静岡県立富士高等学校
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静岡県立富士高等学校(しずおかけんりつふじこうとうがっこう)は、静岡県富士市にある県立高等学校。富士地区のトップ進学校でほとんどの生徒が大学への進学を希望している。また、難関大学への進学者が比較的多い。
特に英語の指導に力を入れており毎週テストを行う。英語に関しては県下有数の実力を誇ると自負している。
富士高体操という謎の軍隊的な体操が存在する。
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[編集] 沿革
- 大正11年 県立富士中学校設立認可
- 大正12年 県立旧制中学として創立。
- 昭和23年 県立富士高等学校に移行。定時制課程設置。
- 昭和61年 理数科設置。生徒定員1学年普通科405人、理数科40人。
- 平成10年 普通教室棟改築竣工
- 平成14年 生徒定員1,040人(普通科23学級 理数科3学級)
- 平成16年 体育館、講堂の耐震工事完了。
[編集] 教育方針
[編集] 校訓
- 克己心身を練れ
- 勤勉実力を養え
- 至誠事に当れ
[編集] 基本理念
- 高い理想の実現に向けて主体的に学ぶ姿勢と旺盛な探究心を持ち、自主・自立の精神や互いの人格を尊重する豊かな人間性を培い、社会の発展に貢献しうる心身ともに逞しい人間の育成をめざす。
[編集] 教育方針
- 自主・自立の精神を高め、個々の人格を尊重しうる豊かな人間性を培い、望ましい倫理観や責任感、そして逞しさを養う。
- 主体的に学ぶ態度と多様な学問領域への探究心を育成し、課題解決能力・論理的思考力・創造力・表現力等を身につけさせる。
- 高い理想を掲げ、その実現のために誠実かつ真剣に自らを鍛えて励み、社会の発展に貢献しうる人材の育成をめざす。
- 地域社会の要請と生徒の実態に即して、個人の啓発を最大の目標とし、誠実な態度と敬愛協力の精神を養い、豊かな社会性の育成に努める。
[編集] 教育課程
[編集] 校歌
- 静岡県立富士高等学校校歌「霊峰富嶽の聳ゆるところ」(3番まで)
- 作詞:勝田香月
- 作曲:杉山長谷夫
- 生徒会歌「気高き富士を仰ぎ見る」(3番まで)
- 作詞:高瀬雅常
- 作曲:高田富雄
- 応援歌
- 其の一「峻嶺北に聳えたち」(4番まで)
- 其の二「地のさざめごとひめやかに」(3番まで)
- 其の三「ああ岳陽の丘の上に」(4番まで)
- 勇魂の風「轟け瀑布の紺」(3番まで)
[編集] 主要行事・部活動など
[編集] 富嶽祭
例年、6月初旬に行われる学園祭。1日目、2日目の「文化の部」と3日目の「体育の部」から構成される。前述の「富士高体操」は「体育の部」で演技がなされる。ただし近年は平日に行われているため見られることが少ない。
[編集] 高原教室
富士高校の修学旅行に当たる行事であり、2年次の7月中旬に日光および尾瀬高原にて4泊5日の日程で行われる。梅雨の真っ只中の行事であるので、雨に見舞われることも多く、晴れの日に当たった学年は「当たり」とされ、そのほかの学年の生徒から羨ましがられる。全日程のうち、2日間が尾瀬での登山となっており、それ以外の日程を日光で過ごす。毎年、多数の生徒が行き先の変更を希望しているが、40年以上続く伝統行事、教育活動の一環という名の下に行き先を変更はしないと考えられる。尚、高原教室直後に生徒は「楽しかった思い出」を書かされることになっている。
[編集] 合宿補講
毎年八月の初めに三年生を対象として、小山町や御殿場市などの企業研修施設を 利用して行われる朝から晩までの特別補講。体験した生徒の感想として多いのが、 「勉強をする習慣が付いた」というもので、主に低レベルの生徒を対象としている。 高レベルの生徒にはハイレベル補講なるものが合宿補講裏で富士高において行われる。
[編集] 野球応援
全国高校野球選手権大会静岡県予選の応援。一年生は強制参加とされ、代休もとられる。 二三年生は自由参加にも関わらず、応援に参加する生徒は多く、毎年一回戦から十余台ものバスで会場入りし、スタンドを埋め尽くす応援をするような学校は県内でも珍しいが、ここ数年、1回戦・2回戦で敗退しており、野球部に対する視線が厳しくなっている。
[編集] 野球部
- 甲子園出場2回
- 選抜高等学校野球大会
- 第59回(昭和62年)
- 全国高等学校野球選手権大会
- 第61回(昭和54年)
[編集] 百人一首部
- 全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会
- 優勝11回(第1~10回の10連覇、第18回)
[編集] 演劇部
- 全国大会出場
[編集] 進学先
富士地区で群を抜いた進学実績を誇り、静岡県内でも有数の進学校である。伝統的に近場の名大より東北大への進学者が多い。東大への合格者は、多い年で7~8人・少ない年で1~2人。(浪人含む)
国公立大学合格者数で県下一位を記録するなど、国公立大学志向が極めて高く、学校側もそれを推奨するような雰囲気がある。これは、本来であれば、全国の進学校が「東大合格者数」や「旧帝大・医学部合格者数」などを競うところを、静岡県の高校が「国公立大学合格者数」という、全国的な国公立大学進学者数の比較対象として適当ではない数字を競っているためである。(要は、東大に一人受かるのと、地方国立大に一人受かるのとで同じ価値なので、比較する意味がない。富士高の国立大学進学者数はたしかに多いが、質で見ると浜松北・静岡・韮山などには及ばない数字である)このような進路状況からは、静岡県の高校における進路指導や教員の特異性が伺える。これに関しては賛否両論だが、私立大学への進学者が少ないわけではなく、早大、慶大、上大、東京理大、明大、青学大、立大、中大、法大などの難関私大には毎年数十人規模の合格者を送り出し、実際に進学する者は多い。関関同立といった関西地方の有名大学より、いわゆるMARCHなどの首都圏を中心とした有名大学への志望が強く、進学先にもそれが表れている。
そのため、国立大学では、センター試験前に東工大、横国大、埼大、千葉大などに志望が集中するという現象が見られるが、センター試験後には現実に沿った志望に変わるというのが一般的である。
富士高の進学先の特徴として、北は北海道、南は九州・沖縄まで、日本全国に進学先が分散している点があげられる。これは、上記にも記したように、国公立大学志向が極めて強いために起こる現象である。全国の進学校と呼ばれる高校で、ここまで進学先が分散する高校は稀である。これは、私大よりもなんとしても国公立大へ進学しなければという異常なまでの進路指導と、こうした指導を受けた生徒たちに生じた強い国公立大学への志向から、彼らがさまざまな地域に点在する地方国公立大学を受験して合格し、進学するためである。
[編集] 出身有名人
- 佐野瑞樹(フジテレビアナウンサー)
- 佐藤文康(東京放送アナウンサー)
- 戸塚洋二(物理学者)
- 渡辺梓(女優)
- 林哲司(作曲家)
- 山田貴洋(ミュージシャン、ASIAN KUNG-FU GENERATION)
- 田中健(民主党・大田区議会議員、東京都内最年少議員)
- 吉川雄二(静岡県議会議員、自由民主党所属)
- すがやみつる(漫画家、「ゲームセンターあらし」など)
[編集] 所在地
- 富士市松本17番地
- TEL 0545-61-0100/0545-61-0871
- FAX 0545-64-7349
- 通学手段:身延線竪堀駅より徒歩10分。東海道本線富士駅より徒歩25分。
- 交通機関:
- 富士駅から市内循環バス(ひまわり)富士高入口下車。
- 弥生線経由吉原中央駅行き富士高前下車。
- 吉原中央駅から弥生線経由富士駅行き富士高前下車。
- 通学区:富士市、富士宮市、富士川町、富士郡、山梨県南巨摩郡