The ピーズ
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Theピーズ (ザ・ピーズ) は、3人組の日本人バンド。1987年結成。1997年8月の東北ツアーを最後に一旦活動休止し、2002年7月に活動再開した。
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[編集] 概要
1980年代のバンドブームの中で生まれた数少ない有名な現役バンドである。活動休止までの間はメンバー交代を繰り返しているため、アルバムを聞き比べてみると、全く違うバンドが演奏しているように聴こえる。活動再開後はメンバー交代はない。最高売上が2万枚と、一度もブレイクしたことはないが、今もメジャー契約で活動している。初期は性やくだらない出来事を歌った明るい曲調のものがメインであったが、中期~活動休止期にかけては、ダメな自分、脱線した人生、焦り、なげやり、少しだけの希望といった自己の内面をさらけ出した詩が一部で高い評価を得た(初期の楽曲にもこういった傾向をうかがわせる予兆が見られる)。若手ミュージシャンでは、銀杏BOYZの峯田和伸やサンボマスターの山口隆などが、彼らに影響を受けたと公言している。他にもSyrup 16gも影響を受けていると思われる。芸能界では、田村亮 (ロンドンブーツ1号2号)がピーズ好きで有名であり、シングル「底なし」は彼の希望によって、あなあきロンドンブーツのタイアップとなったというエピソードがある。また小説家の絲山秋子が、「逃亡くそたわけ」の中で歌詞を引用した。この作品は映画化され(今夏公開予定)、作中で「日が暮れても彼女と歩いてた」をはじめとするピーズの曲が挿入歌として使用される。
[編集] メンバー
- 安孫子義一(あびこよしかず、ギター)
- 愛称「シンちゃん」。茨城県出身。the pillowsの活動と平行で参加している。
- 元メンバー
- 後藤升宏(ドラム)-愛称「マスヒロ」。1987年~1989年。機械のような超絶テクニックの持ち主だが、その手数の多さ故、シンプルな音を好む自分と相性が合わなかったという趣旨の発言を、後にはる自身が述べている。脱退後、一時期人間椅子で活動していた。
- ウガンダ(ドラム) -1990年~1993年、1995年8月~10月。ドラム未経験での加入だった。
- 吉田武彦(ドラム) -1995年11月~1996年7月。
- 土田小五郎(ギター) -1996年8月~1997年8月。
- 石原弘一(ドラム) -愛称「チャーリー」1996年8月~1996年11月。
- 吉田明弘(ドラム) -愛称「ヨッちゃん」。1996年11月~1997年8月。
[編集] 来歴
- 1987年、はる、アビさん、マスヒロの3人で結成。当時のバンド名は「ジャコフ&ゲイリーズ」。下北沢屋根裏で初ライブ。のちにTheピーズに改名。当時の歌詞の多くが下ネタやくだらないことを書いたものが中心だったので、バカロックと呼ばれ、ひとつのジャンルを作っていた。
- 1989年10月、ビクターより、シングル「バカになったのに」でデビュー。11月にはファーストアルバム『グレイテストヒッツ VOL.1』『グレイテストヒッツ VOL.2』を2枚同時リリース。オリジナルアルバムにもかかわらず、まるでベストアルバムであるかのようなタイトルが話題を呼ぶ。もっとも、収録されている曲は、ライブで演奏されていた人気曲ばかりで、その時点で発表されていた曲のほとんどを収録していることから、その時点でのベストアルバムとも呼べなくはない。12月、マスヒロが脱退。メジャーデビュー早々、活動休止に入る。
- 1990年4月、新ドラマーのウガンダが加入。5月には全国ツアーを敢行し、9月に、シングル「いいコになんかなるなよ」と、アルバム『マスカキザル』を同時リリース。この当時、ウガンダの腕前は完全なる素人で、テンポ取りもまともに出来ない程であった。そのせいもあってか、このアルバムではミドルテンポの曲が多くを占めている。演奏は拙い(ドラムのみ)ものの、このアルバムは初期の名盤と評されることが多い。
- 1992年4月、シングル「やりっぱなしでサイナラだBye Bye」、アルバム『クズんなってGO』を同時リリース。アルバムがオリコン初登場51位を記録。その後、2003年までの11年もの間、作品がチャートインすることはなかった。このアルバムから、ピーズの最大の特徴とも言える深い内省的な歌詞が出てき始めてることから、ひとつの転換期であったといえる。
- 1993年、アルバム『とどめをハデにくれ』をリリース。このアルバムは、全9曲ながら収録時間は60分を越える大作であった。日記の一部を切り取ってきたような歌詞と、どこか哀愁漂うメロディーが一部で高い評価を受ける。このアルバムをピーズの最高傑作とするファンも多い。ツアー開始直前にウガンダが脱退。2人で活動を行った。
- 1994年、サポートドラム加入。この頃から活動休止まで頻繁にメンバー交代が行われた。ちなみに現在のドラマーであるシンイチロウもレコーディングに参加していた時期がある。
- 1997年、アルバム『リハビリ中断』をリリース。活動休止を感じ取れる歌詞の通りに、その後のツアー終了後に活動休止した。休止の間、はるは居酒屋の店員をして生計を立てる。
- 2001年、2枚44曲のベストアルバムと全14巻のヒストリービデオをリリース。ベストアルバムの選曲がはるによるものであることや、はるが真心ブラザーズのライブでピーズの曲を披露するなど表立った活動が見られるようになってくるとともに、活動再開の声が大きくなる。
- 2002年、ROCK IN JAPAN FESTIVAL2002出演発表により活動再開が決定。7月、はる、アビさん、シンイチロウの3人による千葉LOOKでのライブをもって正式に活動再開。
- 以後現在までだいたい年1枚のペースでアルバムをリリースしながら、精力的に活動している。
[編集] 代表曲
- バカになったのに
- デビュー曲。当時、この曲によって「バカロック」というジャンルに分類されることとなった。2003年にヴィジュアル系バンドのPlastic Treeがカバーしている。
- 実験4号
- 活動休止前のアルバム『リハビリ中断』に収録されている楽曲。「君と最悪の人生を消したい」という歌詞が印象的。1999年にウルフルズがカバーした。(アルバム『ラブソング・ベスト “Stupid & honest”』に収録。)
- 日が暮れても彼女と歩いてた
- 中期の代表曲で『とどめをハデにくれ』に収録されている。対バンライブの際に銀杏BOYZがカバーした。
- シニタイヤツハシネ-born to die
- 『とどめをハデにくれ』のラストを飾る10分近くの大作。漢字だとインパクトが強すぎるというレコード会社からの注文でタイトルがカタカナになったというエピソードがある。
- Yeah
- 結成当初からの曲で今でもライブで演奏されることの多い人気曲。ベストアルバムで再録されて、より自然なロックンロールになった。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- バカになったのに (1989.10.21)
- いいコになんかなるなよ (1990.9.21)
- やりっぱなしでサイナラだBye Bye (1992.4.21)
- 底なし (1996.5.22)
- 耳鳴り-殉職バージョン- (2005.5.21)-ライブ会場限定発売
- アル中 (2007.2.2)-ライブ会場限定発売
[編集] アルバム
- オリジナルアルバム
- グレイテスト・ヒッツ VOL.1(1989.11.21)
- 1.全部あとまわし 2.とりあえずここはいい気持ち 3.いちゃつく2人 4.もっともっと 5.ブリーチ 6.気ばらしのバット 7.中国たばこ 8.タクシー 9.汗まみれ 10.悪魔の渋谷 11.カリスマきどりだBaby 12.しげき的な日々 13.ブスだからいーや 14.あるいた 15.エッチ 16.バカになったのに
- グレイテスト・ヒッツ VOL.2 (1989.11.21)
- 1.肉のうた 2.デブジャージ 3.NTT 4.パープー 5.バイブレーター 6.いーじゃん 7.このままでいよう 8.世紀末のうた 9.夢のリーゼント 10.そばにいたい 11.1等賞 12.かまわない 13.なっとーばかりくっててもいーのか 14.Yeah 15.カラーゲ 16.階段
- マスカキザル (1990.9.21)
- 1.いいコになんかなるなよ 2.どっかにいこー 3.けばみ 4.やったなんて 5.マスカキザル 6.オナニー禁止令 7.Telしてこい 8.ぼけつ 9.いんらんBaby 10.バイ菌マン
- クズんなってGO (1992.4.21)
- 1.ふぬけた 2.ラブホ 3.電車でおでかけ 4.手を出せ 5.あの女 6.やりっぱなしでサイナラだBye Bye 7.クズんなってGO 8.まわりはついている 9.便所モンキー 10.ニューマシン 11.君は僕を好きかい 12.まったくたのしいぜGO GO 13.平和
- とどめをハデにくれ (1993.7.21)
- 1.映画(ゴム焼き) 2.好きなコはできた 3.日が暮れても彼女と歩いてた 4.みじかい夏は終わっただよ 5.今度はオレらの番さ 6.井戸掘り 7.手おくれか 8.日本酒を飲んでいる 9.シニタイヤツハシネ-born to die
- どこへも帰らない (1996.3.23)
- 1.脳ミソ 2.底なし 3.どこへも帰らない 4.ザーメン 5.とどめをハデにくれ 6.負け犬 7.Hey君になにをあげよー 8.Get Back アブ 9.何も憶えてねー 10.やっとハッピー 11.じゃますんなボケ(何様ランド) 12.ハニー
- リハビリ中断 (1997.5.3)
- 1.線香花火大会 2.鉄道6号 3.実験4号 4.植物きどりか 5.ハトポッポ 6.ドロ舟 7.月面の主 8.赤羽ドリーミン(まだ目は醒めた) 9.見切り発車 10.反応ゼロ
- Theピーズ (2003.2.5)
- 1.生きのばし 2.ゴーラン 3.ブリロー 4.サイナラ 5.ひとりくらいは 6.バースデー 7.無力 8.ヒッピー 9.ギャンブル 10.使いのこし 11.喰えそーもねー 12.グライダー
- アンチグライダー (2004.3.3)
- 1.バーゲン 2.ギア 3.Mr.カウパァ 4.残念賞 5.ブロイラー 6.妄想パーティー 7.ウチ帰れ 8.全速力で遠回し 9.眠る前に一発 10.脱線
- 赤羽39 (2005.11.2)
- 1.体にやさしいパンク 2.ノロマが走ってく 3.リサイクリン 4.東の窓 5.生きてれば 6.焼めし 7.クリスマス 8.グッタリしたいぜ 9.風の夜 10.40 11.耳鳴り 12.サマー記念日
- ベストアルバム
- ブッチーメリー 1989‐1997 SELECTION SIDE A (2001.1.10)
- 1.やりっぱなしでサイナラだBye Bye 2.いいコになんかなるなよ 3.エッチ 4.Yeah(江戸川橋セッション) 5.クズんなってGO 6.ザーメン 7.便所モンキー 8.やっとハッピー(REMIX VERSION) 9.このままでいよう 10.いんらんBaby 11.日本酒を飲んでいる 12.ハトポッポ 13.Hey君に何をあげよー 14.鉄道6号 15.負け犬 16.ふぬけた 17.ブリーチ 18.底なし 19.赤羽ドリーミン(まだ目は醒めた) 20.ドロ舟 21.手を出せ 22.日が暮れても彼女と歩いてた(LIVE AT ON AIR 1993) 23.バカになったのに(UNRELEASED STUDIO SESSION)
- ブッチーメリー 1989‐1997 SELECTION SIDE B (2001.1.10)
- 1.脳ミソ 2.ニューマシン 3.とりあえずここはいい気持ち 4.やったなんて 5.肉のうた(UNRELEASED STUDIO SESSION) 6.ラブホ 7.ハニー 8.階段 9.マスカキザル 10.線香花火大会 11.恋は水色 12.バイブレーター 13.植物きどりか 14.どっかにいこー(LIVE AT ON AIR 1992) 15.実験4号 16.見切り発車 17.何様ランド(REMIX VERSION) 18.とどめをハデにくれ 19.シニタイヤツハシネ-born to die 20.君は僕を好きかい 21.月面の主
- その他
- O.P.KING (2003.7.30)
- 2曲目の「ミサイル畑で雇われて」はピーズのライブでも演奏される。
- SYNCHRONIZED ROCKERS (2004.9.16)
- the pillowsのトリビュートアルバム。Theピーズ withクハラカズユキ名義で「巴里の女性マリー 」をカバー。
[編集] DVD
- Live Video 常盤座 (2001.8.1)
- TheピーズVideo(12) (2002.5.31)
- Theピーズ in HIBIYA (2004.9.23)
- 男40記念 (2006.5.27)
[編集] 関連項目
- ROCKIN'ON JAPAN
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL
- the pillows
- O.P.KING
- 奥田民生
- YO-KING
- ウルフルズ
- Plastic Tree
- 銀杏BOYZ
- ガガガSP
- オナニーマシーン
[編集] 外部リンク
- Theピーズ-たまぶくロカビリー倶楽部- (オフィシャルサイト)
- Theピーズ ファンサイト - まだ目は醒めた。」 (ファンサイト)
- Theピーズ リスペクト・ライブ 「とりあえずここはいい気持ち」 (ファンサイト)