007 トゥモロー・ネバー・ダイ
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『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(だぶるおーせぶん とぅもろー・ねばー・だい Tomorrow Never Dies)は、ロジャー・スポティスウッド監督のスパイアクション映画。1997年公開(日本での公開は1998年3月14日)。英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドが活躍する007シリーズ第18作。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
南シナ海の中華人民共和国の領海内でイギリス海軍軍艦デヴォンシャーが撃沈され、同時に中国人民解放軍のミグ戦闘機が撃墜された。中華人民共和国の領海内で起こった事件の上、お互いの攻撃行為はなかったにもかかわらず、その直後になぜか「公海上を航行するイギリス海軍艦と中国人民解放軍のミグ戦闘機が交戦した」ためだとイギリスの新聞で報道される。この事件の裏には、自ら戦争を起こすことでスクープを捏造せんとするメディア王エリオット・カーヴァーがいた。イギリス諜報部MI6はボンドをカーヴァーのパーティーが行われるハンブルグに派遣する。以前に関係があったカーヴァー夫人パリスから情報を得たボンドは、カーヴァーのビルに潜入、レーダーの座標を狂わせるGPS暗号機を発見する。そこへ中華人民共和国国外安保隊員ウェイ・リンと鉢合わせする。カーヴァーの逆鱗に触れたパリスは殺されてしまう。ボンドはデヴォンシャーが沈んでいることが判明したベトナム領海に向かう。そこでボンドはウェイと協力して、カーヴァーの所有するステルス艦に潜入、デヴォンシャーから盗み出されたミサイルに時限爆弾を仕掛けることに成功、カーヴァーの野望を粉砕した。
[編集] スタッフ
- 監督:ロジャー・スポティスウッド
- 製作:マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
- 脚本:ブルース・フィアスティン
- 音楽:デイヴィッド・アーノルド
- 音楽:シェリル・クロウ
[編集] キャスト
- ジェームズ・ボンド:ピアース・ブロスナン
- エリオット・カーヴァー:ジョナサン・プライス
- ウェイ・リン:ミシェール・ヨー
- パリス・カーヴァー:テリー・ハッチャー
- ヘンリー・グプタ:リッキー・ジェイ
- スタンパー:ゴッツ・オット
- ジャック・ウェイド:ジョー・ドン・ベイカー
- Dr.カウフマン:ヴィンセント・スキャベリ
- ロビンソン:コリン・サルモン
- ローバック提督:ジョフレー・パーマー
- M:ジュディ・デンチ
- Q:デスモンド・リュウェリン
- マネーペニー:サマンサ・ボンド
[編集] その他
- 本作は1996年に逝去した映画007シリーズの生みの親であるアルバート・R・ブロッコリに捧げられている。
- 本作よりボンドの愛用銃がワルサーPPKからワルサーP99へ替わる。
- オメガシーマスタープロフェッショナルを着用。前作『ゴールデンアイ』ではクオーツ式だったのが、本作から機械式モデルに変更された。劇中のシーマスターは、ウェイ・リンのアジトで入手したもので、彼女の言葉から中国情報部が改良を加えたとものと一般には考えられている。手榴弾を遠隔操作で起爆するのに、特殊機能が使用された[1][2][3]。
- ボンドカーとしてBMW750iLが使用された。撮影のために複数の同型車が用意された。ホテル駐車場でのカーチェイスシーン(撮影は郊外のスーパーマーケット駐車場で行われた)では、ドアミラーにCCDカメラが埋め込まれた車やアルミホイール違いの車両も確認できる。携帯電話での遠隔操縦・防弾ガラス・サンルーフミサイル・エンブレムカッター・リヤまきびし・ノーパンクタイヤ・盗難防止装置などの特殊装備がフルに活用されている。
- アストンマーチンDB5がボンドのプライベートカーとして登場。『ゴールドフィンガー』や『ゴールデンアイ』などでも登場する(なお、『ゴールドフィンガー』、『サンダーボール作戦』に登場したアストンマーチンDB5は、ボンドのプライベートカーではなく、Qが支給した特殊車両。そのDB5が情報部内でのオークションに出された時にボンドが買ったものを私物として使用している)。
- 冒頭の軍需品の密取引バザールのシーンで、オウム真理教の武器調達担当者をモチーフにした日本人の武器バイヤー(役名:サトシ・イサグラ)が登場する。彼は映画では、ほんの少ししか登場しないが、プレイステーションのゲーム版で中ボスである。
- 通常、核魚雷は外部から圧力や熱を受けても爆発(核分裂)しないようになっている。
- 2006年に発売された「アルティメットエディション」はいくつかの修正箇所がある。ボンドが印刷機に落ちる警備員をかみ砕く音は、より喧しいレベルになった。CMGNビルの衝撃音は劇場公開時のレベルに増幅された(旧バージョンはほとんど聞くことができない)。その他の主な修正箇所は以下の通り。
- Wai Linの自転車店の闘いの衝撃音は適切なボリュームに回復した。
- wai linが投げる手裏剣のショットはアルティメットエディションでは、手裏剣の刺さる効果音が強調された(イギリスでの劇場公開版及び旧DVD版は検閲上、効果音が抑えられている)。
- ボンドとスタンパーの最後の闘いの衝撃音は、痛みと負傷を与える理由から旧バージョンでは抑えていたが、「アルティメット盤」では衝撃音が強調された。
- エリオットカーバーの最期のシーンでの叫びがリミックスされた。
[編集] 日本語吹き替え
(DVD版/フジテレビ版/テレビ朝日版)
[編集] 参照
- ^ ボンドウォッチプロジェクト
- ^ Q Branch at Her Majesty's Secret Servant
- ^ James Bond Gadget Watch History at the watchismo times
[編集] 関連項目
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ショーン・コネリー | ドクター・ノオ - ロシアより愛をこめて - ゴールドフィンガー - サンダーボール作戦 - 007は二度死ぬ - ダイヤモンドは永遠に |
ジョージ・レーゼンビー | 女王陛下の007 |
ロジャー・ムーア | 死ぬのは奴らだ - 黄金銃を持つ男 - 私を愛したスパイ - ムーンレイカー - ユア・アイズ・オンリー - オクトパシー - 美しき獲物たち |
ティモシー・ダルトン | リビング・デイライツ - 消されたライセンス |
ピアース・ブロスナン | ゴールデンアイ - トゥモロー・ネバー・ダイ - ワールド・イズ・ノット・イナフ - ダイ・アナザー・デイ |
ダニエル・クレイグ | カジノ・ロワイヤル |
番外編 | カジノ・ロワイヤル - ネバーセイ・ネバーアゲイン |
テレビゲーム | ゴールデンアイ - ナイトファイア - エブリシング・オア・ナッシング |
関連項目 | ジェームズ・ボンド - ボンドガール - ボンドカー - MI6 - 007シリーズ |