近江鉄道モハ9形電車
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近江鉄道モハ9形電車(おうみてつどうもは9がたでんしゃ)は、近江鉄道に在籍した電車の形式。クハ1208と編成を組む制御電動客車で全1両、1991年3月廃車。
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[編集] 概要
電化時に投入された旧デハ1を、1963年に木造車の鋼体化改造名義で西武鉄道クハ1214の車体に取り替えたもの。台車、機器はデハ1からの再利用。1987年時点で休車になっていた。1991年3月廃車。
[編集] 諸元
白土 (1970) による。#は京大鉄研 (1987) 。
- 最大寸法 長16,820 (16,910#)×幅2,715×高4,165 (mm)
- 自重 28.5 (34.5#) t
- 台車 KS33L (DT12#)
- 電動機 70PS (MT-15C 104kW#)×4個
- 制御装置 PC101C2 (CS5-9+CB8A#)
- 制動装置 AMJ (AMA#)
- 製造年月 1928年4月(車籍上)
- 製造所 川崎造船所(車籍上)
[編集] 前身
木造車体の丸屋根で、正面が軽いRをもち貫通路の付いたデハ1は、当時の親会社である旧宇治川電気電鉄部、現在の山陽電気鉄道が前身の神姫電気鉄道として開業した際に投入したものである。1928年の近江鉄道全線電化、1500V昇圧の時に入線、軌間の相違から台車を住友KS33Lに交換した。同時に投入されたデハ2-9は、後にモハ1形となった。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 白土貞夫 「近江鉄道」上下(私鉄車両めぐり83) 『私鉄車両めぐり特輯』第3輯、鉄道図書刊行会、1982、265-284頁、ただし記事の掲載は『鉄道ピクトリアル』Nos. 239-240、1970年。
- 京都大学鉄道研究会 「車両」『京都大学鉄道研究会雑誌』23号、京都大学鉄道研究会、1987、1-21頁。
- 藤井信男、大幡哲海、岸上明彦 「各社別車両情勢」『新車年鑑1991年版』鉄道ピクトリアル1991年10月臨時増刊号No. 550、鉄道図書刊行会、1991年、122-138頁(藤井担当の近江鉄道の項)