X-3 (航空機)
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X-3はアメリカで開発された超音速実験機。愛称Stiletto(スティリット:短剣の意)。
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[編集] 歴史
第二次世界大戦継続中の1945年、将来のジェット戦闘機開発のため、超音速飛行の試験機XS-3として承認された。1951年に1号機が試作され、実験がスタートした。しかしながら、開発されたジェットエンジンが当時の技術水準のため非力で、当初の目標である水平マッハ2飛行は達成できなかった。最大水平飛行速度はマッハ1未満で、1953年にダイヴでマッハ1.21を記録したのみであった。
1953年に空軍からNACA(のちのNASA)に移されテストが行われたが、さほどしないうちにライトパターソン空軍博物館に移管された。
[編集] 機体形状
愛称のとおりの細長い機体に、きわめて薄い、小さな主翼を持つ。ウェスティングハウス製XJ34-WE-17を胴体内に2基搭載する。後のF-4と同様に、エンジン排気口より後方に垂直尾翼と水平尾翼を持つ。水平尾翼は現在の戦闘機にも通ずる全遊動尾翼である。パイロットは機体下部よりエレベータにより搭乗し、下方射出座席であった。
- 全長20.35[m]
- 全幅6.91[m]
- 全高3.82[m]
- 自重6,510[kg](全備重量9,440[kg])
- エンジンウェスティングハウス製XJ34-WE-17(アフターバーナー時推力2,220[kg])2基
- 最大到達速度1,136[km/h](高度6,100[m])
[編集] その他
当初の目標である水平飛行によるマッハ2の飛行は達成されなかったが、そのデータは後のF-104スターファイターの設計に多大な影響を与えたとされる。
なお、「世界の駄っ作機」(岡部ださく著:岡部いさくの駄っ作機名義)に収録されている。
[編集] 参考文献
- 「Xの時代-未知の領域に踏み込んだ実験機全機紹介」,世界の傑作機シリーズSpecial Edition3(文林堂)
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