黒河内夢路
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黒河内夢路 プロフィール
黒河内 夢路(くろこうち ゆめじ)は、テレビゲーム『サムライスピリッツ』シリーズに登場するキャラクター。
(声優:斎賀みつき)
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[編集] 概要
- 橘右京の師、黒河内左近の子。幼い頃から父である左近に剣術(居合)を教わり、徐々にその天武の才を発揮するが、15歳のときに身体的な問題で家を追われることとなる。それから3年後、兇國日輪守我旺に出会い、彼の臣下となる。我旺の命により、彼のために集う剣豪を探し回る。
- このキャラは、容姿、声からして女性だと思われるのだが、プロフィール上の関係及び『零』のストーリーにも記載されている上記の生い立ちなどからして、性別不詳ということになっている。このことが、ファンの間で論議されているにも拘らず、SNKプレイモアからは未だに性別がどちらなのかは公表されていない。
- 刀は右京と同様に自作で名前も付けていない。また、その刀や鞘の形、さらには見た目や動作までも、右京のものと似ている、というコンパチぶりである。なおゲーム上ではわからないが、実は、右京より背が低い(夢路は5尺7寸、右京は5尺8寸である。ちなみに、覇王丸は夢路と身長が同じである)
- 初登場となる『零』では中ボスとして登場。右京の羅刹用の技に加え、幻術まで駆使する(体得した経緯は明らかにされていない)。この幻術は、作品内の他のキャラ(覇王丸、ナコルル、リムルル、牙神幻十郎、シャルロット、橘右京、徳川慶寅、柳生十兵衛、千両狂死郎、服部半蔵)に変身し、そのキャラの一部の技を使う、といったものである。右京にも変身し、この時は彼の必殺技である「秘剣 ツバメ返し」を使う。一部の幻術は変身中、解除中とも無敵時間があり、かなりの猛威を振るった。プレイステーション2版ではプレイヤーキャラとしても使え、プレイステーション2版用に書き下ろされたストーリーがある。マイナーアップバージョンの『零SPECIAL』には登場していないが、『天下一剣客伝』で再登場する。
- 『零』の頃は、我旺に心酔していた。そのためか、我旺からは「如何に小さな禍根であろうと断て。」との命令を受けており、彼に逆らうならば子供であろうと容赦しなかった。ストーリー内では、夢路によって殺された武士であった父親の仇を討とうとした子供を、夢路は斬り殺している。
- 『天下一剣客伝』では、一介の剣客として御前試合に参じたのことで幻術を使うことはないが、幾つか新技が追加されている。その一方、羅刹丸から追われる身ともなっている。『零』の羅刹丸EDで羅刹丸の首を斬っており、魔界の住人だったために首を治すことができた羅刹丸は、かなり頭にきている模様。
- 両親に厳しくしつけられたのか、『零』の時から相手に対しては敬語を使う(怒ると、少し荒れ気味の口調になる)。それが癖になってしまっているのか、シリーズ内でプレイヤーキャラとして出てくる動物キャラに対しても敬語で話しかけてしまう。ゆえに、『零』でのパピィとの対戦前のやり取りでは、パピィは“ワンワン!”と吠えているだけなのに、何故かパピィが伝えたいことを日本語に訳して理解している。なお、『天下一剣客伝』ではパピィの事を「犬殿」と呼ぶ。シクルゥ&ママハハに対しても「狼殿,鷹殿」と呼びかける。同じ理由で、パクパクの事は「猿殿」と呼ぶ。
- モデルは実在の神夢想一刀流の使い手、幕末の会津藩士で女性に見紛う容姿とも伝えられた黒河内伝五郎兼規であると思われる。神夢想一刀流については「橘右京」の欄を参照。
- ちなみに、何故か母親と髪型が一緒である。
[編集] 技一覧
[編集] 通常技、特殊技
- (正式名称不明)
- 小ジャンプで、しゃがみ強斬り(あるいは右京の「秘剣 ツバメ返し」)のように刀を振り下ろす特殊技。『零SP』までの右京の「不意打ち」と同様のものである。
[編集] 必殺技
- 秘剣 陽炎〔かげろう〕
- 居合の構えで気を練り、素早く抜刀して三日月形の飛び道具を発生させる。発生は遅いが、飛び道具としての突進スピードは結構速い。遠距離での牽制や起き攻めに向いている。
- 秘剣 ささめゆき・閃
- 右京が使う「秘剣 ささめゆき」の性能違い。右京と同様に果物(この場合は柿)を投げた後に連続で斬撃するが、斬撃がヒットすると相手をロックする。強斬りの場合でヒットすると23斬り喰らわせることができる。ガードされた場合、刀を納めているときが最大のスキ(強斬りの場合は結構長め)となるので、使いにくいことが多いが、攻撃中に相手はガードしかできないので、相手の体力が残り少なくなってきたときに使ってみるとよい。ただ、『天下一剣客伝』では、剣スピリッツの場合だと、完全ガードからのガードキャンセルをされてしまう場合があるので注意したい。
以下は『零』のみで使用可能である幻術技。
- アンヌ ムツベ
- ナコルルに変身して行う下段突進技。対CPU夢路戦では使用数が最も多い技だが、いつ仕掛けてくるのかもわからないので反応しづらい。
- 三連殺
- 牙神幻十郎に変身して行う突進技。対CPU夢路戦では「アンヌ ムツベ」と同様に使用数が最も多い技でもある。終わり際に幻十郎と同じく“猪鹿蝶”と言う。連続コマンドではないので、1コマンドで全部自動で行い、ヒットすると威力もかなりのものだが、ガードされると反撃される。
- モズ落とし
- 服部半蔵に変身して行う投げ技。対CPU夢路戦では、近距離攻撃をすると仕掛けてくる。また、変身中・解除中に無敵時間があり、例え近距離で攻めまくったとしても、これを利用して投げられて切り返されることもある。そういうことが度々あるので、対CPU夢路戦では一番猛威を振るう技であると思われる。また、無敵時間中は投げも効かない。
- 弧月斬
- 覇王丸に変身して行う対空技。夢路が行う弧月斬は強斬りバージョンなので、ガードされると大きなスキが生まれる。
- 跳尾獅子
- 千両狂死郎に変身して行う打撃技の一種。槍を体の支えにして、全身を炎に纏いながら蹴りを出してくる。近距離で当たり、ガード状態ならば結構削れる。
- バイオネットラージュ
- シャルロットに変身して、とてつもなく長いリーチの突きを放つ飛び道具の一種。牽制に使える。対CPU夢路戦では、無駄に飛び込むと、これを仕掛けられることが多い。
- ルプシ カムイ ウェイサンペコル
- リムルルに変身して行う突進技。リムルルのとは違い、いきなり前宙の状態で飛び込んできて尻餅をつく。対CPU夢路戦では、近距離での接戦中に割り込みとして使われることが多い。
- ツバメ返し
- 右京に変身して行う打撃技。オリジナルは空中で出す技だが、この場合は地上でのみ変身できるようになっているため空中では繰り出せない。変身後の突進速度が緩やかでガードされることが多く、あまり使う機会がない。そのためか、対CPU夢路戦でも使われることが滅多にない。
- 心眼刀
- 柳生十兵衛に変身して行う当て身打ち技。成功時のセリフは“小童ですね”と十兵衛と夢路の口調が混じったものである。これも対CPU夢路戦での使用頻度は低い。
- 椿
- 徳川慶寅に変身して行う突進技。このときのカラーは物凄く毒々しい配色になる。対CPU夢路戦では全くと言っていいぐらい、あまり出してこない。
以下は『天下一剣客伝』で追加された新技。
- 秘剣 草蛍〔くさぼたる〕
- 分かりやすく言えば、夢路版「秘剣 ツバメ返し」だが、初代や『真』の右京のように燕型のような飛び道具を放つ。振り下ろす剣自体には攻撃判定がなく、この飛び道具だけに攻撃判定が存在する。幻術技の「ツバメ返し」とは違い、こちらは空中技となっている。退き込み(バックステップ)中での入力が可能となっており、牽制として使える。また、投げで崩した後の起き攻めにも使える。
- 秘剣 泡影〔ほうよう〕
- 特殊な突進技。見た目は『零』で使った幻術動作を思わせるような感じである。押すボタンによって、動作が異なる。弱斬り版は一瞬消えて素早く相手の前に詰め寄り、柄を打ちつける。中斬り版は弱斬り版同様に移動し、相手を斬りつける。強斬り版は素早く相手の後ろに回りこんで斬りつける(ちなみに、右京も『零』以降の踏み込み(ダッシュ)中斬りが同様の動作となっている)が、あまり距離が離れていると回り込めず隙を作る。
- 口伝 雪風巻〔ゆきしまき〕 -露花〔つゆばな〕-
- 対空系の技。刀を素早く抜いてすぐに納めると、斜め上方に伸びる剣閃が発生する。一連の動作は右京の「秘剣 神送り」に似ている。連続技に組み込めるが、しゃがんでいる相手には当たりにくい。
- 口伝 雪風巻 -霙花〔みぞればな〕-
- 露花からの派生技。剣閃がさらに斜め上方へと伸びる。
- 口伝 雪風巻 -霰花〔あらればな〕-
- こちらも露花からの派生技。剣閃が途中で斜め下方に方向転換する。
- 口伝 雪風巻 -鉤草〔かぎぐさ〕-
- 雪風巻の下段版。露花とは違い、地面すれすれに剣閃が発生する。連続技にはこちらの方が安定して組み込める。
- 口伝 雪風巻 -鋏草〔はさみぐさ〕-
- 鉤草からの派生技。剣閃が途中で斜め上方に方向転換する。
- 口伝 雪風巻 -鏑草〔かぶらぐさ〕-
- こちらも鉤草からの派生技。剣閃がさらに前方へと伸びる。
なお、「口伝 雪風巻」の初出は『零』の公式サイト[1]に掲載されている小説『サムライスピリッツ零~黄泉の黎明~』である。
[編集] 武器飛ばし技、秘奥義
- 神夢想一刀流奥義 御神薙〔みかなぎ〕
- 夢路版「夢想残光霞」で武器飛ばし技。ヒットすると、高速で相手の周囲を回りながら何度か斬りつけて、最後に刀を納めた瞬間、時間差によって相手が大きな傷を受けてスローモーションで浮く。『零』と『天下一剣客伝』での違いはないが、『天下一剣客伝』では入力成功後は画面が一瞬止まるためか、刀を回しながら鞘に入れて、居合の構えを一瞬だけ取るという動作がある。また、この時の台詞は聞きづらいが、“お覚悟、よろしいか!?”と言っている。連続技に組み込みやすい。また、ガードされたときのスキは大きい。
- 秘奥義 垣神〔かきがみ〕
- 『天下一剣客伝』に登場した新技。その名の通り秘奥義で、「口伝 雪風巻」の強化版。「口伝 雪風巻」を一度繰り出し、さらに上・中・下段と派生させる。連続技に組み込みやすいが、こちらもガードされるとスキが大きく出てしまう。