調理師
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調理師(ちょうりし)とは、調理師法に基づき都道府県知事が行う調理師試験において免許を取得した者。名称独占資格(有資格者以外はその名称を名乗れない資格)である。 「コックさん」と日本語で呼ばれるが、英語においてcookとは料理をする人間すべてを指し、資格の有無とは関係がない。職業的な料理人にはフランス語からchef(シェフ)の語を用いることが多い。しかしながらこれは誤用で、本来のフランス語でのchefとは組織の長(英語のチーフchief)の意であり、実際にレストラン内部ではその他の調理人と区別して料理長の事だけを指し示すのに使われる。 フランス語では料理人の事をキュイジニエと呼ぶ。
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[編集] 概要
調理師試験の試験科目は食文化概論、衛生法規、栄養学、食品学、公衆衛生学、食品衛生学、調理理論の7科目。調理師試験に合格すると調理師免許証が交付されるが、免許そのものは都道府県の調理師名簿に名前が記載されることで発効する。 調理師試験の合格者以外にも、学校教育法第47条に規定する者で、厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業した者には、無試験で調理師免許が与えられることになっている。
上位の資格として社団法人調理技術技能センターの実施する厚生労働省認定の調理技術技能評価試験(調理に係る技術審査試験及び技能検定試験)合格者に対する専門調理師・調理技能士がある。調理師以上の資格があれば、都道府県の条例により食品衛生責任者の講習が免除される。
地方自治体の営業許可を取得している飲食店には、食品衛生責任者が必ずひとりは必要である。もしその飲食店が食中毒患者を出した場合、保健所長により飲食店は営業停止処分を命ぜられる。またその際に都道府県知事により免許を取り消される場合がある。免許の取り消しを受けると、欠格期間としてその後一年間は再度試験に合格しても免許を受けることができない。(調理師法第四条、第六条第二号)
調理師のみが可能な業務というのは、実は存在しない。飲食店を開業する際に必要なのは食品衛生責任者資格であり、一定以上の規模を持つ給食施設で設置を義務づけられているのは栄養士あるいは管理栄養士である。正確には、栄養士あるいは管理栄養士がいなくても一定以上の規模を持つ給食施設を運営することは可能だが、その場合は献立を毎月医師に提出してチェックを受けなくてはいけない。調理師は栄養士の必要がない規模の給食施設、飲食店において「設置するよう努めなくてはならない」という努力義務規定が存在するだけなので、調理師にのみ許された権利は「調理師」を名乗ることのみとなる。
なお、ふぐを調理する場合にはふぐ調理師免許が、パンや菓子を作る場合には製菓衛生師免許が、船舶の食堂施設においては船舶料理士免許が必要であり、これらの資格は調理師免許とは区別されているので注意が必要である。
[編集] 受験資格
且つ
だだし、未成年者飲酒禁止法により、満20歳までは調理業務に従事することはできない。
[編集] 試験
- 各道府県で年1回、東京都・神奈川県や京都府・大阪府では年2回、各都道府県の指定場所で行われる。