のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~
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『のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』(のびたのしんまかいだいぼうけん しちにんのまほうつかい)は、2007年3月10日公開の『映画ドラえもん』シリーズ通算第27作(新シリーズ第2作)。この作品は、1984年3月17日に公開された『のび太の魔界大冒険』をリメイクしたもの。
のび太の新魔界大冒険としての「大長編ドラえもん」は存在しないが、映画をコミカライズした「ドラえもん映画ストーリー のび太の新魔界大冒険」が岡田康則によって執筆され、コロコロコミック2007年1月号~3月号に掲載された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 声の出演
- ドラえもん:水田わさび
- のび太:大原めぐみ
- ジャイアン:木村昴
- スネ夫:関智一
- しずか:かかずゆみ
- ドラミ:千秋
- セワシ:松本さち
- 出木杉:萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)
- はる夫:山下亜矢香
- 先生:高木渉
- のび太のママ:三石琴乃
- のび太のパパ:松本保典
- 満月美夜子:相武紗季(2006年6月30日に『もこみちくんと紗季ちゃんだ! ジーンと感動する話』に本人役として出演)
- 満月牧師:河本準一(次長課長)
- 幼い美夜子:松元環季
- メジューサ:久本雅美
- デマオン:銀河万丈
- ギム:山崎バニラ
- 使い魔:後藤史彦、幸田昌明
- 一つ星悪魔:板倉大、東明弘
- 二つ星悪魔:深津智義、つぶやきシロー(特別出演)
- 三つ星悪魔:宇垣秀成
- コックの悪魔、バット君:高戸靖広
- マミ:瀬那歩美
- 編集:成田剣
- 医者:菅原淳一
- バッター:福圓美里
- 審判:桃森すもも
- リポーター、トンポコ:まるたまり
- アナウンサー:大下容子(テレビ朝日アナウンサー)
- 女の子:hiroko(mihimaru GT)
- 郵便配達員:miyake(mihimaru GT)
[編集] スタッフ
シンエイ動画の元社員でドラえもんファンでもある作家の真保裕一が脚本を担当し、監督は、ドラえもん映画作品としては初(『ドラミちゃん』など中編では前例あり)の女性監督、寺本幸代。また、作画監督も同じく女性アニメーターである金子志津枝が起用された。
- 原作:藤子・F・不二雄
- 総監督:楠葉宏三
- 監督・絵コンテ:寺本幸代(ベガエンタテイメント)
- 脚本:真保裕一
- 演出:腰繁男
- 作画監督:金子志津枝
- 美術監督:土橋誠(ベガエンタテイメント)
- 色彩設計:吉田晴絵(ベガエンタテイメント)
- 3DCGスーパーバイザー:木船徳光(IKIF+)
- 3DCG監督:奥村優子(IKIF+)
- 撮影監督:熊谷正弘(アニメフィルム)
- 編集:岡安肇(岡安プロモーション)
- 録音監督:田中章喜
- 効果:糸川幸良(グループ・アンド・アイ)
- 音楽:沢田完
- おまけ映像:渡辺歩、津田輝王、角野弘明
- 制作デスク:岡田麻衣子、武井健
- プロデューサー:小倉久美、吉川大祐、藤森匠、山崎立士
- チーフプロデューサー:増子相二郎、杉山登
- アニメーション協力:ベガエンタテイメント
- 制作:映画ドラえもん制作委員会(藤子プロ、小学館、テレビ朝日、シンエイ動画、ADK、小学館プロダクション)
[編集] 主題歌
- 『ハグしちゃお』
- 作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/編曲:京田誠一/歌:夏川りみ(ビクターエンタテインメント)
- 『かけがえのない詩』
- 作詞:hiroko,mitsuyuki miyake and Hidemi/作曲:mitsuyuki miyake/編曲:mitsuyuki miyake and takashi morio
- 歌:mihimaru GT(ユニバーサルJ/tearbridge production)
[編集] 『魔界大冒険』と『新魔界大冒険』の違い
- パラレルワールド
- 『魔界大冒険』では魔法世界で魔界星が接近し、地球の終わりが来ると言われていたが、『新魔界大冒険』では現実世界の地球にも謎の天体(コミカライズ版ではブラックホールと書かれている。)が接近し、現実世界も危ういというオリジナルシーンが追加されている。
- 満月先生
- 『のび太の魔界大冒険』では魔学博士との設定であったが、『のび太の新魔界大冒険』では現実の世界では宇宙の研究者(映画公式パンフレットでは天文学者と書かれている。)であり、魔法世界では牧師で魔法学の研究者という設定になっている。また、満月一家の家も原作と旧作では高井山にある屋敷となっているが、『新魔界大冒険』では樹海の森にある教会となっている。
- 美夜子の母
- 原作及び旧作には出てこない。美夜子が幼い頃に病気に倒れたときに魔法で治そうとして悪魔と契約し、代わりに命を落とす。
- ギム
- 最初に地球に偵察にやってきたサルのような使い魔。『のび太の魔界大冒険』では名前がなかったが、『のび太の新魔界大冒険』でギムという名前がつけられた。なお、ゲーム『ドラえもん3 魔界のダンジョン』ではサイコウッキーという名前になっている。
- パラレルワールドの設定
- 旧作では、もしもボックスにより出来た世界と設定されていたが、今回の作品ではそういった別の世界(魔法世界)が存在し、もしもボックスはそれを利用して相互の関係を入れ替えたと設定されている。これにより、ギムが現実世界に来た矛盾などを解消している。
- メジューサ
- 『のび太の魔界大冒険』では脇役で出番も終盤のみと少なかったが、『のび太の新魔界大冒険』ではデザインもより人間に近い姿で描かれており、中盤からストーリーに絡んでくる。
- ナルニアデス
- 『のび太の魔界大冒険』では人類で唯一魔界星に足を踏み入れ、魔界歴程を残した神官とされている。『新魔界大冒険』では地球を悪魔から守るため、月の光に力を与えたという設定も追加されている。
- ドラミの登場
- 事件の発生する前の夜にドラえもんが突然腹痛を起こし(ポケットの中ののび太とドラえもんが暴れたため)、一時的に22世紀に帰るというシーンが追加。その際、ドラミとセワシが序盤のうちから作品に登場している。
- このシーンの追加により、原作で問題にされた「なぜ後半、突然ドラミが現れたのか」という疑問点に説明が付けられるようになった。
- 決着
- 原作及び旧作では最後の銀の矢をジャイアンが放っていたが、今回の作品ではのび太が放っている。
- 道具
- 本来作品に登場しない「月光灯」「オールシーズンバッジ」などが今作で活躍。代わりに「道路光線」などは削除された。
- また、魔界星の大魔王の城へ乗り込んだ際に使用した道具が「石ころぼうし」から「モーテン星」に変更されている。
[編集] その他
- タイトルは「7人の魔法使い」となっているがドラえもん、のび太、ドラミは現実世界から来たためまともな魔法使いは「4人」である。
- 前作では大勢の人々の中に紛れ込んで登場した「エスパー魔美」だが、今回も劇中アニメ「魔法少女マミ」の主人公として魔美とコンポコ((ただし原作とは容姿が異なっており、コンポコもトンポコと呼ばれている。)が登場している。また、現実世界ではのび太の部屋に前作で登場した卵から恐竜が飛び出すおもちゃやピー助と遊んだピンクのボールが置いてあるため、「のび太の恐竜2006」とリンクしている。寺本監督はこれを「ドラえもんたちは継続した時間の中で生きている。」としている。
- ジャイ子がのび太達と同じ学校に通っている描写や生徒の教室でのおしゃべり、野球をしている子供達、下校している様子やドラえもんの劇中漫画「ライオン仮面」と「オシシ仮面」のボトルフィギュアがのび太の部屋の棚に飾ってあったりしているなど、原作や84年版よりも普段の日常生活が多く描かれている。他にも映画冒頭の研究所内モニターに増え続ける栗まんじゅう(原作コミック第17巻『バイバイン』参照)が映っていたり漫画家のフニャコフニャオ先生と担当編集者が魔法世界に一瞬だけ現れるなど、細かい原作ネタがあちこちに散りばめられている。
- これまでの映画版やテレビシリーズでは日付が変わってもほとんど同じ服を着ているのび太達だが、今回は普段着が日付ごとに変わっている。女性監督と女性作画監督らしい細かい気配りである。
- 映画の冒頭に人工衛星のボイジャー5号が登場するが、実際のボイジャーは2号までで、これは架空の設定である。(しかも実際のボイジャーは人工衛星ではなく惑星探査機。)
- 映画のラストには昨年と同じくおまけ映像があり、その中で2008年にも映画が公開されることがドラえもんによって発表されている。ちなみに28作目は過去の大長編ドラえもん作品のリメイクではなく、「のび太の恐竜2006」を監督した渡辺歩によるオリジナル作品(とはいえ、ドラえもんの中にあるエピソードをベースにしている。)になる予定だと、「映画ドラえ本『のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~』公式ガイドブック」のインタビュー記事内で楠葉宏三総監督が話している。
- 新たな魔法なども多いが、それらの殆どは『ドラえもん』に登場する魔法としては世界観を逸脱しすぎていることもあり、ロード・オブ・ザ・リングやハリーポッターシリーズの影響を受けすぎとも指摘される。
- このように、原作や大山時代の劇場版とは大筋を除いて殆どの部分、登場人物等が異なることから、実際のところは「原作および前回の劇場版を元にした新作」のような造りとなっている。
- 3月23日には「映画謎解きSP」として、映画を題材にしたアニメが放送された。魔法世界ののび太を主人公とした「魔法使いのび太」や、のび太そっくりの悪魔「のび魔」とドラえもんそっくりの小悪魔「ドマえもん」が主人公の作品、「悪魔城の秘密」、そして映画のプロローグとなる作品(使い魔のギムを主人公としたもの)である「序章・新魔界大冒険」が放送された。
[編集] キャッチコピー
- キラキラかがやく、君になれ!
[編集] 関連企画
- 2007年2月~3月運行の「みなとみらい号」は、ドラえもんのヘッドマークを掲出して運行した。
[編集] 公式サイトについて
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