ボンドガール
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ボンドガール(Bond Girl)とは、007シリーズの映画、小説、ゲームソフトに登場する女性キャラクターの総称。
[編集] 概要
多くの場合、観客の気を引くようなグラマラスな女優が起用され、作中の役どころとしてはボンドの敵役のガールフレンドや敵国の女性スパイなど、ボンドと対立する立場からプレイボーイのボンドの手練にかかって寝返るパターンが多い。他には、MI6から派遣されたボンドの助手や同一の敵を追う別の諜報機関の女性エージェントでボンドに手を貸したりボンドを出し抜いたりしながら最後はボンドとよろしくやる仲になる、或いはボンドと闘って死亡する悪役というものである。
シリーズの初期は女性を性的対象と捉えたり、ボンドに使い捨てにされるような設定で女性蔑視との声もあったが、女性が社会進出する時代の流れ(第17作以降、上司のM部長も女性になった)と共に、自立して闘うボンドガール像が創られるようになった。大半が国際的には無名の女優が起用され、007作品出演後は伸び悩むのがジンクスとなっている。その一方、近年ではソフィー・マルソーやハル・ベリーなど大物女優も積極的に出演している。
[編集] 歴代ボンドガール
女優名の後の( )内が役名。隠語や変わった名前もあり劇中でなんらかのオチ、言葉遊びに用いられる場合もある。
- 第1作 『007 ドクター・ノオ』 (1962年)
- ユーニス・ゲイソン (シルビア・トレンチ)
- ゼナ・マーシャル (ミス・タロー)
- ウルスラ・アンドレス(ハニー・ライダー)
- 第2作 『007 ロシアより愛をこめて』 (1963年)
- ユーニス・ゲイソン (シルビア・トレンチ) ※同じ役柄として2作品連続で登場
- ダニエラ・ビアンキ(タチアナ・ロマノヴァ)※60年ミス・ユニバースのイタリア代表。世界大会では準ミス。
- 第3作 『007 ゴールドフィンガー』 (1964年)
- シャーリー・イートン(ジル・マスタートン)
- オナー・ブラックマン(プッシー・ガロア)
- 第4作 『007 サンダーボール作戦』 (1965年)
- クローディーヌ・オージェ(ドミノことドミニク・ドゥルヴァル)※ミス・フランス
- ルチアーナ・パルッツィ(フィオーナ・ヴォルペ)
- 若林映子(アキ)※アジア人初
- 若林映子がこの映画の後間もなく映画界を引退し、日本では忘れられた存在になったことから、「日本人ボンドガール」というと先ず浜美枝の名前が上がるが、映画の中で実際の準主役はこの若林である。当地アメリカやイギリスのボンドファンのあいだでも一般にはそのように認識されており、彼女の役名「アキ」は40年を経た今日でも、米英で知られる日本女性の名前としては「ヨーコ」などと並んで五指に入るものとなっている。
- 浜美枝(キッシー鈴木)
- カリン・ドール(ヘルガ・ブラント)
- ダイアナ・リグ(トレイシー・ディ・ヴィンチェンゾ)
- ボンドと結婚するが、挙式直後にボンドの宿敵エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドに殺害される。
- 第7作 『007 ダイヤモンドは永遠に』 (1971年)
- ジル・セント・ジョン(ティファニー・ケイス)
- ラナ・ウッド(プレンティ・オトゥール)
- 第8作 『007 死ぬのは奴らだ』 (1973年)
- ジェーン・シーモア(ソリテア)
- グロリア・ヘンドリー(ロージー・カルヴァー)
- 第9作 『007 黄金銃を持つ男』 (1974年)
- ブリット・エクランド(メアリー・グッドナイト)※2人ともスウェーデン女優
- モード・アダムス(アンドレア・アンダース)
- 第10作 『007 私を愛したスパイ』 (1977年)
- バーバラ・バック(エージェントXXXことアーニャ・アマソーヴァ)
- キャロライン・マンロー(ナオミ)
- 第11作 『007 ムーンレイカー』 (1979年)
- ロイス・チャイルズ(Dr.ホリー・グッドヘッド)
- コリンヌ・クレリー(コリン・デュフォー)
- 第12作 『007 ユア・アイズ・オンリー』 (1981年)
- キャロル・ブーケ(メリナ・ハヴロック)
- リン=ホリー・ジョンソン(ビビ)
- カサンドラ・ハリス(リスル伯爵夫人)
- ※劇中に出演したボンドガールではないが、主題歌を歌ったシーナ・イーストンがオープニングに顔を出している。第20作『ダイ・アナザー・デイ』 では主題歌を歌ったマドンナが劇中に端役で出演するが、主題歌を歌うアーティストがオープニングに登場する作品は後にも先にもイーストンが唯一である。
- 第13作 『007 オクトパシー』 (1983年)
- モード・アダムス(オクトパシー)※ボンドガールを2作品(別々の役柄)で務めた唯一の女優
- クリスティナ・ウエイボーン(マグダ)※第9作同様、2人ともスウェーデン女優
- 第14作 『007 美しき獲物たち』 (1985年)
- タニア・ロバーツ(ステイシー・サットン)
- グレイス・ジョーンズ(メイデイ)※アフリカ系初のボンドガール
- 第15作 『007 リビング・デイライツ』 (1987年)
- マリアム・ダボ(カーラ・ミロヴィ)
- 第16作 『007 消されたライセンス』 (1989年)
- キャリー・ローウェル(パム・ブーヴィエ)
- タリサ・ソト(ルペ・ラモーラ)
- 第17作 『007 ゴールデンアイ』 (1995年)
- ファムケ・ヤンセン(ゼニア・オナトップ)
- イザベラ・スコルプコ(ナターリャ・シモノーヴァ)
- 第18作 『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』 (1997年)
- 第19作 『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』 (1999年)
- 第20作 『007 ダイ・アナザー・デイ』 (2002年)
- 第21作 『007 カジノ・ロワイヤル』 (2006年)
- エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)
- カテリーナ・ムリーノ(ソランジュ)
[編集] 関連項目
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ショーン・コネリー | ドクター・ノオ - ロシアより愛をこめて - ゴールドフィンガー - サンダーボール作戦 - 007は二度死ぬ - ダイヤモンドは永遠に |
ジョージ・レーゼンビー | 女王陛下の007 |
ロジャー・ムーア | 死ぬのは奴らだ - 黄金銃を持つ男 - 私を愛したスパイ - ムーンレイカー - ユア・アイズ・オンリー - オクトパシー - 美しき獲物たち |
ティモシー・ダルトン | リビング・デイライツ - 消されたライセンス |
ピアース・ブロスナン | ゴールデンアイ - トゥモロー・ネバー・ダイ - ワールド・イズ・ノット・イナフ - ダイ・アナザー・デイ |
ダニエル・クレイグ | カジノ・ロワイヤル |
番外編 | カジノ・ロワイヤル - ネバーセイ・ネバーアゲイン |
テレビゲーム | ゴールデンアイ - ナイトファイア - エブリシング・オア・ナッシング |
関連項目 | ジェームズ・ボンド - ボンドガール - ボンドカー - MI6 - 007シリーズ |