身土不二
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基本教義 |
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縁起、四諦、八正道 |
三法印、四法印 |
諸行無常、諸法無我 |
涅槃寂静、一切皆苦 |
人物 |
釈迦、十大弟子、龍樹 |
如来・菩薩 |
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部派・宗派 |
原始仏教、上座部、大乗 |
地域別仏教 |
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経典 |
聖地 |
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身土不二とは、
- しんどふに、仏教の教典にある用語。身土という用語から発展した。身は正報、土は依報でこの両者は同一であるという。唐の僧 妙楽大師湛然の『維摩疏記』、南宋の僧 智円の『維摩經略疏垂裕記』(「二法身下顯身土不二 由依正不二故便現身即表國土 離身無土者荊溪云 此是法身身土不二之明文也」 )、日蓮の『三世諸仏総勘文教相廃立』、無住道暁の『雑談集』(1305年頃)、親鸞の『教行信証』にもこの用語がみられる。山下惣一の著作『身土不二の探求』(1998年、ISBN 4-88340-057-3)に『廬山蓮宗寶鑑』(普度法師、1305年)が初出であると記述され、広まっている。
- しんどふじ、明治時代に仏教用語から自分の足で歩ける3里から4里範囲の地元食材を食べることが人間の健康に良い影響を及ぼすという思想を表現した用語。著作に食育という用語を記述した石塚左玄が創設した食養会の後継者、西端学が使用した。
- 2から転じて、人(身)とその人が生きる郷土(土)は密接な関係にあるものであり、別々に存在するものではない(不二)という意味で使われている。
農林水産省が進める地産地消運動の標語の一つとして使われる事例が1990年代後半から見られる。ただし、「地産地消」は1981年から始まった食生活改善に起源を持つ運動であり、食糧自給率の向上や国内農業振興を目的として使われることが多い「身土不二」とは本来異なる意味合いを持つものである。しかし、農林水産省は食生活の改善と国内農業振興の双方の役割を担う省庁であることもあり、近年は余り区別することなく使われる傾向がある。
また、この語は有機農業運動において用いられることも多い。