L19 (潜水艦)
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L19とは、赤軍(ソビエト連邦)海軍所属の潜水艦。第二次世界大戦終了後に、日本の引き揚げ船に対し無差別攻撃したことで知られる。2006年現在、ロシア側は依然として攻撃自体を認めていないが、対日作戦を通じて唯一沈没した艦船として認めている。
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[編集] 作戦行動
1945年8月22日、日本の艦船への攻撃命令を受けた僚艦L12とともに留萌沖に出没。二艦による共同作戦にて小笠原丸、泰東丸、第二新興丸に攻撃(雷撃及び砲撃)を加え沈没又は大破させ、民間人の引揚者に1,700人を超す死傷者を出した。
[編集] 沈没
作戦後、L12はウラジオストク港へ帰投したが、L19は礼文島沖合で通信を行ったのを最後に消息を絶ち行方不明となった。何らかの理由で沈没したものと推定されている。第二新興丸を攻撃時に反撃され損傷を受けていること、沈没したと推定される海域(二丈岩近海)に機雷を敷設した記録があることなど沈没の原因は複数存在する。
なお、L12の乗組員らは勲章を授与され、国家的な英雄として祭り上げられたが、L19については存在自体黙殺されていたという。
[編集] 捜索
宗谷海峡周辺では、操業中の漁船が金属片を巻き上げたことがあるなどから沈没船の存在が知られていたほか、サハリンプロジェクトの調査船も海底付近で船影らしき存在を確認してきた。なお、同海域では、1943年にアメリカ海軍の潜水艦ワフー(SS-238 Wahoo)も沈没しており、両者を取り違えている可能性もある。
2005年、ロシア太平洋艦隊は、艦隊創立60周年の節目にあたり調査船を捜索海域に派遣。水中音波探知機などを使い海底調査を行ったが空振りに終わった。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 北海道の歴史 | ソ連・ロシアの潜水艦