海事代理士
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海事代理士(かいじだいりし)は、海事代理士法に基づき他人の依頼によって、船舶の登記や登録、検査申請、船員に関する労務、その他海事許認可など、海事法に関する法手続を代行することを業とする者である。司法書士や行政書士、社会保険労務士の海事版といえる。
ナニワ金融道で登場し知られるようになった資格。ナニワ金融道に登場させたのは、当時ゴーストライター的な立場で同作品のネタ元をしていたカバチタレ!の原作者である田島隆。
目次 |
[編集] 受験資格
- 誰でも受験可能。但し、試験に合格しても海事代理士法第3条に定める欠格事由に該当する者はなることはできない。
[編集] 試験
一次試験は9月下旬頃の1日間、小樽市、仙台市、横浜市、新潟市、名古屋市、大阪市、神戸市、広島市、高松市、福岡市、那覇市で行われる。二次試験は11月下旬頃、東京都の国土交通省で行われる。
[編集] 試験科目
[編集] 一次試験 (筆記)
一般法律常識(概括的問題)
海事法令(専門的問題)
- 国土交通省設置法
- 船員法
- 船員職業安定法
- 船舶職員及び小型船舶操縦者法
- 海上運送法
- 港湾運送事業法
- 内航海運業法
- 港則法
- 海上交通安全法
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
- 船舶法
- 船舶安全法
- 船舶のトン数の測度に関する法律
- 造船法
- 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律及びこれらの法律に基づく命令
試験時間:
09:00~10:40 憲法、民法、海商法、国土交通省設置法
10:50~12:00 船員法、船員職業安定法、船舶職員及び小型船舶操縦者法
13:00~15:00 海上運送法、港湾運送事業法、内航海運業法、港則法、海上交通安全法、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
15:10~17:10 船舶法、船舶安全法、船舶のトン数の測度に関する法律、造船法、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律及びこれらの法律に基づく命令
[編集] 二次試験 (口述)
海事法令
- 船舶法
- 船舶安全法
- 船員法
- 船舶職員及び小型船舶操縦者法
[編集] 試験傾向
- 合格率
例年45%前後。
- 合格基準
合格基準は、筆記については総合点が6割以上、かつ受験者の平均点以上。口述は6割以上の得点。
- 出題形式
筆記試験は、正誤選択、語群選択、短答式(空欄補充・小記述)からなる。
口述試験は、テーマにそって試験官が一問一答で質問し、それに答える。
- 出題比率
筆記は正誤選択問題と語群選択問題で、出題数の約半数を占め、その余りが短答式となっている。
- 問題の傾向
基本的に条文の記憶を問う問題ばかりである。一般法律科目については、判例や理論を問う問題も含まれるが、基礎的な判例や基本理論が出題される。専門科目では、主として条文の理解よりも正確な記憶が要求される。また、たまに制度の理解を問う問題も出題されることがあるが、これも深い理解を要求するものではなく、概要を問うものだけのものである。口述試験は、基本的に筆記試験と同じ範囲から問われる。出題傾向は筆記試験とほぼ一緒で条文の正確な記憶ができていれば問題はない。なお、口述という独特の緊張感に耐える練習や専門用語の読み方の正誤などを押さえるという作業は当然必要である。
- 難易度
深い理論が問われたり、法理論の応用問題や論点問題といった、いわゆる考える問題は出題されないので、試験問題そのもの難易度は低いといえる。ただし、要求される暗記量は決して少なくない。また、海事という特殊な業界に特化した資格である上、試験対策本や受験指導校等が極めて少ない。受験環境上のインフラが整っていないため独学するしかなく、その意味では、大変な試験である。
総合的に評価をすれば、司法書士試験や近年の行政書士試験のように難易度の高い試験ではないが、合格率からみるほど簡単な試験ではないといえるだろう。
合格までの期間は、法律の純粋未習者であれば3ヶ月から半年は必要と考えるのが順当である。年輩者等で暗記が苦手な者であれば、1年から2年は必要と考えられる。この点、他資格等で法律を学んだことのある者であれば、1ヶ月以内での短期合格も可能だろう。