赤芝ダム
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赤芝ダム(あかしば-)は山形県西置賜郡小国町大字玉川地先、一級水系 荒川本川上流部に建設されたダムである。
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[編集] 概要
赤芝ダムは堤高31.8mの重力式コンクリートダムである。このダムは水力発電を目的としているが、管理しているのは電力会社では無く日本の重電メーカーとして著名な株式会社東芝の系列企業である東芝セラミックス株式会社。赤芝ダムは東北地方唯一の民間企業所有ダムで、荒川水系では初となるダムである。
1928年(昭和3年)設立された電気金融株式会社は、山形県小国町に工場(小国製造所)を建設し電気製品を製造していた。戦後、事業拡大に伴い安定した電力供給を求め、急流で水量も豊富な荒川を利用する事を計画した。本川にダム式発電所を建設し、認可出力5,200kWの発電能力を持つ赤芝発電所を1954年(昭和29年)に完成させた。これにより小国製造所へ安定した電力供給を図る事が可能となった。
ダムや発電所は1967年(昭和42年)の羽越豪雨において激しい濁流に洗われ浸水被害を受けたが、ダム本体への影響は無くその後も特筆すべき問題は無かった。だが現在堆砂が進行しており、2002年(平成14年)11月18日付けの朝日新聞で「堆砂の激しい50ダム」の一つに挙げられた。
[編集] 第二赤芝発電所
電気金融株式会社は1958年(昭和33年)に東芝系列となって東芝電興株式会社と名を改めたが、その後1968年(昭和43年)に同じ東芝系列である東芝炉材株式会社と合併し、現在の東芝セラミックスが設立された。小国製造所は1977年(昭和52年)にはシリコンウェハーの製造を開始、更に半導体需要の拡大により半導体を製造する装置製作を担うようになり、中枢工場としての役割が高まった。この為次第に電力需要が増大するようになり、既存の赤芝発電所をパワーアップさせて電力需要に対応しようとした。
こうして建設されたのが第二赤芝発電所であり、認可出力6,000kWの発電能力を有する様になった。現在小国製造所は小国事業所と名を変え、シリコンウェハーや石英ガラスなどの半導体製造装置を作っている。小国町の主要産業としてその役割は大きいものがある。
[編集] 赤芝峡
ダム下流及び上流は赤芝峡と呼ばれる険阻な峡谷が広がっている。ブナ・カエデ・ミズナラといった原生林の広がる峡谷は山形県における紅葉の名所としても知られ、秋には山形県や新潟県から多くの観光客が訪れる観光地である。また、春の新緑も見事であるが、この時期は朝日山地・飯豊山地等からの雪解け水が滔々と流れ出しており、赤芝ダムも豪快な放流を行っている。
赤芝ダム・赤芝峡へはJR東日本米坂線・小国駅下車後、小国町営バス「飯豊山荘」行に乗車。赤芝峡バス停を下車する。駅からの所要時間は10分程度である。
[編集] 関連項目
[編集] 出典
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