洛陽
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河南省内の洛陽の位置(オレンジ色) |
洛陽市(ルオヤン、らくようし、簡体字表記:洛阳市、ピンイン:Luòyáng)は、中華人民共和国河南省西部の地級市(地区クラスの市)。総面積15,208km2、うち区部の都市面積544km2。総人口は615万人、うち都市人口140万人。
なお日本の京都市を洛陽と呼ぶことがあるが、この都市にちなんだものである(平安京の右京を長安、左京を洛陽に例えたが、右京が衰退して左京のみが京都の街として残った経緯があるためである)。
目次 |
[編集] 歴史
しばしば中国王朝の首都となった。東周の時期、洛邑(らくゆう)と呼ばれ首都となったことに始まり、後漢・曹魏・西晋・北魏・隋・後唐の首都となった。
洛陽の名前は洛水の北側に造営されていたことから来ている(風水では河の北側が陽になる。)。漢の洛陽城はその名の通り北側にだけ作られていたのだが、隋唐になると河の南側にも作られている。
493年、北魏が首都を洛陽に移したころから建築がはじまった龍門石窟は洛陽の郊外にある。この頃から唐中期まで、およそ30000体の仏像が石窟の中に作られた。これは、2000年にユネスコの世界遺産に登録された。
[編集] 地理
河南省西部にあり、黄河の中流にある。黄河・洛河・伊河・澗河・瀍河が領域内を流れる。東に虎牢関、西に函谷関、北に邙山、南に伏牛山がある。中岳嵩山も隣接する。黄河の渡河点にあたり、また支流である洛河との分岐点にもあたるため、古くから、兵家必争の地であり、歴代の帝王が、都を建てようと考えた土地でもあった。
洛陽市の気候の特徴は、四季がはっきりわかれ、冬は寒くて降水が少なく、春は乾燥し風が多く、夏は、非常に暑く雨が集中して多い。秋には、晴れて日照時間が長い。年平均気温は、14.7℃、年平均降水量は、601.6mmである。
[編集] 行政区画
洛陽市は6区1市8県の行政区を管轄する。
- 澗西区
- 西工区
- 老城区
- 瀍河区
- 洛竜区
- 吉利区
- 偃師市
- 孟津県
- 新安県
- 宜陽県
- 伊川県
- 汝陽県
- 嵩県
- 洛寧県
- 欒川県
[編集] 民族
洛陽市には様々な民族が居住している。あわせて32種類の民族がいる。その中で、漢民族は602万人で、市の人口の98.8%を占める。その他の少数民族は、8万人近くおり、市の人口の1.2%を占める。回族・満州族・モンゴル族が割合と多い。
[編集] 観光
- 龍門石窟
- 洛陽市の南方14kmの竜門山西山にあり、中国の三大石刻芸術の宝庫であり、ユネスコ世界文化遺産にも登録された。
- 白馬寺
- 洛陽市の東方7kmにあり、仏教が中国に伝えられてから最初にできた寺であるとされ、「釈源」・「祖庭」と称えられている。
- 関林廟
- 白園
- 古墓博物館
- 中国最初の地下式の古い墓の博物館である。
- 洛陽牡丹
- 白雲山
- 桜桃溝
- 花果山
- 鶏冠洞
- 風穴寺
- 黄河小浪底ダム
[編集] 教育
- 解放軍外国語学院
- 河南科学技術大学
- 洛陽第一高級中学(日本の高等学校に相当)
- 洛陽で歴史が最も長い中学の1つであり、河南省重点中学である。
[編集] 姉妹都市
- 岡山市(1981年3月提携。2003年3月~2006年3月の凍結を挟み、同年3月から再度提携。経緯については岡山市の姉妹友好都市の項目を参照のこと)。
[編集] 外部リンク
- 洛陽市人民政府公式サイト
- 洛陽信息港(簡体字中国語)
- 洛陽一高 (簡体字中国語)