩尾の辺りを突き、相手をよろけさせる技。「羅刹」の技。
- 『零』以降は踏み込み弱斬りのモーションになっている。
- 秘剣 神送り〔かみおくり〕
- 『天下一剣客伝』での新技で、瞬時に超長射程の居合い斬りを繰り出す。間近の相手には当たらないようになっている。
- 「月華の剣士」に登場する御名方守矢の「逸刀・朧」などに似ており、よく例えられる。
[編集] 武器飛ばし技、絶命奥義、秘奥義
- ツバメ六連
- 飛び込んで相手に「ツバメ返し」を連続で6発喰らわせる武器飛ばし技(簡単に言えば「ツバメ返し」の強化版)。
- 作品によっては、相手に斬りかかるまでのモーションが長いことも。
- 『~侍魂~』では「ツバメ返し」の回数がさらに増加した「飛燕十刃〔ひえんとおじん〕」という秘奥義がある。
- 夢想残光霞〔むそうざんこうか〕
- 素早く突進してすれ違いつつ瞬間で無数の斬撃を決め、納刀すると相手が時間差で複数の傷を受ける武器飛ばし技。
- 『斬紅郎無双剣』、『天草降臨』では羅刹を選択すると使える。『零SPECIAL』では絶命奥義で、決めると一句詠むおまけつき。
- 『武士道烈伝』では弱体版に「夢想残影香」が、強化版に「夢想闇沈香」が存在する。
- 夢路もほぼ同様の武器飛ばし技を使うが、技名は「神夢想一刀流奥義 御神薙」。右京との違いは、納刀する時に相手が時間差で受ける傷の数が異なるだけである。
- 秘剣 神荒れ〔かみあれ〕
- 『天下一剣客伝』での秘奥義で、神送りを連発する。こちらは間近の相手にも当てる事が出来る。
- これも御名方守矢の「活殺・十六夜月華」に似ているが、そちらも元々右京の「秘剣 ささめゆき」に似ていると言えなくもない技である。