西武8500系電車
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8500系電車(8500けいでんしゃ)は、西武鉄道の新交通システム車両である。
軽便鉄道であった山口線の通称「おとぎ列車」を、近代化のために新交通システムとして改めた際に導入された。1985年(昭和60年)4月25日に営業運転を開始した。
三相交流750Vの第三軌条方式で、4両編成3本(12両)が在籍する。製造メーカは新潟鐵工所(現・新潟トランシス)である。
[編集] 概要
1985年に製造されたことから8500系の系列称号を名乗り、車体全長も8,500mmである。西武鉄道および新交通システムでは初めてGTOサイリスタ素子のVVVFインバータ制御を採用し、運転台のマスター・コントローラーも初のワンハンドル式となった。また、大手私鉄では唯一の新交通システム車両でもある。
落成当時、新交通システム車両の主回路はサイリスタ位相制御が主流であり、ゆりかもめ7200系が1998年(平成10年)に登場するまでは新交通システム唯一のVVVFインバータ制御車であった。
2001年(平成13年)より制御装置をIGBT素子のVVVFインバータに更新され、冷房装置などに電力を供給する補助電源装置の静止形インバータ(SIV)についても素子をGTOからIGBTに更新された。
2002年(平成14年)から2003年(平成15年)にかけて登場当初から使用されていた車内自動放送装置を変更し、女性の声が変わった。
車内放送では、遊園地西→西武球場前間でグッドウィルドームの宣伝とともに西武ライオンズの応援歌が流れる。これはプロ野球開催時のみで、通常は流れない。また、かつて夏季にはユネスコ村大恐竜探検館(2006年(平成18年)9月末で閉鎖)の宣伝放送も流れていた。
車内の座席はすべてクロスシートであり、つり革は設置されていない。前面の行先表示器は手動式である。
新交通システムの多くは自動運転であるが、山口線では運転士が手動運転する。